無限の可能性!日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動

LLPによってビジネスモデルの選択ワクが大きく広がります。そんな日本版LLPに関する情報を発信していきます!

LLP(有限責任事業組合)と組合員自身の商取引について

2005-09-21 23:18:15 | LLPと組合員の税務
こんばんは、先週末の日経新聞に『LLP、有限責任事業組合――起業の起爆剤に死角?』[2005/ 09/ 19日本経済新聞]
という記事が掲載されていました。LLPとその構成員が商取引を行ってしまうと、矛盾が生じてしまうという内容でした。何度か触れてきました、個人組合員への給与と類似した問題なのですが、やはり問題点(グレーゾーン)については回避するような、選択枠を模索していくことが大切だなと感じました。

今回の記事にあったような、LLPの構成員がLLP自体に対して業務報酬を請求しなければならないような場合(このようなケースは頻繁に生じることが想定されます。)は、独立した別法人を介して取引を行い、LLPの構成員とLLP自体の直接取引きを回避するようなスキームを検討するのが良いのではないでしょうか?
事業規模他諸条件により、有効な場合とそうでない場合はあると思いますが~

ではまた!
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連結決算とLLP(有限責任事業組合)

2005-09-18 20:56:05 | LLPの会計
こんばんは

LLPは民法上の組合となるため、連結決算という考え方は存在しません。LLPの事業年度末に、損益分配を取り込むことにより、”連結”されていくこととなります。また、損益分配には、グロス方式とネット方式があります。

グロス(総額)方式とは、収益と費用を両方取り込む方法です。ネット(純額)方式とは、損益(収入 ― 費用)のみを取り込む方法です。どちらも結果損益は変らないのですが、事業規模の大きさを表現したいと考える会社もあると思います。
例えば、

LLP A組合 (組合員X社 損益分配割合:50%)

収益(売上) 10.0億円
費用     9.9億円
---------------------
損益 0.1億円(1千万円)

組合員X社への分配(上記の50%)

収益(売上)  5.00億円
費用     4.95億円
---------------------
損益 0.05億円(5百万円)


この場合、ネット方式でLLP事業損益を取り込むと

LLP分配収益5百万円


が、X社の損益計算書に計上されるだけとなります。


一方、グロス方式の場合は、

収益(売上)  5.00億円
費用     4.95億円

[仕訳]
(借方)費用  4.95億円  (貸方)売上 5.00億円
(借方)未収入金0.05億円


がそのまま、取り込まれるため、事業規模の大きさが表現されます。

以上のような取扱いは、民法組合について行うことが可能な処理であって、匿名組合(商法上の組合)では、ネット方式しか採用することができません。何故なら、匿名組合の財産・負債が、営業者(誰それって?!すみません、説明割愛します。。)に帰属するため、民法組合のような持分共有にならないためです。

ではまた~
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匿名組合を内包する会社がLLPの組合員になれば...

2005-09-14 22:15:39 | LLPビジネスソリューション
こんばんは、

LLPの構成員は個人又は法人でなければならないのですが、匿名組合契約を締結した投資家から出資を受けている法人が、LLPの組合員になること自体問題ないと思います。

いきなり何の話?と思われるかもしれませんが、LLPの経営に参画しない投資家は組合員になることができません。しかし様々な投資マネーを調達してビジネスを行うケースも少なくないと思います。

そのため、一旦匿名組合契約により投資マネーを株式(有限)会社にプールし、その資金をLLPへ出資することにより実態として投資家がLLPに参加するスキームが組めるのでは?と考えています。

その株式(有限)会社は、法人構成員となり実際に法人から選出された職務執行者がLLPの財務を担当すれば、LLPの要件を満たすと考えています。

既にこのブログでも触れましたが、ハンズオン型ベンチャーファンド(会社)が組合構成員になれるという、経済産業省の見解ですから、このスキームについても大きな問題点はないと思います。どうでしょう?!

無限の可能性を感じませんか? 私だけ...?!
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共同事業とは(その2)

2005-09-09 21:22:39 | LLPを取り巻く法律
こんばんは、前回に続いて共同事業について...身近な友人同士が集まって行う共同事業では、こんなこともしっかりと考える必要があります。

1.常勤の人

 ―企業から出向の人
 ―他に収入のある個人
 ―他に収入のない個人

2.非常勤の人

非常勤の人については、ここでは無視します。常勤の人に関して考えないといけないのは、毎月の報酬をどうするのか?ということです。他に収入のある人や企業からの出向者の場合、日々の収入をLLPに求める必要がないと思いますが、他に収入がない人の場合、LLPは損益分配が原則...なんて言っていたら日々の生活に支障をきたします。

どうするのかというと、

◎LLPから給与を出してもらう(税務上OK!?か非常にグレー/個人的にはOKと思っていますが...)

◎参画企業(法人組合員でない企業でも良いと思います)から給与をもらうカタチを取る。
 どうやって? → 企業がLLPに対して人的役務提供を行い、一定金額(役務提供に対して合理的な金額)を請求すれば、そのお金を原資に企業から個人組合員に月額固定給与を保証できるのでは?と思います。

※結局、LLPが給与を負担するカタチになるのですが。。。

このような取扱いが、税務的に問題ないかは顧問税理士等とよく相談して下さいね~

ではでは!










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共同事業とは(その1)

2005-09-06 23:42:25 | LLPビジネスソリューション
少し税金や法律を忘れて、ビジネスの観点から日本版LLPが前提としている共同事業について触れたいと思います。

共同事業で注意しないといけないことは、参加者それぞれのベクトルが大体同じ方向をしっかり向いているかということです。同床異夢とはよく言ったもので、気がつくとみんな勝手なことを言い出してしまう、なんてことは良くあるのではないでしょうか?

共同事業に参画する人たち、それぞれ立場、環境等違うので、ベクトルをそろえることは厳密には無理だと思いますが、それぞれの立場を理解し合った上で、各参加者の権利と義務、リスクとリターンそしてうまくいった場合とうまくいかなかった場合のことを、冷静に協議しておくと良い様に思います。

なかなか、盛り上がっているときにこんな話も出てこなければ、失敗した場合...なんて誰も考えないのですが。。。
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