図書館で本を読んでいると、携帯が振動した。
広告のメールだったが、着信時間を見ると14時11分だった。
ため息が出る。
あと1時間ぐらいなら読書を続けられるか。(マンガだが)
今日は休み・・・のはずだった。3連休の中日である。
(僕はシフト制なので世間一般のカレンダー通りの休みとなるわけではない)
正確には、今日は休みなのだが、晩には四半期ごとに持たれる会社主催の集まりがあるのだ。
1,000人以上の社員を4つのグループに分け、そのグループごとに持たれる集会なのだが、
原則として強制参加で、業務上もし自分のグループの会に参加できなかったら、
別のグループの集会に必ず参加しないといけない。(出欠をとられる。)
8月入社の僕は今回が初めてだ。
2ヶ月半前、再就職と同時に住み慣れた地元を出てこちらに引っ越してきた。
2週間の研修期間の後、すぐには配属先が決まらなかった。
その間は「待機」期間として、指示されたことや自主勉強をすることになっていた。
僕の場合、その期間は約1ヶ月続き、その後、今の現場に配属されることになった。
それから後、さらに約1ヶ月経った。
仕事には、残念ながらまだ慣れていない。毎日が忙しい。
配属された直後に、さらに新しいプロジェクトがそこで立ち上がってしまい、
何でもかんでも同僚に聞くということもためらわれる。
今日開催される会は2部構成で、前半が事業報告、後半がケータリング形式、立食での歓談。
どうせモチベーションアップのために社員を上げたり下げたり、
横のつながりを持たせたり、そういう目的のためのものなのだろう。
今までの経験でその類のものが楽しかった記憶はほとんどない。
上司に酒を継いだり、愛想笑いを振舞ったり。
行きたくない気持ちはどんどん募ってくる。
家に帰り、スーツに着替え、再び家を出た頃はほとんど真っ暗だった。
会場は初めて行く場所なので、少し余裕を持って出た。
会場に入る際に、各プロジェクトのマネジャー達が会場の前で立っていて、
中に入っていく社員達に挨拶をしている。
こちらも挨拶をして、会場の中に入っていく。
案の定というような内容で、1部は1時間半ぐらいあり、終わった。
次は2部だ。立食形式なので指示に沿って椅子や鞄を端の方に寄せていった。
「○×さん(僕の名前)、久しぶりです!」
「え?ああ。久しぶり。」
約1ヵ月半前に、「待機」期間の間に知り合った人だった。
待機の期間中、それぞれ課題が与えられることもあるが、
社内共通の試験精度があり、大半の待機者はそれらのテストを受験する。
僕は前の仕事で結構その辺の技術の知識については資格試験等で勉強しており、
たまたまその試験で分からない、と言っていたその人に教える、ということがあったのだった。
その人は海外留学の経験を買われ、英語を業務で使用するプロジェクトに配属される予定で採用されたが、
技術的な分野はこれから勉強しながら、とのことだった。
どうしてなのか、僕が待機の間に知り合った多くの人は、
そういう語学関係の分野での配属予定の人だった。(15人ぐらいいた知り合いの中10人近くがそうだった)
英語以外にも中国語など、中にはネイティブの人もいた。
そんな人たちとお昼ご飯を一緒にしたり、勉強を教え合ったり、
これからどこに配属されるんだろうか・・・などと話し合ったりしていたのだった。
多くが何らかの形で海外での経験があり、話を聞いていてもおもしろかった。
「本当久しぶりですよ!今、新しい配属先で1人で研修を受けてて一緒に話す人とかいないんですよ。
でも今日は久しぶりの人たちがいっぱいいますよ!みんなに挨拶しにいきましょうよ~」
と言って、ほぼ2ヶ月ぶりに、待機の間知り合った人たちのところへ連れて行ってくれた。
「おお~久しぶりっす!」
「元気でしたか?」
「元気ですよ。そちらは?」
「いや~新しいこと覚えるのやシフトの勤務だったりで大変ですよ・・・」
「・・・でも、みんなの顔を見るとなんだかほっとしますね」
「ほんとですよね!今日、これ終わってから飲みに行きましょうよ!・・・」
ルイスという作家によると、笑いには4つあるらしい。
そのうちの1つに、「fun」というのがあって、
それは、休みの前の夜、ばったり昔ながらの友人に会ったときに、
別におもしろいジョークを言った訳でもないのに心から笑える、
そんな笑いがあることを書いていたようなことを思い出した。
おもしろいわけでは無いけれど、心が元気付くような楽しさがあるのだ。
何かそういうことに出会うのが久しぶりのように感じたのだった。
広告のメールだったが、着信時間を見ると14時11分だった。
ため息が出る。
あと1時間ぐらいなら読書を続けられるか。(マンガだが)
今日は休み・・・のはずだった。3連休の中日である。
(僕はシフト制なので世間一般のカレンダー通りの休みとなるわけではない)
正確には、今日は休みなのだが、晩には四半期ごとに持たれる会社主催の集まりがあるのだ。
1,000人以上の社員を4つのグループに分け、そのグループごとに持たれる集会なのだが、
原則として強制参加で、業務上もし自分のグループの会に参加できなかったら、
別のグループの集会に必ず参加しないといけない。(出欠をとられる。)
8月入社の僕は今回が初めてだ。
2ヶ月半前、再就職と同時に住み慣れた地元を出てこちらに引っ越してきた。
2週間の研修期間の後、すぐには配属先が決まらなかった。
その間は「待機」期間として、指示されたことや自主勉強をすることになっていた。
僕の場合、その期間は約1ヶ月続き、その後、今の現場に配属されることになった。
それから後、さらに約1ヶ月経った。
仕事には、残念ながらまだ慣れていない。毎日が忙しい。
配属された直後に、さらに新しいプロジェクトがそこで立ち上がってしまい、
何でもかんでも同僚に聞くということもためらわれる。
今日開催される会は2部構成で、前半が事業報告、後半がケータリング形式、立食での歓談。
どうせモチベーションアップのために社員を上げたり下げたり、
横のつながりを持たせたり、そういう目的のためのものなのだろう。
今までの経験でその類のものが楽しかった記憶はほとんどない。
上司に酒を継いだり、愛想笑いを振舞ったり。
行きたくない気持ちはどんどん募ってくる。
家に帰り、スーツに着替え、再び家を出た頃はほとんど真っ暗だった。
会場は初めて行く場所なので、少し余裕を持って出た。
会場に入る際に、各プロジェクトのマネジャー達が会場の前で立っていて、
中に入っていく社員達に挨拶をしている。
こちらも挨拶をして、会場の中に入っていく。
案の定というような内容で、1部は1時間半ぐらいあり、終わった。
次は2部だ。立食形式なので指示に沿って椅子や鞄を端の方に寄せていった。
「○×さん(僕の名前)、久しぶりです!」
「え?ああ。久しぶり。」
約1ヵ月半前に、「待機」期間の間に知り合った人だった。
待機の期間中、それぞれ課題が与えられることもあるが、
社内共通の試験精度があり、大半の待機者はそれらのテストを受験する。
僕は前の仕事で結構その辺の技術の知識については資格試験等で勉強しており、
たまたまその試験で分からない、と言っていたその人に教える、ということがあったのだった。
その人は海外留学の経験を買われ、英語を業務で使用するプロジェクトに配属される予定で採用されたが、
技術的な分野はこれから勉強しながら、とのことだった。
どうしてなのか、僕が待機の間に知り合った多くの人は、
そういう語学関係の分野での配属予定の人だった。(15人ぐらいいた知り合いの中10人近くがそうだった)
英語以外にも中国語など、中にはネイティブの人もいた。
そんな人たちとお昼ご飯を一緒にしたり、勉強を教え合ったり、
これからどこに配属されるんだろうか・・・などと話し合ったりしていたのだった。
多くが何らかの形で海外での経験があり、話を聞いていてもおもしろかった。
「本当久しぶりですよ!今、新しい配属先で1人で研修を受けてて一緒に話す人とかいないんですよ。
でも今日は久しぶりの人たちがいっぱいいますよ!みんなに挨拶しにいきましょうよ~」
と言って、ほぼ2ヶ月ぶりに、待機の間知り合った人たちのところへ連れて行ってくれた。
「おお~久しぶりっす!」
「元気でしたか?」
「元気ですよ。そちらは?」
「いや~新しいこと覚えるのやシフトの勤務だったりで大変ですよ・・・」
「・・・でも、みんなの顔を見るとなんだかほっとしますね」
「ほんとですよね!今日、これ終わってから飲みに行きましょうよ!・・・」
ルイスという作家によると、笑いには4つあるらしい。
そのうちの1つに、「fun」というのがあって、
それは、休みの前の夜、ばったり昔ながらの友人に会ったときに、
別におもしろいジョークを言った訳でもないのに心から笑える、
そんな笑いがあることを書いていたようなことを思い出した。
おもしろいわけでは無いけれど、心が元気付くような楽しさがあるのだ。
何かそういうことに出会うのが久しぶりのように感じたのだった。