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朝鮮半島で脅威を煽っているのは誰か(1) 北朝鮮侵攻を想定した米韓軍事演習

2016-05-11 | 集団的自衛権

改憲の危険シリーズ 9条改憲の危険(3) 「攻めてきたらどうするのか」論批判の中で、そもそも、中国も北朝鮮も日本を侵攻する能力も理由もないこと、改憲や戦争法によって「攻めようとしている」のはまさに日米の側であることを主張したが、ここでは、対北朝鮮侵攻計画を紹介することで具体的にそのことを明らかにしたい。

  平壌で開催されていた第7回朝鮮労働党大会において、金正恩第一書記(委員長)が自国の一連の核実験を背景に「責任ある核保有国」を表明した。日本政府もメディアもこのことを取り上げ厳しく批判しているが、朝鮮民主主義人民共和国がなぜ核実験やロケット発射を繰り返しているかについては一切触れない。以下に述べるように、北朝鮮の強硬姿勢の背景には米国による対北朝鮮軍事政策の大転換がある。それは「斬首作戦」との命名に表れる北朝鮮の国家崩壊と元首殺りくをも想定した作戦計画への転換である。
 金氏は核保有を表明しながらも自国による「先制核使用」の可能性を否定し、米国が北朝鮮への主権侵害をやめること、南北対話の推進、日本が過去の戦争の反省と謝罪することなどを求めている。私たちは決して北朝鮮による核実験や核保有を支持するものではない。だが問題の解決のためには、米日韓の側が対北朝鮮挑発と危険な軍事作戦を放棄することこそが先決であると考える。

北朝鮮侵攻を想定した米韓軍事演習

 3月7日より米韓は合同軍事演習「キー・リゾルブ」と野外機動演習「フォールイーグル」を開始し、4月末まで行った。同演習は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の強い非難を無視して毎年行われてきたが、今年は参加規模が最大になっただけでなく、先制攻撃、最高首脳部抹殺、政治・軍事指導部破壊のシナリオに基づく北朝鮮への戦争予行演習になっている点で従来とは根本的に異なる。

 演習には韓国軍29万人、米軍は例年の倍の1万5千人が加わる。米海軍の原子力空母ジョン・C・ステニスと機動部隊、強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」など揚陸艦隊等、オスプレイを含む多数の米軍機、さらには最新鋭のステルス戦闘機F22やステルス爆撃機B2も投入した。
 米軍は演習に4軍から第75レンジャー部隊や第1空輸特戦団など特殊部隊を参加させている。米韓が公然と「斬首作戦(首脳抹殺作戦)」のシナリオを採用しているもとで、3月11日は米韓空挺部隊のパラシュート降下訓練も行われ、特殊部隊を敵地深く降下させ、侵入させる訓練を行った。

 3月12日に行われた上陸訓練「双竜訓練」だけで米韓両軍のほか、オーストラリア軍、ニュージーランド軍を含め過去最大規模の約1万7千人が参加した。大量の空爆と艦砲射撃の後に多数の上陸用舟艇、水陸両用戦闘車、オスプレイなどによる上陸演習と内陸部への侵攻訓練が行われた。韓国での上陸訓練では過去最大規模である。北朝鮮を意識して投入されたこの大規模な軍事力と、これに対抗して北朝鮮が公表したホバークラフト揚陸艇による揚陸訓練、長距離砲の砲撃訓練、そしてノドンと戦術ミサイル・ロケット数発の発射を比べれば、軍事力の規模と能力に格段の差があることは明白である。米韓両国は巨大な軍事力と侵略の予行演習を現実に目の前で見せつけて北朝鮮を威圧しているのである。どちらが脅威で、攻撃的であるかは疑う余地もない。

(ハンマー)


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