マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 




(写真)片側3車線の関越自動車道。通行帯ごとに最低速度を変えてもよいのでは?

 報道によると、警察庁交通局交通規制課と交通企画課は4月2日、「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」(委員長=太田勝敏・東洋大学国際地域学部国際地域学科教授)の結果を公表し、今後、公道における速度規制のあり方を見直していくそうです。

(写真)新潟県内の関越自動車道は片側2車線で、しかも80キロ制限。

 報告書を作成した検討委員会は、学識経験者や国土交通省、警察庁の関係者を交えて2006年から議論を続けており、今年で3年目。報告書では、生活道路については、衝突事故で歩行者が死亡する可能性が高まる時速30キロ以下に速度規制したり、道路の構造を工夫(バンプの設置等)して事故を防止したりする取り組みを提言。一般道路については、中央分離帯の有無や車線数、歩行者数の多寡を勘案して12類型を設定し、よりきめ細かい区分をするほか、逆にバイパス等自動車交通に特化したような道路では、法定速度(時速60キロ)を超える規制速度(但し上限は時速80キロ)も検討するとしています。さらに、高速道路については、道路の設計速度からインターチェンジ間の規制速度を定めていた従来の方式を改め、道路構造や勾配を加味し、5キロごとの区間で規制速度を判断。但し、最高速度(100キロ)については維持する方向だそうです。

(写真)福島県の甲子峠道路・甲子大橋。一般国道だが規格はよく、快走路。

 日本の速度規制については、運転者として感じるのは、規制と実態があまりにも乖離しているということで、自動速度取締装置も10キロオーバー程度では作動しませんし、実態として丁寧なドライバーでも制限速度+10~15キロで走っていることが多いように思えます(この点、例えばフランスやベルギーでは、数キロのオーバーでも検挙されます。)。見直しにあたっては欧米の制度も参考にしたそうですが、参考にするのであれば、単に規制速度の数字だけ参照するだけでなく、実際の取り締まり実態も考慮に入れるべきだったのではないでしょうか。

(写真)イタリアの高速道路。90キロ、60キロの最低速度が設定されている。

 この答申では、高速道路については最高速度は時速100キロを維持するそうですが、報告書はこれを110キロ、120キロに引き上げても事故発生率は数パーセント上昇するだけと認めており、実態に合わせる意味でも、例えば規制速度は時速120キロに引き上げ、そのかわり違反は現在よりも厳格に取り締まる、といった対応が望ましいと思います。また、片側3車線の高速道路で中央の通行帯に車が集中するのを防ぎ、3つの車線の間で速い車と遅い車を振り分けるため、車線ごとの最低速度を設定する(例えば、一番右側の通行帯の最低速度を時速90キロ、中央を70キロ、左側を50キロに設定。イタリアで既にそうした規制を導入している例がある。)のも一案かと思います。



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