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月扇堂手帖

観能備忘録
あの頃は、番組の読み方さえ知らなかったのに…。
今じゃいっぱしのお能中毒。怖。

都をどり

2007年04月21日 | 歌舞伎・舞踊・文楽
京都・祇園甲部歌舞練場     

息を詰めてじっと舞台を見つめるお能からは一転して、気楽に華やかさを楽しむ都をどり。思いがけずお誘いがかかり、芸妓さんのお点前付きで鑑賞。ちなみに、今日はお点前が小喜美さん、ひかえが小之美さん。お菓子はとらやの薯蕷。

例年どおり、芸妓舞妓の舞によって京都の四季を美しく描き出す趣向。題して「都風流名所絵巻」。下鴨神社、清瀧川、嵯峨野など名所の春夏秋冬を一時間のうちに味わわせてくれた。

いつもながら幕ごとの背景の転換は見事で、舞台を真っ赤に染める紅葉や、金閣寺を埋めつくす桜が目に飛び込んでくるとハッとする。外国人客がどよめくので、なんだかこちらまで嬉しくなる。

彦根城主井伊家伝来の国宝〈彦根屏風〉から、描かれている人物が飛び出してくると言う第三景の趣向が面白かった。このときの欄間の絵(鳳凰)も本格的で美しかった。

と思ったら、この欄間、単なる書き割りではなく実際に彫刻してあるのだった(パンフレットより)。

「都をどりは、ヨーイヤサー♪」の掛け声から始まって、ほぼ一時間、ホタルが飛んだりかぐや姫が飛んだり、観客を飽きさせるということがない。ちなみに、今日はかぐや姫が佳つ乃さんだった。

時間があったのでお庭や装束展などもゆっくり拝見できてラッキーな一日でありました。

しかし、お能の足運びを見慣れて、はんなり舞妓さんの足さばきが荒っぽく見えてきてしまう自分がちょっと悲しかった…かも。

*****

都風流名所絵巻(みやこふうりゅうめいしょえまき)

第一景 置歌(おきうた)
第二景 下鴨神社初詣(しもがもじんじゃはつもうで)
第三景 彦根屏風(ひこねびょうぶう)
第四景 清滝川蛍狩(きよたきがわほたるがり)
第五景 昔物語かぐや姫(むかしものがたりかぐやひめ)
第六景 嵯峨野紅葉(さがののもみじ)
第七景 越後雪野寒晒(えちごゆきののかんざらし)
第八景 金閣寺桜満開(きんかくじさくらまんかい)

アマテラス

2006年06月15日 | 歌舞伎・舞踊・文楽
鼓童結成二十五周年記念 坂東玉三郎×鼓童(京都・南座)

あくまでも鼓童のコンサートであり、玉三郎は演出&特別出演者として鑑賞すべきものに思った。太鼓が好きなひとや、ストレスを溜めていて発散したいひとにとっては、すかっとできてよい舞台だったと思う。

アマテラスが岩戸の隙間からのぞき、やがて世界に光が満ちるという場面は神話世界を彷彿とさせて印象的だった。

が、玉三郎がサービス精神ゆえに(?)ずっと舞台に居続け、半端に動き回るのはどうか。

これはもう鼓童の舞台なのだとわりきって、玉三郎の姿は出し惜しみしたほうが神秘性も増してよかったのではないかしら。ちょっと出過ぎの感あり。

坂東玉三郎特別舞踊公演

2005年06月08日 | 歌舞伎・舞踊・文楽
(京都・南座)

いまいち入り込めなかった。「隅田川」も「船弁慶」もお能の演目で、いっそ思い切り歌舞伎風にアレンジしてあれば見られるのだが、なるべくお能に沿った形でと工夫したあたり、歌舞伎役者が無理にお能やってる中途半端な感じが。

舞踊公演ということで踊りを楽しみにしていたが、お能風の動きの少ない舞がほとんどで欲求不満。

亀井家の弟たち、田中傳左衛門、傳次郎ばかり眺めていた。

中村獅童は、「雨の五郎」という短い演目を務めたが、まだまだ感あり。歌舞伎をやるつもりならもうちょっと専念したほうがいいかも。竹内結子と結婚するらしいので恨みもあり(^_^;)

しかし、能とりもののワキ方としてはしっかり座っていたと思う。