マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 



(写真は後刻掲載)

 前のエントリーでも書いたように、フィンランドは、歴史的経緯からフィンランド語とスウェーデン語の2ヶ国語を公用語としています。600年近くにわたってスウェーデンが支配していた訳ですからある意味自然なことですが、その中でフィンランド語が発展できた理由の一つには、やはり19世紀にロシア領土となったことがあるようです。実際、前述したように、1863年、ロシア皇帝アレクサンドル二世が20年以内にフィンランド語をスウェーデン語と同等の行政言語として扱うよう勅令を制定。1902年には実際にフィンランド語がスウェーデン語と同等の地位を得ました。

 とはいえ、現在でも完全にスウェーデン色を払拭できた訳ではなく、例えば自動車は(自動車産業が発達していないために)隣国スウェーデンのボルボ製が比較的多く見られました(寒冷地仕様ということもあるのでしょう)。二言語政策のため、例えばパトカーなどは、車体右側にスウェーデン語で「POLIS」と、左側にフィンランド語で「POLIISI」と書かれていたりします(同様の折衷策は「Police」と「Politie」を併用するブリュッセルでも見られますが)(写真)。

 旅行者が困るのは地名で、ほとんどは似た表現になりますが、たまに全然違う名前がついていたりして混乱します。例えば、ヘルシンキ中央駅から1駅北へ行った国鉄駅は、フィンランド語では「パシラ」駅ですが、スウェーデン語では「ボーレ」になります(同様の例は、ベルギーでも少なからず見られますが:仏語の「Mons」が蘭語で「Bergen」など)。道路標識でも同じ按配なので、二つ表示された地名が別々のものなのか、同一地名の二言語標記なのか迷わされるときがありました(まれに両言語で標記が同じ地名もあり、その場合、一つしか表示されないため)。

 いずれにせよ、二言語併用というのは色々と配慮が大変そうです。それでも、仏語・蘭語を完全に平等扱いしなければならないブリュッセルと異なり、フィンランド語が上位に置かれるのが決まっている分、ややラクですが。



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