ベルギーでの我が家は、寝室・バスルームが屋根裏部屋のような位置にあり、斜めに傾斜した屋根に窓が5枚取り付けられています。うち2枚は立ったままで手の届く高さにあり、この2枚を開けると夜は涼しい風が通り抜けて気持ちよく眠られます。
ところが、ここで一つ困るのが、マオ猫。
というのも、これらの窓は屋根の斜面に直接空けられているため、窓を開けるとそこから簡単に屋根に出られてしまうんです。無論、窓そのものは特殊な構造なのでそこから人間が入り込むのは簡単ではないのですが(それも物理的にやろうと思えば入り込めますが)、猫はホンの小さな隙間さえあれば出られてしまいます。しかも、都会ゆえに隣家とは壁を接しているため、一旦マオが屋根上に逃げるとそのまま隣家の屋根を伝ってどこへでも逃げられてしまう、という欠点が・・・(他方、こうした逃げ場が無い、垂直面に空けられた窓については、マオが逃げることも無いので全開にできます)。
そこで我が家では、階段の窓を全開にするとともに寝室・バスルームの2枚の傾斜窓をほんの少しだけ開け、更にリヨンから持参したエアコン(単に送風に使う場合と本当に冷気を出す場合とがありますが)を稼動させて夜寝ているのですが、昨晩、その少しだけ開いた窓から、遂にマオ猫が脱走(!)してしまいました。
実は、ブリュッセルでのマオ猫被告の脱走はすでに2度あり、このときはしかし窓からあまり遠くまで行かずに戻ってきてくれたのですが、今度はアレヨアレヨという間に屋根のてっぺんまで登り、更になんと隣家の屋根へ逃亡(!)。こうなると、こちらの家からでは隣家の屋根は見えない(隣家のほうが高さがわずかに高い)ので、大声で「まおー!!」と呼んだり、エサを出してみたり・・・。遂には私自身が体を半身屋根に乗り出し、道路を挟んで反対側に住んでいる人(たまたま夕刻、涼むために窓を開けて外の景色を眺めていた)に助けてもらうハメに。しかし、脱走してから5分たち、10分たっても、マオちゃんは隣家の屋根からは帰ってきませんでした。
「今夜が突然、マオとのお別れなの~?」と思った矢先、屋根上がつまらなくなったのか、我が家の屋根に降りてきたあのカワいいマオ猫が!!!「まおぉぉぉーー!」と大声で呼び寄せると、「なーに?」といった感じでトコトコ屋根を下って来、ついに「お縄」にかかってくれました。
一件落着後、「だーめーでーしょ、マオ!!」「ダメ猫!」と叱られたマオ。当猫は全然悪びれてなさそうですが、これからは寝室の窓はもっと厳重に(ホンの隙間程度まで)閉めないとダメだなあ、と思いました。