マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 




(写真)コソボ共和国の国旗

 報道によると、3月18日、高村正彦外務大臣は談話を発表し、去る2月17日にセルビア共和国からの独立宣言を行ったコソボ共和国について、「我が国は、3月18日付けでコソボ共和国を国家として承認した」と公表。欧米諸国と歩調を合わせて、コソボを国家承認しました。大臣談話は同時に、「(日本は)セルビアとは伝統的に友好関係にあり、今般のコソボ共和国の国家承認をもってセルビアとの友好関係が阻害されることは本意ではなく、引き続きセルビアとの友好関係が維持されることを希望する。」とも言及。コソボ独立に猛烈に反対するセルビア側への配慮を示しましたが、セルビアのイェレミッチ外相は、同国政府の秘密「行動計画」に基づいて、抗議のため、ムルキッチ駐日セルビア大使を48時間以内に召還するようです。

 セルビア共和国の「コソボ・メトヒヤ自治州」から独立を宣言したコソボ共和国については、2月17日の独立宣言後、米英を中心に国家承認を行う国が増える(報道によれば、18日現在で欧米を中心に25ヶ国が承認を実施済み)一方で、欧州連合(EU)内ではスペインなどが自国の抱える少数民族独立問題を背景に承認を躊躇。ロシアやセルビアは「国際法に違反する」として猛反発し、セルビア議会は独立無効を宣言しました。
 更に、セルビア本国では、コソボ問題への今後の対応を巡って民主党(DS)(タディッチ大統領イェレミッチ外相の出身政党、中道左派)、セルビア民主党(DSS、中道右派)、G17プラスからなる民主派の連立政権が崩壊して5月11日に議会総選挙を行うことになった(3月18日)(選挙結果次第では、EU加盟に消極的な急進右派勢力が勝利する可能性もある)他、セルビアの首都ベオグラードにある米国大使館や、セルビアとコソボとの国境にある検問所を暴徒が襲う事件も発生(2月21日。検問所は放火され焼損)。3月16日には、コソボ北部のミトロヴィッツァ市(イバル川を挟んで北側がセルビア系住民居住地になっている)で国連コソボ暫定派遣団(UNMIK)が運営する裁判所にセルビア系住民が押し入り、警察・軍隊(NATOが指揮するコソボ多国籍軍(KFOR))が鎮圧に乗り出す中で、ウクライナ人警察官1人の死亡を含む数十人の負傷者が出る事件も発生しています(事件を受けてUNMIK文民要員は北部から一時撤退)。最近では、セルビア出身のテニス選手が、国際大会で「コソボはセルビア(のもの)」と書かれたTシャツを着用して注意を受けていました。



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