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LiveInPeace☆9+25

「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

『kotobuki 2010』を聴いて

2010-04-14 | 本・番組・映画など
寿[kotobuki]の25周年記念アルバム『kotobuki 2010』を聴いた。

寿がエレクトリック・ロックバンドとして活動していた頃の曲を集めたベストアルバム。

現在の寿は、ナビィとナーグシクヨシミツ2人の、アコースティック・ユニットとして活動が中心。だから、このアルバムに収められている歌をライブで聴くことは、ほとんどない。

このアルバムには、沖縄をテーマにした歌がずらりと並ぶ。
もともと寿の歌には沖縄色が強いとは言え、そればかりではない。
普天間基地撤去が焦点になっている今年、こういう歌を集めたアルバムが出たのは、偶然ではないと思う。

エレキ寿のアルバムは、『A-YO』を聴いた時も思ったのだが、似た曲調の歌でガンガン押してくるので、最後の方になるとチト飽きる。
それは、このアルバムにも当てはまる。
ナビィのボーカルが元気よすぎるので、同じような曲が続くように聞こえるのだ。

ただ、詞を読んでみると、そう単純ではない。

  幾日も鉄の暴風が吹き荒れたサトウキビだらけの島で
  それでも生きた奇跡の人は僕に命をあたえてくれたんだね
  それでも いつかは命は絶えて
  みんな消えて無くなってしまうのかな…
  (『奇跡の詩~キセキノウタ~』)

  青空の下と 焼け野原の上で
  みんなつかまって 身ぐるみはがされ
  お米もとられて おばさんも死んで お婆さんまでも死んでしまって…
  さぁ みんな私のもとから奪ってしまえ この大地も この歌さえも
  (『がじゅまるの木の下で』)

こういう風な、曲調とかけはなれた詞も多い。

そして、このアルバムの中で圧倒的な存在感を放つのが、2曲目の『金網の向こう側』。

若き日のヨシミツの、アメリカへの憧れと反発、その矛盾した思いが爆発する。

  青い空切り裂く 黒く光る羽根
  ふたつにさけた ニライカナイの島
  あこがれのあの歌たちも 金網の向こうから
  アメリカを夢見た 星条旗の意味も知らずに…
  アメリカはどこなのか? 少年はさまよう

文字で書くとこうなるが、ナビィの歌い方はこんな具合。
  星条旗のォ、意味もォゥ、知ィらずにィーーー

間奏では、アメリカ国歌が歪んだギターで引用されるが、かつてステージで演奏していた時には、それに合わせて星条旗を振り回し、足で踏みつけにしていたそうだ。

とにかく、この1曲だけでも十分に聴く価値がある。

寿公式サイトの中、このアルバムのページにある、ナビィとヨシミツがこのアルバムに寄せたメッセージがおもしろい。
特に、ナビィの書く文章は、いつも笑わせてくれる。

by ウナイ


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