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「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」

 (シリーズ)沖縄二紙より-- ネット等で行き交う虚報を正す(その3)

2016-09-06 | 沖縄

 日米地位協定によって、環境保全や騒音規制が全く形骸化している実態。

【誤解だらけの沖縄基地】(20)日米地位協定 騒音規制は形骸化
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/25406

 仲井真弘多前知事が辺野古の埋め立てを承認する直前の2013年11月29日、沖縄県環境生活部は新基地完成後の問題として、米軍に国内法が適用されず日本側が関与できない現状では適切な環境保全ができないことを明確に示した。
 辺野古の飛行場を使用する航空機の騒音など県側の懸念に関し、沖縄防衛局は「米軍に周知する」と対策を説明していた。これに対し、基地被害を受けながら住民生活より米軍の運用優先の歴史を知る県が「米軍任せでは不確実」と強く反論した格好だ。
 その不平等な状態を改善する一つとして、日米で合意したのが1996年の航空機騒音規制措置。嘉手納、普天間の両飛行場を対象に周辺の騒音被害を防ぐための規制措置を盛り込む。具体的には「学校や病院、住宅密集地の上空を避ける」「午後10時~午前6時の飛行は必要な場合を除き制限する」「日曜日や慰霊の日など特別に意義のある日の飛行を最小限にとどめる」といった内容だ。
 しかし、実際は夜間・早朝や住宅地上空の飛行は常態化している。

 住民らが損害賠償と飛行差し止めを求めた爆音訴訟で、裁判所が「騒音規制措置は形骸化している」と指摘したことがある。ただ、この種の裁判では「賠償は認めるが、差し止めは棄却」という判決が続く。
 つまり被害は認めるが、米軍は国内法の及ばない「第三者」なので日本政府に飛行差し止めの権限はないという「第三者行為論」を持ち出し、日米地位協定の下での司法の限界を示している。
 地位協定問題に取り組む新垣勉弁護士は「国内法が適用できるよう改定しなければ抜本的な解決はできない」と強調。米軍は自国では法を守って活動しても、支障はない。なぜ日本では平時でさえ自由に活動する権利を持つのか。「日本政府が対等な主権国家として基本的な要求すらしていないのが原因だ」(「沖縄基地」取材班)

【誤解だらけの沖縄基地】(21)日米地位協定 環境調査は米軍の裁量次第
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/25700

 2014年10月20日、 日米両政府が環境補足協定の締結に実質合意したことを発表。協定レベルで取り決めを追加するのは、1960年の日米地位協定の発効から初めて。運用改善で不十分な部分を継ぎ足してきた地位協定の「大きな転換点」(省幹部)とも言われた。 汚染事故や基地返還前の環境調査で、地元自治体に基地内立ち入り調査権を認めた補足協定はこの約1年後の’15年9月29日、正式締結。菅義偉官房長官は「歴史的意義」を強調した。だが実際は、県側が求めていた要望10項目で十分反映されたものは一つもない。
 例えば13年、キャンプ・ハンセン内の米軍HH60救難ヘリ墜落事故は、飲料用ダム近くにもかかわらず約7カ月間、米軍の許可が下りず現場調査に入れなかった。
 協定ができても基準は曖昧なまま。県などが協定に基づく調査を申請できる前提に「米側から通報があった場合」「米軍の運用を妨げない限り」の条件も付けられ、その「通報」基準も1997年の日米合意で「実質的な汚染が生ずる相当な蓋然(がいぜん)性」がある場合などと、実質的に米軍裁量に委ねられた。
 「沖縄が直面してきた問題を、日本政府が日米のテーブルに上げて解決しようとしたものには見えない」として「そもそも環境面の協定が必要だった理由は、環境や公共の安全を守るため。協定レベルの原則ができても、本来の目的を守れず、一つ一つの事例で実がとれないなら意味はない」と切り捨てた。 (「沖縄基地」取材班)

 (小川)

 


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