
寿[kotobuki]の25周年記念アルバム『kotobuki 2010』を聴いた。
寿がエレクトリック・ロックバンドとして活動していた頃の曲を集めたベストアルバム。
現在の寿は、ナビィとナーグシクヨシミツ2人の、アコースティック・ユニットとして活動が中心。だから、このアルバムに収められている歌をライブで聴くことは、ほとんどない。
このアルバムには、沖縄をテーマにした歌がずらりと並ぶ。
もともと寿の歌には沖縄色が強いとは言え、そればかりではない。
普天間基地撤去が焦点になっている今年、こういう歌を集めたアルバムが出たのは、偶然ではないと思う。
エレキ寿のアルバムは、『A-YO』を聴いた時も思ったのだが、似た曲調の歌でガンガン押してくるので、最後の方になるとチト飽きる。
それは、このアルバムにも当てはまる。
ナビィのボーカルが元気よすぎるので、同じような曲が続くように聞こえるのだ。
ただ、詞を読んでみると、そう単純ではない。
幾日も鉄の暴風が吹き荒れたサトウキビだらけの島で
それでも生きた奇跡の人は僕に命をあたえてくれたんだね
それでも いつかは命は絶えて
みんな消えて無くなってしまうのかな…
(『奇跡の詩~キセキノウタ~』)
青空の下と 焼け野原の上で
みんなつかまって 身ぐるみはがされ
お米もとられて おばさんも死んで お婆さんまでも死んでしまって…
さぁ みんな私のもとから奪ってしまえ この大地も この歌さえも
(『がじゅまるの木の下で』)
こういう風な、曲調とかけはなれた詞も多い。
そして、このアルバムの中で圧倒的な存在感を放つのが、2曲目の『金網の向こう側』。
若き日のヨシミツの、アメリカへの憧れと反発、その矛盾した思いが爆発する。
青い空切り裂く 黒く光る羽根
ふたつにさけた ニライカナイの島
あこがれのあの歌たちも 金網の向こうから
アメリカを夢見た 星条旗の意味も知らずに…
アメリカはどこなのか? 少年はさまよう
文字で書くとこうなるが、ナビィの歌い方はこんな具合。
星条旗のォ、意味もォゥ、知ィらずにィーーー
間奏では、アメリカ国歌が歪んだギターで引用されるが、かつてステージで演奏していた時には、それに合わせて星条旗を振り回し、足で踏みつけにしていたそうだ。
とにかく、この1曲だけでも十分に聴く価値がある。
寿公式サイトの中、このアルバムのページにある、ナビィとヨシミツがこのアルバムに寄せたメッセージがおもしろい。
特に、ナビィの書く文章は、いつも笑わせてくれる。
by ウナイ
寿がエレクトリック・ロックバンドとして活動していた頃の曲を集めたベストアルバム。
現在の寿は、ナビィとナーグシクヨシミツ2人の、アコースティック・ユニットとして活動が中心。だから、このアルバムに収められている歌をライブで聴くことは、ほとんどない。
このアルバムには、沖縄をテーマにした歌がずらりと並ぶ。
もともと寿の歌には沖縄色が強いとは言え、そればかりではない。
普天間基地撤去が焦点になっている今年、こういう歌を集めたアルバムが出たのは、偶然ではないと思う。
エレキ寿のアルバムは、『A-YO』を聴いた時も思ったのだが、似た曲調の歌でガンガン押してくるので、最後の方になるとチト飽きる。
それは、このアルバムにも当てはまる。
ナビィのボーカルが元気よすぎるので、同じような曲が続くように聞こえるのだ。
ただ、詞を読んでみると、そう単純ではない。
幾日も鉄の暴風が吹き荒れたサトウキビだらけの島で
それでも生きた奇跡の人は僕に命をあたえてくれたんだね
それでも いつかは命は絶えて
みんな消えて無くなってしまうのかな…
(『奇跡の詩~キセキノウタ~』)
青空の下と 焼け野原の上で
みんなつかまって 身ぐるみはがされ
お米もとられて おばさんも死んで お婆さんまでも死んでしまって…
さぁ みんな私のもとから奪ってしまえ この大地も この歌さえも
(『がじゅまるの木の下で』)
こういう風な、曲調とかけはなれた詞も多い。
そして、このアルバムの中で圧倒的な存在感を放つのが、2曲目の『金網の向こう側』。
若き日のヨシミツの、アメリカへの憧れと反発、その矛盾した思いが爆発する。
青い空切り裂く 黒く光る羽根
ふたつにさけた ニライカナイの島
あこがれのあの歌たちも 金網の向こうから
アメリカを夢見た 星条旗の意味も知らずに…
アメリカはどこなのか? 少年はさまよう
文字で書くとこうなるが、ナビィの歌い方はこんな具合。


間奏では、アメリカ国歌が歪んだギターで引用されるが、かつてステージで演奏していた時には、それに合わせて星条旗を振り回し、足で踏みつけにしていたそうだ。
とにかく、この1曲だけでも十分に聴く価値がある。
寿公式サイトの中、このアルバムのページにある、ナビィとヨシミツがこのアルバムに寄せたメッセージがおもしろい。
特に、ナビィの書く文章は、いつも笑わせてくれる。
by ウナイ