ダークナイト

バットマンは好きじゃないです。
一番最初に観たのがジョージのやつで「しょーもな」って思って、他のも観たけどイマイチってなって。
だから評判よかった前作も観ませんでした。
でも予告を観て、これはヒースを観なくては！と思ったのでした。

とっても濃い2時間30分弱。全く飽きなかったです。
期待はしていなかったってのもありますが、ものすんごく、とにかくすっごく面白かった！
観おわった後に「スゴい」ってしか出てこなかったのですもの。
そんなこと思ったのなんて久々。
アメコミヒーローといえば勧善懲悪、そしてヒーローの苦難なんかはこれまでも描かれてきましたが、それとは明らかに違う切り口。
光の善であるデント、闇の正義であるバットマン、そして完全な悪であるジョーカー。
この3人を中心にしたストーリー展開がとても上手いと思いました。
ルールを守り通した故に正義は悪になり、正義のために悪に落ちていく人。
そしてテロリスト以外の何ものでもない、悪をとにかく楽しむ人。
もうこの3人を通して、善と悪は紙一重であることがよく描かれていたと思います。
この運びがすごくよくって、アクションとドラマもどちらも邪魔してなかったのがスゴイ。
ホントこの脚本が素晴らしかったです！
バットマンの受けるプレッシャーと、自分を責める気持ちがたくさんで正直疲れてしまいました。
彼が最後に選んだ道も簡単に受け入れられないけど、それしか道がないんだろうなって。
そしてもう一つ、ジョーカーの理解できるけど全くわからないできない存在。
恐怖で人を支配し、それを喜ぶ姿はとにかく恐ろしい。
残酷で恐ろしくて彼が出てくると何かが起こると思って、街を恐怖に陥れるのと同じようにこちらも怖かったです。
彼が何かすると思うたびに鳥肌が立ち、頭が痺れそうでした。
アメコミヒーローなのにリアリティーがある。
その時点でもうすでにヒーローものの映画とは別物と考えたほうがいいかもです。
とにかく映画館で観てくれれば、このよさがわかると思います。

今回のお目当て、ヒース扮するジョーカー。狂気。ホント怖い。
「Why so serious?」っていいながら笑うのが、頭からは離れないです。
もう彼が出てくると「もぅ、何なのさ？」って思いながら、顔引きつってる状態でした。
もうナース姿とか逆に笑えない・・・。
これは役になりきってるって言うよりかは・・・とにかく怖かったです。
クリスチャン・ベイルのバットマンは初めてでしたが気品があり、でもストイックな感じが似合っていてとてもよかったです。