(写真)ミシュランガイド東京(2009年日本語版)
報道によると、仏ミシュラン社は11月21日、高級美食店のガイド本「ミシュラン・ガイド東京」2009年版(日本語版及び英語版)を発売しました(定価2415円)。
東京版が始めて発売された昨年(2008年)は「黒船到来」を警戒してかミシュラン・ガイドそのものへの珍妙な批判が相次ぎましたが、1年を経て定着したのか、今年の報道は概ね肯定的なものとなりました。特に、「3つ星」獲得店が9店(昨年版は8店。「石かわ」(日本料理、東京・神楽坂)が「2つ星」から昇格したもの。)、「2つ星」獲得店が36店(昨年版は24店)、「1つ星」獲得店が128店(昨年版は118店)と軒並み増加し(「星付き」レストランは合計173店、星の総数は合計227個で世界最多)、「3つ星」獲得店数でパリと並び、また星獲得総数で世界第一位保持したことが注目されたほか、初登場でいきなり「2つ星」に格付けされた店舗が6店もあったこと、逆に1年で降格扱い(星数の減少)となった店舗があったこと(例えば、「植むら 本店」(日本料理、東京・築地)は2つ星から1つ星に降格。2つ星から1つ星への降格はこの店のみ。)が報じられ、同ガイドの「厳しさ」が改めて浮き彫りになりました(ちなみに、閉店や辞退もあり、合計で17店が掲載されなくなったとか。)。
更に、詐欺事件で逮捕された小室哲哉容疑者の妻の実家が大分で経営する老舗ふぐ店の東京支店(「臼杵ふぐ 山田屋」)が引き続き2つ星の評価を維持したことも話題となりましたが、換言すれば、ミシュラン社としてはそうした「話題性」は評価に算入しないという姿勢を改めて明確にしたといえます。このあたり、格付けの降格ができなかったり、美食以外の「話題性」に左右されやすい日本の出版物とは一線を画したと言えるのではないでしょうか。
残念ながら、お財布の事情もあって日本の「星つき」店にはまだ一度も足を踏み入れることができていませんが(苦笑)、そのうち、できればどこかフレンチのお店に行ってみて、日本の「星つき」仏料理の実力を味わってみたいと思います。