マオ猫日記
「リヨン気まま倶楽部」編集日記
 




(写真)グアム南部の州道2号線。

 4月の旅行でグアム島に滞在中レンタカーを借りて1日島内を運転して回りました

 グアムは、島そのものは淡路島ぐらいの大きさですが、アメリカ領であることもあり、街のデザインはアメリカ流。道路交通も右側通行で、通行帯はペイント表示のところよりも鋲表示のところが多く、多くの道路が片側2車線以上あり、しかも中央分離帯の部分にさらに予備の1車線があって左折車両に対応しています。ちなみに、ガイドブックには、グアムの道路舗装にはサンゴが混じっているため雨天時にスリップしやすいと書かれていましたが(昔ならともかく、現代では改修工事の際にでも普通の舗装に戻してほしいものですが・・・)、幸運なことに滞在中は一度も雨が降らなかったので、実際にどの程度滑りやすいのかは体験できませんでした。

(写真)幅広い州道1号線「海兵隊道路」

 グアムの道路は全てグアム州が管理しているようで、主要な道路には1号線、2号線といった番号が振られており、最大の州道1号線は「海兵隊道路」(Marine Corps Drive)と名付けられた全線片側2車線以上(最も広いところでは片側4車線以上!)の道路。グアムは観光産業の島であると同時に軍事基地の島でもあり(このあたりは沖縄と似た事情のようですが、但し、グアムの場合、冷戦時代ほどには米軍が配備されなくなり、軍人数は減っているようです。)、西部には海軍のアプラ軍港が、北部には空軍のアンダーセン空軍基地(補助滑走路も含めれば4本も滑走路がある大基地)があり、「海兵隊道路」はこのアプラ海軍軍港とアンダーセン空軍基地を結んでいる形となります(そのため、例えばアプラ軍港近くになると、本線車道がそのまま海軍基地への検問ゲートへと突入し、南部へと向かう一般車両は交差点を左折する必要がある。)。南部に行くと、さすがに人口過疎地ということもあり道路も片側1車線になりますが、北部では2車線以上のところが多く、運転しやすいですね。もっとも、基本的には地元の人しか運転しないので、道路標識は州道番号と目的地だけが簡単に書かれたもので、地名を頭に入れておかないと行き先が判らなくなります。

(写真)グアムで見かけた日産「マキシマ」(写真上)。日本では「ティアナ」(写真下)という名前で販売されているものの、デザインまで北米独自になっていて、同じ車には見えません・・・。

 グアムがアメリカ領土であるという印象は、この道路の様子と、そしてその道路上を走っている車でさらに強まります。といっても、実は走っている乗用車の多くは日本車だったりするのですが、「日本車」といってもアメリカで販売されている北米モデルの日本車で、例えば同じトヨタ・カローラでも、グアムのものはどこか顔つきもアメリカ風。各社ともアメリカ本土と同じ販売形態のようで、日本では導入されていないサイオン(トヨタ系)、アキュラ(ホンダ系)といったブランドがありました。もちろん、本家本元のアメリカ・ビック3の乗用車も見かけましたが、本国の経営状態の悪さ?を反映してか、日本車ほどは目立ちませんでした。ちなみに、レンタカーで借りたのは日産の「セントラ」(SENTRA)という車で、これまた日本では販売されていない小型車(昔は「サニー」と同じ車でしたが、モデルチェンジを重ねるうちに別の車になっていったようです。)。しかし、カローラ級の小型車ながら、なんとエンジン排気量は2リットルで、このあたりがいかにも「アメリカ」です。ちなみに、車内のデザインは最近の日産車のそれに近いですが、サイドミラーは手動操作(!)でしかも凹レンズ(拡大鏡)になっており、運転して慣れるまでにちょっと時間がかかりました。そして、一番不便だったのが、リモコン式集中ドアロックが無いことで、車に乗り降りするたび、自分のドアのロックを解除したり、解除したすべてのドックを閉めたりと、実にふた昔前の操作が必要でした・・・。

(写真)借りた「セントラ」

 さて、ホテルが集まる観光地・タモンで車を借り、州道1号線を南下して南部へ。運転してみてさっそく気づいたのが路面の「荒さ」で、よくいえば「大味」、悪くいえば舗装の整備状況が悪いということになります。知人によれば、アメリカ本土の道路も日本に比べて荒れているそうですが、たしかに道路の「幅」は広いのですが、時々穴が空いていて車輪を取られたり、そうでなくても予期せぬ凹凸に車が揺らされたりして、意外と気になりました。この路面状態の悪さは欧州でもあまり経験したことがなく、道路整備が一番遅れていたポーランドや旧ユーゴスラビアの田舎(それでもクロアチアの高速道路や主要国道はきわめて快適でした)に匹敵する水準。そうした路面を反映してか、北米むけの日産「セントラ」の乗り心地もやはり大味で、路面の凹凸を荒々しく拾う感じでした。もっとも、制限速度(マイル表示)はどちらかといえば低く設定されており(第一、道路が広いので、日本ほどには速度を感じない。)、また地元ドライバーの運転も意外と荒々しくないので、その点では初心者でも運転しやすいです。

(写真)「セントラ」の車内。オーディオや空調のデザインは最近の日産車共通。

 タモン地区を後にし、日本総領事館のあるビルを通り過ぎると、ハガッニャまで続く湾(ハガッニャ湾)を右手に見ながら片側3車線の「海兵隊道路」を走るのですが、さっそくこのハガッニャ湾が美しい!思わず車を駐車場に止め、記念撮影をしたのですが、よくよく見ると駐車場の近くに州政府が建てた看板があり、このあたりはバクテリアが多い(水質がよくない)ので遊泳禁止だそうです。うーん、これだけ見た目が綺麗だと、看板が目に入らない限り、泳いでしまいそうですよね・・・。

(写真)美しいハガッニャ湾。これでも遊泳禁止・・・。

 その後も美しい海岸線を見ながら車を南へ進め、アプラ海軍基地前を左折して南部へ。ここで道路は州道2号線に代わり、さらに島南部を横断する5号線に入ると、かなりアップダウンのある山道「島横断道路」(Cross Island Road)になります。しかも、日本の道路と比べてカーブや急坂の警告標識が少ないため、道路が丘を越えたところで急にカーブする等、いささか危ない区間もありました(しかも、そうしたところに限って、舗装が荒れていて穴があったりする。)。しかし、海岸沿いを南東から南西に一周する2号線に入ると起伏もややおさまり、むしろ海岸線に沿って穏やかな田舎道に。北部の海岸があれだけ観光地として開発されているのに、南部の海岸沿いは基本的には昔ながらの村のままで残されているようです(あるいは、州政府が開発規制を敷いているのかもしれません。)。結局、南部のとある村で食事をとり、ぐるっと一周した後、アガナ国際空港を東から北側に回り込んで島北部にも足を踏み入れ(ただし、島北部はほとんどが空軍基地になっており、また海岸近くの道路でも眺めはそれほど良くない。)、ほぼ島全体を一周しました。

(写真)横断道路

 路面が荒れていたり、交通ルールが異なるなど、多少慣れが必要なグアムでの運転ですが、日系のレンタカー会社も進出しており、日本の運転免許証だけで気軽に運転できる(国際運転免許証が不要)ので、観光地でない自然のグアム、開発されなかった南部グアムを探索するにはお勧めです。


 



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