無限の可能性!日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動

LLPによってビジネスモデルの選択ワクが大きく広がります。そんな日本版LLPに関する情報を発信していきます!

珍しく?!ご質問の回答です。。

2006-01-24 21:46:15 | LLPを取り巻く法律
ご質問への回答をさせて頂きます。(毎回は無理ですので...)


【ご質問】

組合員の新規加入要件について

組合員の新規加入についてはあらかじめ組合契約書に総組合員の3分の2以上同意を必要とする等にしておくことはできないのでしょうか?


【ご回答】

以下に、該当する条文を抜粋しておきます。また該当部分は赤字で記します。

結論から言いますと、組合契約書の絶対記載事項である「組合員の名前又は名称及び住所」を変更する際は、第五条第1項にて総組合員の同意が必要と定められてしまっています。第五条第2項にて、除外規定を定めていますが、第四条第3項第三号(組合員の名前又は名称及び住所)は入っていません。そのため、総組合員の同意が必須となります。また、下記には抜粋を掲載できませんが、組合登記規則第7条第2項に、組合員の変更登記申請書には、

「~総組合員の同意があったことを証する書面」


を添付することが定められています。以上、詳細説明でした~。 さぁまた仕事しよっと!


<条文抜粋>

第四条

3 組合契約書には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

 一 有限責任事業組合(以下「組合」という。)の事業

 二 組合の名称

 三 組合の事務所の所在地

 四 組合員の氏名又は名称及び住所


 五 組合契約の効力が発生する年月日

 六 組合の存続期間

 七 組合員の出資の目的及びその価額

 八 組合の事業年度

第五条 組合契約書に記載し、又は記録すべき事項(前条第三項第五号に掲げる事項を除く。)についての組合契約の変更(第二十五条又は第二十六条の規定による脱退によって同項第四号に掲げる事項を変更する場合を除く。)は、総組合員の同意によらなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、前条第三項第三号若しくは第八号に掲げる事項又は同条第五項の規定により組合契約書に記載し、若しくは記録する事項(組合契約書において第三十三条に規定する組合員の損益分配の割合について定めをする場合にあっては、当該割合に関する事項を除く。)に係る組合契約の変更については、組合契約書において総組合員の同意を要しない旨の定めをすることを妨げない。



コメント

だれをパートナーに...?!

2006-01-23 01:43:50 | LLPビジネスソリューション
こんばんは、珍しく更新頻度を上げてみました♪

LLPを組成する際に、誰をパートナーにしようか?と当然考えると思うのですが、考え方(思考アプローチ)を書いておきますね。

1.事業を成立させる上で、不可欠な人材か?

2.意見の相違があったとしても、基本的な信頼関係から最終的には何らか結論を出し得る間柄か?


まず、この2点は外せないように思います。何故なら、LLPは思いのほか意思決定が難しく、加入、脱退時の手続きが煩雑なのです。

総組合員の合意がないと、変更できない事項が結構あります。

(1)組合員の新規加入

(2)損益分配割合の変更 など


また、組合員の新規加入の場合(もちろん脱退時も)、登記する必要があり、貸借対照表、損益計算書を決算時でなくとも作成しなければなりません。

新しい組合員を迎え入れ、迎え入れることにより掴むことができるかもしれないビジネスがあったとしても、組合員の1人が絶対反対と言えば、頓挫です...例え100人の組合員いるLLPだったとしても、たった1人の反対でthe endです。

結論としましては、必要最小限の人員で将来に渡って意思決定に支障ないメンバーが望ましいのではないでしょうか?

資金集めが目的の場合は、LLPではなく、匿名組合の方が向いていると思います。

ではまた!



コメント

日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動?

2006-01-21 01:21:01 | LLPビジネスソリューション
こんばんは、もう少しアップする頻度を上げたいのですが...2006年に入って少し風向きが変わってきました。着実にビジネスを行っている方々の中で、LLPへの注目度が上がってきています。

また、SPCや匿名組合のようなものと異なり、金融・不動産以外の業種を営む事業者の方から偏りなくお問い合わせを頂いております。
昨年半年を費やし、色々と検証、考察を行ってきましたが、今一度どのようなビジネスに向いているのかまとめたいと思います。

1.当たり前ですが、プロフィットシェア(利益共有)を目的とする共同事業に向いています。


共同事業の本質は、プロフィットシェア(利益共有)です。対等に近い関係(同志であったり、相互補完であったり)の個人及び法人が同じ目的のもと、共同で事業を営む場合に適しています。

どう考えても、ビジネス上、金銭上の主導権を誰かが持ち、他の賛同者と共同事業を行うような場合は、LLPではなく法人組織又は個人事業として事業を行う方が向いています。


2.節税スキームとしての利用は考えない


出資額(正確には調整出資金)以上の損失は、法人個人を問わず取り込むことができませんので、節税スキームに利用できないか?と考えるのは、時間の無駄のように思います。


3.業種は不問


LLP法にて一定の業種(サムライ業や博打)は認められませんが、それ以外はどんな業種でも利用の可能性があると思います。

創造性豊に、LLPを利用したビジネススキームを考えてみてはいかがでしょうか?

但し、不動産事業において簿価の安い土地なんかをLLPに放り込むと、キャピタルゲインタックス(譲渡益課税)が生じてしまうので、うまく機能しない場合も考えられます。


4.構成員課税(パススルー)は偉大...


一部の金融ビジネスなどでしか、認知されていなかった”構成員課税”というものが、一般化していくということは”無限の可能性”を秘めていると思います。

既存のビジネスモデルとは、会社を作り雇用し、社外協力企業(下請け等)とは業務委託契約等によりつながる形でしたが、LLPを使ったビジネスモデルでは、会社と個人や社外協力企業が対等のパートナーとなり得るのです。

ではなぜ、LLPだとパートナーになり得るのかというと、構成員課税が可能だからです。今までもビジネス上、共同事業を行い利益を共有しようという話は星の数?ほどあったと思います。しかし税務リスクの観点から、売上の一定割合を支払ったり、業務委託契約により基本的に一定金額を支払うカタチに収まるケースがほとんどではないでしょうか?(共同事業体や製作委員会という名称で任意組合方式とすれば、可能ですが...)
LLPの場合、売上から諸経費を控除した残額(利益)をシェア(共有)できることが、偉い?!のです。

雇用や業務委託の場合は、主導権を握る会社としては、経費が固定化されその負担リスクを抱えることとなります。しかし利益共有であれば、儲かったときだけ支払えばよいということになり、事業リスクの軽減を図ることが可能となります。また一方、個人や社外協力企業としても自分たちの貢献に応じたリターンを得られるというのも、モチベーション高く事業に取り組むことができるのではないでしょうか?(収入安定化には逆行ですが。。)

そんなこんなで、是非LLPにまずは興味を持ってみてはいかがでしょうか?
そして創造力豊かに新しいビジネスモデルを考えてみてはいかがでしょうか?

楽しいですよ~♪

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新年のご挨拶

2006-01-09 04:11:41 | その他
新年明けましておめでとうございます。

 2006年の新春にあたり謹んでご挨拶を申し上げます。

えっ遅い。。。忙しいんですよねこの季節(言い訳)

さて、LLP制度が施行されてから5ヶ月が経過し、今年が実際のLLP元年になるとひそかに期待しています。経済産業省がLLPの全国登記データを元に分析結果を公開していますが、注目度が低いなぁというのが正直な感想です。恐らく現時点でも登記件数は数百件どまりでは?と思います。

First 100 LLPs  ~最初の100件のLLP~(PDF形式:68KB)
http://www.meti.go.jp/policy/economic_oganization/pdf/First100_LLPs.pdf

インターネットの普及に重ねて考えるのは、少しスケールが違うと思いますが、1994年にNetWorld+Interop という展示会で、インターネットの無限の可能性を感じ取った起業家たちが、次々と新規事業を立ち上げ、ネットベンチャーの先駆けになったことを考えると、2005年がLLPにとって1994年と言えるのではないでしょうか。1995年にウインドウズ95が発売され、パソコンの大衆化とインターネットに火がついたような状況が2006年LLPにも起こる!...といいなっと思っています。

日本のビジネス界では、まだパートナーシップやパススルー課税を感覚的に理解するに至らないというのが現状だと思いますが、近い将来年間数万件の登記件数に到達すると確信しています。

では、その日が来るまで気長~にブログを書いていきますね♪
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