(写真)イロ・サクレ地区。テラス席は華やかに見れますが・・・
どこの都市でも観光客相手の商売は世知辛いものですが、中でも外食産業は、一見客しか来ないとなると手を抜き勝ちです。例えば、リヨンでは半島にあるメルシエ(Merciere)通りがその傾向がある他、旧市街(Vieux Lyon)でも、レストランによっては問題のあるところが散見されます。そういえば、かつて訪れたバルセロナでも、旧市街に近い観光地で入ったレストランはわりと高コスト体質でした。
ところが、ブリュッセルのブッシェール通り(rue des Bouchers)を中心とする観光食堂街「イロ・サクレ」(Ilot sacre)地区(写真)は、手を抜くどころか、ぼったくりのような営業をしている店がいくつかあり、比較的良心的な2店(「レオン」と「オ・ザルム・デュ・ブリュッセル」)を除いては、地元のベルギー人や日本人駐在員は全く足を踏み入れない場所です。この街区の食堂の特徴は、各店が道路にまで客席を迫り出してテラス席を無理やり作り、メニューが書かれた看板を多数並べ、雰囲気だけは立派なこと。しかも、客の呼び込みが西欧人とは思えぬほど?積極的なのですが、釣られて入店したら最後、相場より高い・質が落ちるものを食べさせられ、店によっては注文していないものを出したり、値段を教えぬまま注文をとってあとで高額の請求をしてくるところすらあります。
さすがに最近の日本語ガイドではこの地区についての注意書きが載っており、それで日本人観光客が被害にあうことはあまり無いようですが、雰囲気だけは華やかなので、事情を知らないと釣られがちです。