無限の可能性!日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動

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日経新聞6/5(日)記事でわかったこと!-日本版LLP(有限責任事業組合)

2005-06-05 22:46:08 | LLPニュース
こんばんは、今朝の日経新聞3面に


 新設の「有限責任事業組合」

 出資者の損金に上限 財務省



という記事が掲載されていました。損金とは、税務上引くことの出来る費用(損金≒費用)のことです。

記事の内容は大体今までに公表されてきたことなのですが、1つだけ目新しい内容が含まれていたので、紹介しておきます。


記事抜粋

「~LLPの資産の持分を担保にして借り入れた資金で出資額を膨らませた場合には、その分だけ損金算入枠を圧縮する。~」




金融機関から借り入れを行う場合に、

1.LLPが所有する事業用資産を担保にLLP自体が金融機関から借り入れた場合
2.LLPの構成員(出資者)が、自分の出資持分を担保に金融機関から借り入れを行い、LLPへ出資を行った場合

で、税務上の取り扱いに違いが生じないようにするということです。1の場合は、構成員が取り込むことの出来る損失の金額は、特に変わりませんが、2の場合、追加出資により取り込むことが出来る損失が膨らむ効果をもたらします。しかし実態としては、1と2のどちらの場合も、構成員のリスクは変わらないため、取り込むことの出来る損失も、同様に取り扱われるということです。

(例示)
■LLP構成員 

 A社 出資金額1000万円
 B社 出資金額1000万円

■銀行借入金額1000万円

【パターンA】
A社とB社が銀行から、自社のLLP持分を担保に融資(A社、B社各500万円)を受け、LLPに追加出資を行った場合

A社 出資金額 1500万円
B社 出資金額 1500万円

【パターンB】
一方、LLPが直接銀行から1000万円を借り入れ、LLPが所有する事業用資産を担保とした場合

A社 出資金額 1000万円かわらず
B社 出資金額 1000万円かわらず

となります。仮に、銀行借入が返済できなくなり、銀行が担保を差し押さえ、LLPが清算された場合、A社とB社の金銭的な損失は、パターンABとも、各社1000万円であり、リスク金額に変わりがありません。

そこで、実質的な出資金額までの損失しか構成員課税の段階で取り込むことができませんよ!というのが、今回の記事の内容だと思います。ではまた~

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