8月6日は広島が核攻撃(原爆投下)を受けてから60周年でしたが、フランスでもこのニュースは意外と報道されていて、テレビ各局は特派員を派遣したり、特集番組を放送したりしていました。フランス時間の6日夜(日本時間の7日朝)には、M6(テレビチャンネル)で「HIROSHIMA」という映画も放送していました。
とはいえ、遠い東洋での出来事でもあり、私としては報道姿勢に違和感を覚えた部分もありました。例えば、保守系の「ル・フィガロ」紙は大江健三郎氏のインタビュー記事を掲載していましたが、ノーベル文学賞受賞者だからということで大江氏を選ぶあたり、やや人選が安易だった気がしてなりません(個人的に大江氏のような「進歩的文化人」が嫌いなので)。また、「アメリカが原爆を投下してから60周年」「被爆者はますます高齢化しているが、核兵器の恐ろしさを語り継いでいる」「核兵器の拡散は一層進んでいる」といった報道はあっても、「だからフランス自身も核兵器を放棄しよう」ということにはやはりなりません。第一、フランス自身が太平洋のムルロア環礁で核実験を実施したのはつい数年前のことでしたし・・・。