ルイ・ロットの館

ルイ・ロットにハマった笛吹きのブログ。

ピッコロの【Cデル】

2011-06-09 19:30:51 | 日記
ただいま「ローマ三部作」をやっておりますことは、前回の記事に書きました。

その中の「ローマの泉」にピッコロの最低音Cが出て来ることも・・・・。

この譜面の一番下の段です。




現在、注文して出来上がりを待っている楽器はそのCまで出るのですが、

現在メインで使っているリヒャルト・ハンミッヒで普通の最低音Dまでの楽器なので、このCは諦めようと思っていました。


「諦める」=「吹かずに知らんぷりして誤魔化す」ということに他なりません(苦笑)

このCを求めて来た指揮者もいません(笑)



ところが、どうせ判らないだろうと思いつつも

案外、音の薄い場面なので、これを出せないことがなんとなく歯痒い感じがします。

3日間の練習中、ずっとでした。



練習から帰宅し、さっき楽器の小物を入れた箱を漁っていたら、昔自作したピッコロ用の Cアダプターが出て来ました。

いつ作ったのか覚えていません(汗)

これをハンミッヒに使えるかどうか試してみたら

ちゃんとハマる上、確固とした響きではないながらもCが出ます。




明日のゲネプロから使ってみます。

幸いこの「C(ツェー)デル」を着けたり外したりする時間は前後にたっぷりあります。






ついでにフルートの最低音Hでのネタですが・・・・



「ローマの松」の「ジャニコロの松」ではフルートに持ち替えてHまで要求される場面があります。


2番フルートとの掛け合いですが、最初の小節のC#-Hでは楽器の構造上、どうしても間にCが紛れ込んでしまいます。

かなりカッコ悪いのです。

一応ソロだし・・・・。



そこでHのカップをテープで押さえてしまい、C#からHに行く時にはCのローラーを押さえてしまえば、

あ~~~ら不思議! とばかりに完璧な移行ができてしまいます。

D#-HとD-Hも同様です。



ところが一番最後の音がC・・・・。

このHを押さえたままではこのCが出ません(涙)



どうしましょうか?



結局、最初のC#-Hの移行を最重要視しHのカップをテープで押さえ、

最後に出てくるD-Hの後の1拍の休みでそのテープを外し、最後のCに備えるということにしました。

こんな感じでテープを垂らして、すぐに右手で外せるようにしています。



本番では見た目がよろしくありませんので、透明なテープを使おうと思っています。




当時のイタリアではベーム式の普及はまだで、

円錐管の多鍵式のフルートの時代だったのでしょうが、

当時の楽器ではこうした音の繋がりは問題なかったのでしょうかね?

HやB、Aまで出る楽器があったようですけど。



またピッコロも同様に円錐管の多鍵式ピッコロだったのでしょう。

それで最低音もCまで出せて、レスピーギやヴェルディがピッコロにも最低音Cを書いたのだと思います。

ピッコロのことを知らずに書いたのではなくて、

現在普及しているベーム式とは違った楽器のために書いた、ということなのですね。

(これはドイツやオーストリアでも同様だと思います。マーラーやブルックナーのHやB!)



そうは言っても、書かれているものは音にしたいものです。

でもこんなに苦労してやっても誰もホメてはくれませんけどね(苦笑)




       我 な が ら バ カ み た い だ と 思 い ま す 。






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7 コメント

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多鍵式ピッコロ (tetsu)
2011-06-09 23:26:40
多鍵式フルートはほとんど知らないので、下記サイトをながめました。
http://www.oldflutes.com/index.htm

多鍵式ピッコロは
http://memory.loc.gov/ammem/dcmquery.html
でpiccoloでsearchすると1キー、5キー、6キーのものがあります。
でもCが出る楽器はみあたりませんでした。
Dayton Miller Collectionは実際に吹けるのであれば、ぜひ行ってみたいところです。

Cの出るピッコロはそのときだけ特注したものか、あるいか作曲者が勘違いしたのか、とかってに考えています。
ブラウンのピッコロはDまでのものでしたが、吹いたとき音の出やすさと吹きやすさ、そして値段にびっくりしたことがあります。

それでは。
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RE:多鍵式ピッコロ (louislot1800)
2011-06-10 10:38:18
testuさん こんにちは!

御紹介していただいたサイトを覗いてみました。

多鍵式フルートは物凄いキイシステムですねぇ。

Gまで出るものもあるんですねぇ!


多鍵式ピッコロと言っていいのか判りませんが、Cまで出るのはDayton Millerのサイトで2本ありました。

8キイですね。


DCM 0747: Anonymous, probably German / Piccolo in C
http://memory.loc.gov/cgi-bin/query/D?dcm:38:./temp/~ammem_hjN9::

DCM 0181: Anonymous / Piccolo in C
http://memory.loc.gov/cgi-bin/query/D?dcm:58:./temp/~ammem_hjN9::


おかげさまでこの時代のCまで出る楽器は初めて目にしました。


おそらく当時の作曲家に近くにこういう楽器を使っていた奏者がいて、

こういう楽器のために書いたのでは? と想像しております。




外国製のピッコロの値段ですが、日本の楽器屋に並んでいるのを見ると確かにビックリしますね(汗)

楽器屋って儲かるんだなぁ~~~ と感心してしまいます(苦笑)
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Unknown (tetsu)
2011-06-10 21:19:18
テキトーな紹介で失礼しました。ここになければないかな、と思っていましたが、ビール飲みながら見ていたので。
Cまでとなると8キーですか。1キーの楽器でさえ指と指の間隔があわないと、フルートは音も出ませんでした。多鍵式、というとトゥルーみたいな楽器のことをいうのかもしれません。1848年(1847年?)のベーム式しか吹けない私にとってはケーラーの
http://www.oldflutes.com/charts/koehler/index.htm

も驚異の世界です。
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RE:Unknown (louislot1800)
2011-06-11 11:13:06
tetsuさん

トゥルーの楽器は多鍵式とは言えないのではないでしょうかね?
いわゆる「多鍵式」とはルーツが違うのだろうと思います。

多鍵式という言葉も曖昧ではありますが、↓ このくらいの楽器のことを指すのでしょうね。
http://www.oldflutes.com/viennese.htm

これらの楽器はウィーンとイタリアとありますので、
マーラー、ブルックナー、ヴェルディ、レスピーギがフルートに書いた低音の理由も納得です。
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Unknown (tetsu)
2011-06-11 16:42:47
どうも、私も混乱している話題で失礼します。

多鍵式って、トラベルソ(ベーム式ではない)の作りでキーが1キーではなくて複数あるもの、とかってにおもっていました。日本語は難しいですね。(他はもっと大変ですが)

吉田雅夫は最初の楽器は5鍵のアルバートシステム(現在のベーム式フルートになる前の旧式のシステム)のピッコロを独学で吹いていていた、だいぶたってからベーム式のフリュートを買ったが、ベーム式のフリュートというのは何と不便で難しいものか、とおもった、新響にはいってからもピッコロだけはアルバート式を使っていた、と「フルートと私」という植村さんとの対談でお話ししています。この5鍵のピッコロはどのような楽器か不明ですが、http://hdl.loc.gov/loc.music/dcmflute.0809のような楽器だとかなり単純な作りです。かっこ内のコメントを誰がつけたか不明ですが、当時5鍵のピッコロがどういう楽器か想像もつかず、旧式、といわれると無視していいような感じさえ受け取ってしまったのは、今となっては残念でした。吉田雅夫はH.P.シュミッツの軽井沢でサインまでもらったことはあるので、当時こういう情報があればぜひお話したかったところです。
アルバート式はwikiでみるとクラリネットの理解できない複雑な記述しかなくて、フルートではほとんどみつかりませんでした。で、話が長くなって申し訳ありませんが、このアルバート式と多鍵、が自分の頭の中で意味不明なところでほぼ同義語になったような次第です。クラリネットの世界で言われるアルバート式=多鍵式ということであれば、http://www.oldflutes.com/viennese.htmの楽器がフルートの多鍵式になるかとおもいます。

http://www.oldflutes.com/viennese.htm
は納得です。ベーム式フルートは20c.初頭まで独伊では普及しなかった、という話はきいたことがありますが、こんな複雑な楽器で演奏していたのか、というのもビックリです。

それでは。
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多鍵式について (hoboy)
2011-08-20 01:16:01
はじめまして.よろしく ^^
ローマの松のHに関しましては,ウインナ,ジャーマン式多鍵式はCの音が入らない造りになっております.Hは通常のCのフィンガリングと同時に,左手小指で押す最低Hキー(gis キーより足部管よりにあるHキャプを閉じる長いキー)を押すことで発音できるからです.

ついでですが,
一般に多鍵式という言い方よりも8キー円錐シンプル式などという言い方が普通になってきているようです.例えば13個のキーがついた多鍵式は13キー円錐シンプル式というようにです.Tulou のものなら初期のものなら8キー円錐シンプル式でしょうし,後期の完璧なる改良型なら?キー円錐シンプル式といえるでしょう.最近流行のピリオド楽器の奏者の多くはフレンチスタイルか初期のジャーマン(ウィンナ)式をつかってるようで,レスピーギで使われて多であろう後期ウインナ円錐シンプル式は滅多に使わないようです.
モダンから円錐シンプル式に移行した人よりもトラヴェルソから円錐シンプル式に移行した人の方が多いからでしょう.
トラヴェルソの方はフレンチ円錐シンプル式を高く評価しているようです.長々と失礼いたしました.
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RE:多鍵式について (louislot1800)
2011-08-20 09:50:18
hoboyさま

はじめまして。ご訪問ありがとうございます。

大変参考になる情報をありがとうございます。
勉強になります。

多鍵式という呼び方ですが、私の中のイメージでは13キイどころか、もっともっとキイがごちゃごちゃと沢山付いている楽器のことかと思っておりましたが、きちんとキイの数を数えたことはありませんでした(苦笑)。

どちらかといえば漠然としながらも「ウインナー、ジャーマン式多鍵式」をイメージして「多鍵式」という言葉を使っていました。

今後ともよろしくお願いいたします。
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