無限の可能性!日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動

LLPによってビジネスモデルの選択ワクが大きく広がります。そんな日本版LLPに関する情報を発信していきます!

LLPの預金に対する源泉所得税の精算方法

2010-09-20 19:37:53 | LLPと組合員の税務
こんばんは、

LLPを設立すると、ビジネスを開始するために、まず100%銀行口座を開設することとなります。そして現在の低金利では大した金額にはなりませんが、預金残高に応じて、利息がつくことになります。

ご存知かと思いますが、この利息は15%の源泉所得税と5%の地方税利子割の合計20%が天引きされて、支払われています。

法人の場合、この20%の源泉徴収税額は、確定申告の際精算されることとなりますが、果たしてLLPの預金口座で源泉徴収された税金を精算する術はあるのでしょうか?

答えは、LLPから各法人組合員が取り込む組合事業損益の形式により異なることとなります。

 -総額法と中間法 ------> 精算OK

 -純額法 -------------> 精算ダメ

総額法とは、B/SとP/Lの各勘定科目全てを、各組合員側の決算書に個別に反映させる方法で、中間法とは、P/L項目のみ、各組合員側の決算書に個別に反映させる方法です。そして、純額法では、P/LもB/Sも最終的な損益金額を

 借方)LLP組合出資金a/c xxx,xxx

貸方) LLP組合損益a/c xxx,xxx

と1行仕訳で取り込む方法を言います。すなわちこの純額法では預金利息がいくらあったかが、明確にできないことから、源泉徴収税の精算もダメということになります。

源泉徴収税の精算がダメなら、実際の処理はどうなるのかというと、源泉徴収された税額を租税公課として費用認識し、実際に受け取った税引き後利息を収入金額として認識することとなります。

今回は、少し実務的なお話でした。

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LLPの税務調査

2010-07-01 20:50:45 | LLPと組合員の税務
LLPは納税義務がないため、税務調査の直接的な調査対象にはなり得ません。
しかし、組合員への調査を通じて、実質的にはLLPの税務調査が行われることがあり得ます。

そして、本日初めて有限責任事業組合(LLP)の税務調査の立会いを行いました。もしかすると史上初かもしれません(笑)

今回は個人組合員2名のLLPなので、税務調査の基本的なポイントは、

1.2名の損益分配割合に合理性があるか?恣意的な利益分配が行われていないか?
2.個人組合員によるLLPなので、個人事業所得に対する調査と一緒


ということです。

調査対象は、本来個人の確定申告のベースとなる元帳、請求書・領収書等の原資料ということになるのですが、LLPからの損益分配の仕訳以外、元帳に記載すべき内容がないため、結局LLP自体の元帳、請求書・領収書等の原資料を調べられることとなります。

そして結果、今回無事に修正事項なしで調査を終了することができました。
LLPの実務を行う専門家として、とても有意義な経験ができました。


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LLPと交際費損金不算入規定

2009-03-22 22:40:54 | LLPと組合員の税務
こんばんは、

交際費は法人税法上、原則損金となりませんが、資本金の額が1億円以下の法人については、支出した交際費等の額のうち、400万円までの金額の10%相当額と400万円を超える部分の金額との合計額を損金の額に算入しないこととされています。

では、LLPの場合はどうなるのでしょうか?損益分配の際、総額法や折衷法で取り込む場合は、各法人組合員の交際費の金額に合算して、税務処理を行いますので、特に気にすることもありませんが、純額法の場合は、ちょっと厄介です。

純額法とは、分配される損益○○○円に対して、

  借方) LLP組合出資金(B/S) ○○○円

    貸方) LLP分配損益金(P/L) ○○○円

とだけ表現されますので、その中に交際費がいくら含まれているのか、仕訳からは判読できません。仕訳から判読できないということは総勘定元帳や損益計算書上でも分からないこととなります。

そこで、法人組合員が純額法を採用する場合の交際費の取り扱いについて、以下の処理を行うこととなります。

【例 題】

<交際費等の損金不算入額計算>

期末純資産額 20,000,000円
当期損益    -2,000,000円(損失)
当期の月数   12ヶ月
当期交際費の額 6,000,000円
損益分配割合  50% (法人組合員2社のみ)

     ① 期末資本金の判定

     (期末純資産合計20,000,000円 + 当期損失2,000,000円) × 60% = 13,200,000円 ≦ 1億円

     ∴定額控除限度額計算有り

     ② 定額控除限度額の計算

400万円 × 12ヶ月(事業年度に月数)÷12ヶ月 = 4,000,000円

     ③ 損金算入限度額

支出交際費等の額(6,000,000円)又は②のいずれか少ない金額 × 90% = 3,600,000円

     ④ 組合全体での損金不算入額

     6,000,000円(交際費等の額) – 3,600,000円 = 2,400,000円 

     ⑤ 各組合員へ分配される損金不算入額

     2,400,000円×50%=1,200,000円   別表九(四)20欄①へ転記

関連する条文等は下記を参照して下さい。

ではまた。




法人税 基本通達14-1-2
(任意組合から分配を受ける利益等の額の計算)


法人が、帰属損益額を14-1-1及び14-1-1の2により各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する場合には、次の(1)の方法により計算する。ただし、法人が次の(2)又は(3)の方法により継続して各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額を計算しているときは、多額の減価償却費の前倒し計上などの課税上弊害がない限り、これを認める。

(1)当該組合事業の収入金額、支出金額、資産、負債等をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法

(2)当該組合事業の収入金額、その収入金額に係る原価の額及び費用の額並びに損失の額をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法 
この方法による場合には、各組合員は、当該組合事業の取引等について受取配当等の益金不算入、所得税額の控除等の規定の適用はあるが、引当金の繰入れ、準備金の積立て等の規定の適用はない。

(3)当該組合事業について計算される利益の額又は損失の額をその分配割合に応じて各組合員に分配又は負担させることとする方法
 この方法による場合には、各組合員は、当該組合事業の取引等について、受取配当等の益金不算入、所得税額の控除、引当金の繰入れ、準備金の積立て等の規定の適用はない。
(注)
1 ~ 4 省略
5 (3)の方法による場合において、当該組合事業の支出金額のうちに寄附金又は交際費の額があるときは、当該組合事業を資本又は出資を有しない法人とみなして法第37条《寄付金の損金不算入》又は措置法第61条の4《交際費等の損金不算入》の規定を適用するものとしたときに計算される利益の額又は損失の額を基として各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額の計算を行うものとする。


租税特別措置法 第61条の4 
(交際費等の損金不算入)


法人が平成18年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する各事業年度(清算中の各事業年度を除く。)
において支出する交際費等の額(当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額)が1億円以下である法人については、当該交際費等の額のうち次に掲げる金額の合計額)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
1.当該交際費等の額のうち400万円に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額(次号において「定額控除限度額」という。)に達するまでの金額の100分の10に相当する金額
2.当該交際費等の額が定額控除限度額を超える場合におけるその超える部分の金額
2前項の月数は、暦に従つて計算し、1月に満たない端数を生じたときは、1月とする。

租税特別措置法施行令 第37条の4
(資本金の額又は出資金の額に準ずるものの範囲等)


 法第六十一条の四第一項 に規定する政令で定める法人は、法人税法第二条第六号 に規定する公益法人等(以下この条において「公益法人等」という。)、人格のない社団等及び外国法人とし、同項 に規定する政令で定める金額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。

一  資本又は出資を有しない法人(第三号から第五号までに掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における貸借対照表(確定した決算に基づくものに限る。以下この条において同じ。)に計上されている総資産の帳簿価額から当該貸借対照表に計上されている総負債の帳簿価額を控除した金額(当該貸借対照表に、当該事業年度に係る利益の額が計上されているときは、その額を控除した金額とし、当該事業年度に係る欠損金の額が計上されているときは、その額を加算した金額とする。)の百分の六十に相当する金額
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LLPと消費税課税仕入の認識時期

2008-10-28 22:12:26 | LLPと組合員の税務
こんばんは

LLPが例えば固定資産(機械装置1億円)を平成21年1月10日に購入したとします。

 - LLPの事業年度   1月から12月(12月決算)※消費税納税義務有り

 - 組合員A社の事業年度 2月から 1月( 1月決算)

と仮定すると、LLPの事業年度平成21年1月~12月期の課税仕入となり、
組合員A社へは、平成21年2月~平成22年1月期の事業年度にて上記1億円
の固定資産に対する消費税500万円のうち損益分配相当額を仮払消費税と
して認識するのが、普通と考えていたのですが、消費税の基本通達によ
ると、事業年度は無視して、支出した時点の課税仕入として組合員A社側
で取り扱うことを原則だというのです。※例外として、LLPの決算期末
の属する組合員A社の事業年度にて取り込むことも可能。

仮払消費税500万円の内、組合員A社の損益分配割合が決まっていれば、
取り込めることは取り込めますが、基礎となる組合の決算書も何もなし
で取り込むこととなります。

しかし、損益分配割合が期末まで決まらないケースもありえます。その場合は
組合員A社にて取り込みできる仮払消費税の額が確定しないため、原則の
取り扱いはできないこととなります。

実務を行う者としては、違和感を感じる規定です。


【消費税基本通達】

(共同事業の計算期間が構成員の課税期間と異なる場合の資産の譲渡等の時期)

9-1-28 共同事業において、1-3-1により各構成員が行ったこととされる
資産の譲渡等については、原則として、当該共同事業として資産の譲渡等を
行った時に各構成員が資産の譲渡等を行ったこととなる。

 ただし、各構成員が、当該資産の譲渡等の時期を、当該共同事業の計算期間
(1年以内のものに限る。)の終了する日の属する自己の課税期間において行っ
たものとして取り扱っている場合には、これを認める。







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オーナー社長がLLPの組合員になったら。。。

2008-05-03 02:31:58 | LLPと組合員の税務

こんばんは

会社経営をしている方であればご存知かと思いますが、役員給与は
事業年度を通じて定額でなければ、変動部分が税務上、会社経費に
なりません。

しかしながら、ビジネスによっては突発的に利益が上がることもあり、
その場合はなかなか計画的な節税策を講じることも出来ず多額の
法人税を支払うことになるケースもあります。

そこで、法人のオーナー社長等が個人でLLPの組合員になり、突発
的な利益が生じるビジネスを新設したLLPが請負い、その利益の
大部分をLLPの収益とできたなら、LLPの組合員たるオーナー社長
個人に直接利益が分配され、法人税課税が免れることができるので
はという、ご相談案件がありました。

その法人からLLPが業務委託費や成功報酬等の名目で収益を吸い
上げるスキームは非常に危険だと思われます。

①その業務自体、LLPが主体として行ったと言える実態が伴うか?

②利益の大半をLLPが享受するに十分な妥当性があるのか?

③LLPは組合員の集合体と考えると、全部ではないにしろ、オーナ
ー社長個人が、自分が支配する会社から業務委託を受けて個人
事業収入を計上していることと同等とみなされ、その社長は、業務
委託費名目で役員給与を得ていると課税当局に判断される可能性も高いと思われます。その場合は、役員賞与扱いで税務上経費となり
ません。

では可能性はないかというと、ビジネスの内容にもよりますが、その
法人から完全に切り離し、LLPが突発的な利益が生じる可能性が
あるサービスに関して、取引先と直接契約を交わすことができるの
であれば、LLPにて獲得した利益をオーナー社長個人に分配した
としても、税務上のリスクはそれほど高くないと思われます。

いずれにしましても、LLPをビジネススキームに取り込むためには、
十分な税務上のリスクを検討した上で、実施して頂きたいと思います。

ではまた!

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LLPの税務上必要となる書類一覧

2008-03-30 02:21:07 | LLPと組合員の税務
こんばんは

LLPは構成員(パススルー)課税のため、税務手続きが不要と思われがちですが、次のような書面を税務署に提出する必要があります。

(1)LLPとして提出する法定調書(提出期限1/31)
(2)法人組合員の確定申告時
  ※組合事業による損失がある場合
(3)個人組合員の確定申告時

詳しくは以下の通りです。

------------------------------------------------
(1)LLPとして提出する法定調書(提出期限1/31)
------------------------------------------------

[手続名]有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書(同合計表)

概要
上記法定調書の提出手続です。

[手続根拠]
所得税法第227条の2

[手続対象者]
有限責任事業組合等の会計帳簿を作成する組合員

[提出時期]
組合契約に定める計算期間の終了の日の属する年の翌年1月31日

[提出方法]
支払調書の合計表を添付して提出先に送付又は持参してください。

[手数料]
手数料は不要です。

[申請書様式・記載要領]

* 有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書合計表(PDFファイル/170KB)
* 有限責任事業組合等に係る組合員所得に関する計算書(PDFファイル/147KB)

------------------------------------------------
(2)法人組合員の確定申告時
  ※組合事業による損失がある場合
------------------------------------------------

別表九関係 9(4)
組合事業等による組合等損失額の損金不算入又は組合等損失超過合計額の損金算入に関する明細書
平成19年4月1日以後終了事業年度又は連結事業年度分 172KB

【租税特別措置法】抜粋
(組合事業等による損失がある場合の課税の特例)

第六十七条の十二  法人が特定組合員(組合契約に係る組合員(これに類する者で政令で定めるものを含むものとし、匿名組合契約等にあつては、匿名組合契約等に基づいて出資をする者及びその者の当該匿名組合契約等に係る地位の承継をする者とする。以下この項及び第四項において同じ。)のうち、組合事業に係る重要な財産の処分若しくは譲受け又は組合事業に係る多額の借財に関する業務の執行の決定に関与し、かつ、当該業務のうち契約を締結するための交渉その他の重要な部分を自ら執行する組合員その他の政令で定める組合員以外のものをいう。第四項において同じ。)又は特定受益者(信託(法人税法第二条第二十九号 に規定する集団投資信託及び法人課税信託を除く。以下この条において同じ。)の同法第十二条第一項 に規定する受益者(同条第二項 の規定により同条第一項 に規定する受益者とみなされる者を含む。)をいう。第四項において同じ。)に該当する場合で、かつ、その組合契約に係る組合事業又は当該信託につきその債務を弁済する責任の限度が実質的に組合財産(匿名組合契約等にあつては、組合事業に係る財産)又は信託財産の価額とされている場合その他の政令で定める場合には、当該法人の当該事業年度の組合等損失額(当該法人の当該組合事業又は当該信託による損失の額として政令で定める金額をいう。以下この項において同じ。)のうち当該法人の当該組合事業に係る出資の価額又は当該信託の信託財産の帳簿価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える部分の金額(当該組合事業又は当該信託財産に帰せられる損益が実質的に欠損とならないと見込まれるものとして政令で定める場合に該当する場合には、当該組合等損失額)に相当する金額(第三項第四号において「組合等損失超過額」という。)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2  確定申告書等を提出する法人が、各事業年度において組合等損失超過合計額を有する場合には、当該組合等損失超過合計額のうち当該事業年度の当該法人の組合事業又は信託(当該組合等損失超過合計額に係るものに限る。)による利益の額として政令で定める金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3  この条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  組合契約 民法第六百六十七条第一項 に規定する組合契約及び投資事業有限責任組合契約に関する法律第三条第一項 に規定する投資事業有限責任組合契約並びに外国におけるこれらに類する契約(政令で定めるものを含む。)並びに匿名組合契約等をいう。
二  匿名組合契約等 匿名組合契約(これに準ずる契約として政令で定めるものを含む。)及び外国におけるこれに類する契約をいう。
三  組合事業 組合契約に基づいて営まれる事業(匿名組合契約等にあつては、匿名組合契約等に基づいて出資を受ける者の事業であつて当該匿名組合契約等の目的であるもの)をいう。
四  組合等損失超過合計額 前項の法人の当該事業年度の直前の事業年度(連結事業年度に該当する事業年度にあつては、当該連結事業年度。以下この号において「前事業年度等」という。)以前の各事業年度における組合等損失超過額(連結事業年度に該当する事業年度にあつては、第六十八条の百五の二第一項に規定する連結組合等損失超過額)のうち、当該組合等損失超過額につき第一項の規定の適用を受けた事業年度(同条第一項の規定の適用を受けた場合には、当該適用を受けた連結事業年度。以下この号において「適用年度」という。)から前事業年度等まで連続して法人税法第二条第三十一号 に規定する確定申告書(以下この号において「確定申告書」という。)の提出(前事業年度等までの連結事業年度に該当する事業年度にあつては、当該法人又は当該法人に係る連結親法人による同条第三十二号 に規定する連結確定申告書(以下この号において「連結確定申告書」という。)の提出)をしている場合(適用年度が前事業年度等である場合には、当該適用年度の確定申告書の提出(当該適用年度が連結事業年度に該当する場合には、当該法人又は当該法人に係る連結親法人による連結確定申告書の提出)をしている場合)における当該組合等損失超過額を、各組合事業又は各信託ごとに合計した金額(前項の規定により前事業年度等までの各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額(第六十八条の百五の二第二項の規定により前事業年度等までの各連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された金額を含む。)がある場合には、これらの損金の額に算入された金額を控除した金額)をいう。
4  前項に定めるもののほか、法人が自己を合併法人とする適格合併により特定組合員又は特定受益者に該当する被合併法人の組合契約に係る組合員又は信託の受益者たる地位の承継をした場合における第一項の規定の適用に関する事項その他同項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第六十七条の十三  有限責任事業組合契約に関する法律第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約を締結している組合員である法人の当該事業年度の組合事業(当該有限責任事業組合契約に基づいて営まれる事業をいう。以下この条において同じ。)による損失の額として政令で定める金額が当該法人の当該組合事業に係る出資の価額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額を超える場合には、その超える部分の金額に相当する金額(第三項において「組合損失超過額」という。)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
2  確定申告書等を提出する法人が、各事業年度において組合損失超過合計額を有する場合には、当該組合損失超過合計額のうち当該事業年度の当該法人の組合事業(当該組合損失超過合計額に係るものに限る。)による利益の額として政令で定める金額に達するまでの金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。
3  前項に規定する組合損失超過合計額とは、当該法人の当該事業年度の直前の事業年度(連結事業年度に該当する事業年度にあつては、当該連結事業年度。以下この項において「前事業年度等」という。)以前の各事業年度における組合損失超過額(連結事業年度に該当する事業年度にあつては、第六十八条の百五の三第一項に規定する連結組合損失超過額)のうち、当該組合損失超過額につき第一項の規定の適用を受けた事業年度(同条第一項の規定の適用を受けた場合には、当該適用を受けた連結事業年度。以下この項において「適用年度」という。)から前事業年度等まで連続して法人税法第二条第三十一号 に規定する確定申告書(以下この項において「確定申告書」という。)の提出(前事業年度等までの連結事業年度に該当する事業年度にあつては、当該法人又は当該法人に係る連結親法人による同条第三十二号 に規定する連結確定申告書(以下この項において「連結確定申告書」という。)の提出)をしている場合(適用年度が前事業年度等である場合には、当該適用年度の確定申告書の提出(当該適用年度が連結事業年度に該当する場合には、当該法人又は当該法人に係る連結親法人による連結確定申告書の提出)をしている場合)における当該組合損失超過額を、各組合事業ごとに合計した金額(前項の規定により前事業年度等までの各事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入された金額(第六十八条の百五の三第二項の規定により前事業年度等までの各連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入された金額を含む。)がある場合には、これらの損金の額に算入された金額を控除した金額)をいう。
4  前項に定めるもののほか、法人が自己を合併法人とする適格合併により第一項に規定する組合員である被合併法人の当該組合員たる地位の承継をした場合における同項の規定の適用に関する事項その他同項又は第二項の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。


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(3)個人組合員の確定申告時
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詳しくはこちらをご覧下さい。
「有限責任事業組合の組合事業に係る事業所得等の所得計算の説明書」


平成_年分の有限責任事業組合の組合事業に係る所得に関する計算書(PDFファイル)
【作成が必要な場合】
有限責任事業組合契約を締結し組合事業を営む方で、「有限責任事業組合の事業に係る組合員の事業所得等の所得計算の特例」の適用がある方が、調整出資金額等を計算する場合に使用します。 207KB


(付表)組合事業に係る事業所得等の必要経費不算入損失額の計算書(PDFファイル)
【作成が必要な場合】
有限責任事業組合契約を締結し組合事業を営む方で、「有限責任事業組合の事業に係る組合員の事業所得等の所得計算の特例」の適用がある方が、調整出資金額超過損失額のあるときに、必要経費不算入損失額を計算する場合に使用します。 151KB



以上です。ご参考まで!
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償却資産税と有限責任事業組合(LLP)

2007-11-14 22:26:39 | LLPと組合員の税務
こんにちは

LLPの償却資産税申告についてご相談頂いたのですが、即答できず
調べた結果を備忘のため、掲示しておきます。

LLPは法人格がないため、LLP自体に償却資産税(内部造作や備品、機械などの固定資産に対して課される税金です)は課すことができないため、組合員ごとに課税することとなります。

しかし、実際はLLPが「組合員の代表となる者○○○○ 他△名」という名称で償却資産税申告を行い、賦課課税が行われ、実際はLLPが納税手続きを行うようになるとのことです。

土地等の共有持分登記を行ったいる場合に、課税通知が「○○○○ 他△名」となるのと同様だそうです。。。

ということですので、LLPで固定資産を抱えた際は、償却資産税申告についても忘れないで下さいね。

なお、償却資産税の免税点150万円については、「共同事業により生じた物件」として、全体金額にて判断するとのことです。すなわち200万円分のサーバマシンを資産計上していたとして、組合員が2名(損益分配割合、出資割合とも50%と仮定)いるから、1人当たり100万円となり、免税点以下となり償却資産税は免税。。。とはならないということです。(参考:地方税法第10条の2)



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外国為替証拠金取引(FX)とLLP

2007-05-02 21:43:50 | LLPと組合員の税務

こんばんは、

最近の問い合わせで多くなってきているのが、外国為替証拠金取引(FX)をLLPを組成して運営したいという相談です。

外国為替証拠金取引(FX)による損益は個人投資家の場合、雑所得として確定申告する必要があります。(一定の場合、20万円以下の所得は申告不要)これをLLPを通じることにより、次のような期待を持って相談して来ているようです。

 ①LLPにより課税を受けない?(→LLPの組合員として課税を受けます。)
 ②LLPを通じて投資することにより、事業所得となり各種経費を運用益から控除できる?(→LLPの組合員が個人の場合、その分配損益は必ず事業所得になるのではなく、その所得の性質に応じて、利子、配当、事業、不動産、譲渡、雑所得等に区分されます。すなわち、個人での運用損益が雑所得になるような場合、形態をLLPからの分配に変えても、個人の確定申告時の課税区分は、雑所得のままとなります。)
※その個人が、事業として外国為替証拠金取引を行っている実態があれば、事業所得となりますが。。。サラリーマンの財テクとして行う場合などは、なかなか事業所得とはならないように思います。

 

 

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消費税処理の難しさ

2006-12-20 00:35:17 | LLPと組合員の税務

LLPの組合員に消費税の免税事業者と課税事業者が混在してくると、LLPの決算報告書作成は困難を極めます。。。

ということで、今回は業界関係者?向け消費税の考察を行います。

ご存知の通り、LLPに消費税の納税義務はありません。各組合員に分配された上で、各組合員個々の消費税納税義務の有無に従い、消費税を取り込んでいくこととなります。

LLPの決算処理として、

<処理前>

            B/S(LLP)
----------------------------
                 |
仮払消費税70 | 仮受消費税 100 
                    |

<決算整理仕訳>

借方)仮受消費税 100

  貸方)仮払消費税 70
     未払消費税 30


<処理後>

            B/S(LLP)
----------------------------
                  |
                  | 未払消費税 30 
                  |


となるわけですが、このままだと、未払消費税 30がB/Sに残って翌期に繰り越されてしまうのです。しかし、消費税の納税は各組合員にて行われるため、LLPのB/S上に残ってしまうと、問題です。

そこで取った策は、営業外損益勘定を使い、

<決算整理仕訳>

借方)仮受消費税 100
   営業外費用   70
 
  貸方)仮払消費税 70
     営業外収益100


<処理後>

            B/S(LLP)
----------------------------
                   |
 なし             | なし 
                   |


            P/L(LLP)
----------------------------
                    |
営業外費用70 | 営業外収益100 
                    |


とすることにしました。なんだこれは!?と思われるかも知れませんが、結局損益に関しては、消費税を税込処理した場合と同じになります。

一方組合員側では、

組合員A(課税事業者)[損益分配割合50%]


            P/L(組合員A)
----------------------------
                    |
営業外費用35 | 営業外収益50 
                    |


を自社帳簿に取り込んだ上で、

<修正仕訳>

借方)仮払消費税  35
   営業外収益   50
 
  貸方)仮受消費税 50
     営業外費用 35

と、上記の逆仕訳を行うことにより、

            B/S(LLP)
----------------------------
                    |
仮払消費税35 | 仮受消費税 50 
                    | 

に解凍?!されます。 


また、組合員B(免税事業者)[損益分配割合50%]


            P/L(組合員B)
----------------------------
                    |
営業外費用35 | 営業外収益50 
                    |

<修正仕訳>

借方)営業外収益   50
 
  貸方)営業外費用 35
     雑収入   15(消費税差額)

として、処理を行えば良いと思います。他にも対応方法は考えられると思いますが、ご参考まで♪

補足ですが、LLPの決算報告においては、上記の他、

1.課税売上金額
2.非課税売上金額
3.免税売上金額  以上、課税売上割合に影響

4.課税対応仕入金額
5.非課税対応仕入金額 以上、個別対応方式による仕入れ税額控除計算に影響

のような情報も提供していく必要がありますので、お忘れなく!!

コメント

税務上、共同事業性を否認されたら...(続編)

2006-02-28 22:26:28 | LLPと組合員の税務
こんばんは、もう2月も終わってしまうと思い、アセって、やっつけブログです。

2005-11-01のブログで、有限責任事業組合(LLP)について税務上、共同事業性を否認されたら...について、宿題にしていましたが、答えはシンプルで、民法上の任意組合としてみなされることになるそうです。

LLPも任意組合もそれ程、税務上の取扱いに大差ないのですが、個人組合員の場合に不動産所得に関して、以下のような違いが生じてしまいます。

LLP:OK!⇒ 調整出資金額までのマイナスの不動産所得を所得計算上、通算可能
LLP:否認 ⇒ マイナスの不動産所得は、損益通算ダメ

すなわち、損益通算の対象としてしまった不動産所得(マイナス)の分だけ、税務否認を受けるということです。

最近、アップもしていないのに、多くの方にご覧頂き誠にありがとうございます。(感謝)
これからも、よろしくお願い致します!



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