マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 



 20日付けの報道によると、56人の犠牲者を出した7月7日のイギリス・ロンドン同時多発テロ事件で、リヨン出身のチュニジア系フランス人イアブ・スリマンヌさん(24歳)が亡くなっていたことが判明しました。技術系大学出身のスリマンヌさんは6月15日から英語の勉強を兼ねてレストランで働くため渡英。当日、勤務先に出勤する途中で事件に巻き込まれたそうです。
 確認されたフランス人初の犠牲者がリヨン出身の学生ということで、改めて今回のテロ事件がとても身近に感じられました。
 それにしても、今回の事件といい、米国同時多発テロ事件といい、あるいはイラクでの度重なるテロ事件といい、改めて国際テロ組織「アル・カイーダ」の凶悪性、犯罪性には憤りを覚えます。特に、イラク各地でのテロ(必ずしも「アル・カイーダ」系の組織とは限りませんが)は凄惨で、先日(13日)もバクダッド市内で自動車時限爆弾を使ったテロ事件が発生し子供を含む27人の死者が出ましたが、こういう事件を耳にするたびに、「イラク人もいい加減に反米テロや身内同士の殺し合いを止めて、新しい国づくりに専念したほうがよいのではないか」と思ってしまいます。無論、イラク戦争で戦闘の巻き添えになった人たちはそれなりの立場があるのでしょうが、そうした被害をアメリカに主張することと、自爆テロで一般市民や民間の外国人も殺傷することとはやはり次元が異なるのではないでしょうか(その点、やや論点が違いますが、これだけ長期に渡って600人規模の部隊をイラクに派遣しているにも関わらず、陸上自衛隊の隊員からテロ犠牲者がまだ一人も出ていないというのは、すごいと思います。よほど地元部族対策に力を入れたのでしょう)。
 また、こういう事件が起きると、日本のマスコミは必ず「事件を引き起こしたのは過激なテロ集団で、イスラム教やその一般信徒は無関係だ」といった議論をよく記事にしています。無論、その通りなのでしょうが、他方で、世界三大宗教のうち、キリスト教系や仏教徒系過激派によるテロというものはあまり耳にしないのに(無論、例えばアメリカにおける中絶反対過激派や北アイルランド紛争のIRA、更にはオウム真理教等はありますが)、イスラム教系の過激派はよく登場するというのは、やはりそれだけイスラム教の経典の中に過激派のテロ行為を認容するような何らかの要素(教義を暴力集団に都合のよいように拡大解釈する余地)があるからのように思えてなりません(私自身は、宗教の専門家ではないので正確には証明できませんが)。今や、各国が政府レベルで実施するテロを防止する政策と並んで、イスラム宗教界による宗教改革が必要なのではないでしょうか。



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