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茶の湯 徒然日記

茶の湯との出会いと軌跡、お稽古のこと

千家十職

2005-06-20 22:27:41 | 茶道マメ知識
 茶道具の項で簡単に茶席で必要な道具をご説明したが、それらを作る為に千家にはお抱えのお道具師(職人)がいる。それを特に千家十職と呼んでいる。家元宗匠の好みや創意工夫で諸道具を調整する職人で、明治中期よりそう呼ばれるようになった。
具体的には以下のとおり。
永楽家: 土風炉、焼物師    現在17代目  花入・蓋置・茶碗・水指・香合など
大西家: 釜師         現在16代目  釜・鉄瓶・建水など
奥村家: 表具師        現在12代目  表具・風炉先・屏風・紙たばこなど
黒田家: 竹細工、柄杓師    現在13代目  花入・柄杓・茶筅・蓋置など
駒澤家: 指物師        現在15代目  棚物・茶箱・曲げ物・香合・炉縁など
土田家: 袋師         現在12代目  ふくさ・仕服など
中川家: 金もの師       現在11代目  キセル・火箸・建水・水次やかんなど
中村家: 塗師         現在12代目  棗・水指・香合・盆・菓子器など
飛来家: 一閑張細工師     現在16代目  棗・香合・長板・盆・灰取り・香合等
楽家 : 茶碗師        現在15代目  茶碗・水指・香合・花入・蓋置など

 千家十職のお道具、普段一般人がお目にかかるには美術館位しかないのだが、先日日本橋高島屋美術画廊で、竹細工師の当代黒田正玄氏と薩摩焼の沈壽官氏の美術展があり、見に出かけた。いずれもすばらしかったのだが、特に竹細工にはため息しかでなかった。
 竹で作られている茶道具といえば、お恥ずかしながら蓋置と柄杓、花入位のイメージしかなかったのであるが、棗、香合、水指、建水等、茶道具のほとんどを網羅していた。ゴマ竹といって一面にゴマのような黒い斑点が美しく現れている竹を使って作られた水指や、こんなに太い竹があるのかと思うような一節をくりぬいた建水、塗りかと思うほどすばらしい茶色の光沢を放つ棗、竹とは思えないような曲線の蛤香合、様々に蒔絵の施された棗や香合、職人の技でこんなに美しく自在に変化するのかと感動した。竹と一言にいっても種類も色々あるらしく、それぞれの特徴を生かして気品ある竹細工が並んでいた。
 沈壽官氏の薩摩焼も真っ白な地に繊細な美しい絵が華やかに描かれていてすばらしく、ほっと優しい気持ちにさせられるお茶碗が多かった。
 その美術画廊では茶席も設けられていた。お二人の道具が一緒に使われての薄茶点前、全く違う素材・雰囲気でも一緒に使われて清々しいお茶席となっていた。
 
 やはりホンモノを見るというのは大事だな、と感じた。そして、伝統技術ってすごい、受け継がれていくべきものだな、とも思った。
美術館でもいいから、どんどんいいものを見にでかけよう。茶道具の展覧会をよくしている美術館として、根津美術館、畠山美術館、五島美術館、静嘉堂文庫美術館、出光美術館等が思い浮かんだ。

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