木曜日夜(8時50分)、6チャンネル(M6)で、「En voila des manieres」(アン ヴォワラ デ マニエール)なる番組が放送されました。「manieres」とは「礼儀」「行儀」、つまり「En voila des manieres」とは「まあ、なんてお行儀なの!」の意。タイトルから想像できるように、これは8人の若い仏人女性たちに、礼儀とマナーを身につけさせる、という5回シリーズのリアルドキュメント番組で、様々な経歴を持ち、日頃は自由奔放に生きている8人(マリリン(28歳、美容師)、エマ(19歳、販売員)、セリア(19歳、美容師)、サンドリン(21歳、イベントコンパニオン)、ナイマ(20歳、販売員)、オードレー(19歳、受付嬢)、セリーヌ(22歳、警備員)、ローラ(19歳、ホステス)は、TF1の「スターアカデミー」のように郊外の城館(シャトー)に集められ、そこで集団生活をしながらマナーを学んでいきます。校長は、ジャン・コクトーと昵懇にしていたという、80歳のルベイヤン氏。彼の下に、礼儀、食卓、衣装等々の専門家が集められ、女の子たちに授業をしていくのですが・・・
実際にはじめてみると、これがカタストロフ。まずはカクテル・パーティーの招待を受け、参加の意思を電話で伝えるのですが、その会話からしてギクシャク(ちなみに、こういうときは、「また○曜日に会いましょう!」と最後に言う場合はそれに加えて「ボン・ジュルネ」とは言わないらしい)。このパーティー(何故か元ロシア皇帝の血筋に属する男性も出席)にむけて、一行はドレス選び、車の降り方等を教え込まれるも、当日は、参加者間の会話に混ざれなかったり、逆に男性を何人も侍らせたり(先生によると、あまりにも多くの男性を侍らせると、却って軽い女と見られる由)、自動車から「よっこらしょ」と脚を大開きにして降りてみたりと、厳しい審査員の目の前で失敗ばかり。続いて、今度はその答礼として彼女たち自身が正式のディナーを企画することになり、最年長のマリリンをリーダーに、調理、生け花、テーブルセッティング、配席、配膳を5時間かけて準備し(料理担当の女の子2人など、はじめは届けられたオマール海老で遊んでばかり)、食事のマナー等も学んで(中には、「お魚専用のナイフがあるなんて、はじめて知ったわ」と言っていた子も・・・)、なんとか迎える形にまではできたものの、ホステス(主人)としてお客を出迎えるべきマリリンは、他のお客と話しこむあまりにお出迎えを忘れたり。そして、いよいよ食事・・・というところで、来週までのお楽しみ、となりました。
こういう儀礼やプロトコールといった話は、実際に自分がそれを使う立場に立たされるまではなかなか身につかないものですが、「お下品」な振る舞いばかりしている現代仏人娘の姿を見つつ、「ああ、こういう話はどこの国でも同じなんだなあ」と思いました。ちなみに、フランスにおける礼儀については、Florence Le Bras著「Le Guide de Savoir Vivre」(Marabout社)という本に、招待状の書き方からテーブルセッティングまで詳しく乗っています。
Florence Le Bras著「Le Guide de Savoir Vivre」ですね、参考になりました!買ってみようかな。
最近は、私が何か礼儀になっていないことをすると、相方から「アン ヴォワラ デ マニエール!」とツッこまれてしまいます(笑)。
近頃のM6番組のヒットとしては、今週公開された映画「ミュンヘン」(またエントリーに書きます)に関連して放送された、1972年のミュンヘン五輪イスラエル選手団殺害テロ事件の検証番組があります。フランスのテレビも、TF1以外でも見始めると結構面白いものですね。
それでは。