無限の可能性!日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動

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LLP(有限責任事業組合)と少人数私募債

2013-03-12 13:11:20 | LLPを取り巻く法律

個人の所得に対しての課税強化が世界的な情勢の中、少人数私募債が脚光を浴びています。
というか、浴びるようになってしまったため、平成25年度税制改正大綱で、節税のための少人数私募債発行に対する封じ込み策が浮上してしまいました。

基本的な知識としまして、少人数私募債とは、会社が発行する債券(株式ではなく借入金の一種) で、その募集対象が50人未満(縁故者)のもので一定のものを言います。
何故少人数私募債かと言うと、財務局への届出や銀行への手続きが必要なく、発行及び管理費用がほとんどかからないところが、メリットです。

また社債利息は所得税法上、利子所得となり国税地方税合わせて、20.315%(復興特別所得税含む) の分離課税となるため、経営者の役員報酬に対する所得税住民税率と比較して相対的に、税負担が低いという特徴があります。

会社経営者は自分の会社で少人数私募債を発行し、社長自身がこれを引き受け、役員報酬の代わりに利息収入を得ることで、税負担を低減できるという仕組みです。

今に始まった制度ではありませんが、昨今、所得税率の将来的な上昇傾向と税務専門家の煽り?!でにわかに流行ってしまった結果、平成25年度税制改正にて網がかけられしまう見通しです。
しかし、封じ込み策の実施は平成28年頃と言われていますので、今しばらく熱い視線を浴び続けることになるでしょう。

さて、少人数私募債を発行する際、意識しなければならないのは声を掛ける対象を50名未満にするということです。
最終的に社債の引き受け先が50名未満でも、広く声を掛けてしまったり、インターネット上で募集してしまったら、少人数私募債ではなくなってしまいます。

そこで疑問となるのが、LLPが私募債を引き受ける際、この人数とは1つのLLPについて1名としてカウントするのか、それともLLPの組合員の数でカウントするのかというポイントです。

その解答としては、LLPが全員合議の共同事業体であることから、その社債引き受けについて、各組合員が募集内容の説明を受ける環境にあり、実際受けた事実があれば、LLPを1人とカウントするのではなく、その組合員数でカウントする必要があります。
10人で組成されたLLPが6組合、社債を引き受けるという場合は、10人×6組合=60人となり50名以上となるため、少人数私募債として認められないこととなります。

個人的な見解ですが、LLPの資金運用責任者がLLPの資産の一部(20-30%くらいまで)を運用する目的で私募債を引き受ける場合は、総組合員に説明や同意なく自己の判断で投資を実行するケースも考えられますので、その時の募集行為の対象人数は1人とカウントしても良いのではないかと思います。

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