(写真)スウェーデン(左)とデンマーク(右)の標識
陸上国境を接している国が多い欧州で、しばしば見かけるのがこの国別速度制限標識。その国の普通乗用車の一般的な法定速度を示すもので、上から市街地、郊外、高速道路での法定速度を示します。この標識はEU(欧州連合)で標準化されている訳ではありませんが、こうして3~4種類の速度を示す標識が標準化しており、各国とも似たタイプの標識を使っています。
デンマークの法定速度は、市街地が時速50キロ、郊外が時速80キロ、高速道路が時速130キロで、高速道路以外はベルギーと同じ(ベルギーの高速道路の法定速度は時速120キロ)。もっとも、大都市近郊の高速道路ではしばしば時速110キロの制限が設定されており、どこでも130キロで飛ばせる訳ではありません。
他方、スウェーデンでは、郊外が時速70キロ、高速道路が時速110キロの設定(スウェーデンは制限標識が黄色地に赤丸なので、国別標識もその配色に従っている)。高速道路の法定速度が時速110キロというのは欧州各国でも最低の部類で、多くのスウェーデン車はこの速度を一応守っているものの、時速120~130キロで追越車線を走っている車も多く見かけます。国土が比較的平坦でカーブも少なく走りやすいスウェーデンの高速道路ですが、たしかに最高速度の時速110キロで走ると、さすがに少し「遅い」ような気がしてきます(但し、時速110キロが最高速度と設定されているので、予告無くカーブに差し掛かることはある)。
そこで両国でも、速度違反の反則金に対する保険(いわゆる「交通違反保険」)が存在しているそうですが、「違反を助長する」として問題視されているとか。