魯露西亜夢酔談

何でも話そう、ロシア状況のあれこれ
未来、芸術、多様な社会

日本良いとこ一度は行こう!

2006-04-03 11:45:08 | ニュース
状況と問題点を明確にさせるために、拙稿「人身取引対策計画」でのコメントバックを重複するが、一部加筆訂正の上掲載させていただく。

まず劣悪な労働状況とは、日本人にとってであって、彼女たちにとって必ずしも同じ状況を意味しません。コメントでも書かれた方があるように、来日して働けることは日本人には過酷な労働条件であっても、彼女たちにはジャパニズドリームであるとも言えるのです。

興行資格で来日し資格外活動(ホステス)をしていると言うことは、ホステス=人身売買の対象と言う図式では無いと言うことです。日本全国に数多ある飲食店で働く日本人ホステスさんが皆人身売買の対象であると述べたらえらいことですよね。外国人クラブで働くホステスさんも同じことです。であるが故に、ジャパニズドリームなのです。人身売買の対象にさせられてドリームになるわけがありません。日本に働きに来る彼女たちはこの辺の事情を情報として取り込み知悉しています、欧米諸国の夜のビジネスに従事するのと本質的に違うことを。再度述べさせてください、だからジャパニズドリームなのです。平均的な月給が200ドル程度のロシアを例にとるなら、半年間の滞在で3~4年分の現金を持ち帰ることが出来ます。しかも彼女らにとり、通常ならば絶対に貯蓄できるわけがない纏まった現金です。彼女たちには「日本良いとこ一度は行こう、食べ物うまいし、男は親切」!?

勿論彼女たちが100%人身売買の対象になっていないとはおもえません。資格外活動をする者の中にはホステス以外の職業に従事するものもいるでしょう、がしかし大多数は本質的にホステスという職業の範囲で労働しているものと思われます。2005年の人身取引の被害者は74名だそうですが(このあたりも不思議でなりません、「性的搾取のため売買される多数の女性や子どもの目的国」となぜ米国に名指しにされるのか?1名たりともよろしいわけではないことは勿論のことですが。)そのうち興行資格での被害者は44名だそうです。2005年の興行資格での来日者数は10万人です。表面化していない被害者が、相当数いるかもしれないとは推測でき得ることです。たがしかし・・・・・

どうしてこれが当局の言う興行資格=人身売買の対象になるのですか。しかも約30年にわたり延べ数百万人にこの資格を与え続けているのですよ。もし仮に、当局の言う興行資格者の「資格外活動」を当局自らが知らなかったと言うならば、その無能さゆえ当局の関係者全員が罪に値するでしょう。当局は長年にわたり、飲食業界に安価な労働者を提供する手助けをしてきたことにどんな言い訳があるのですか。この場合当局とは、興行資格を発給する外務省と興業資格による来日者を管理する法務省ですが。

ただ彼女たちが搾取されていることは、間違いありません。そして搾取されたその対価の一端が、送り出す側と受け入れる側の組織犯罪の資金源として流れていることもあり得るでしょう。

数百万人に長年に渡り職を得る道を与えておいて、それを自己の都合で断ち切るのだとしたら、これほど過酷な為政者は現代では他に類を見ないのではないでしょうか。問題はこのことにつきると思われるのですが。いかがわしさがあればそこにつけ込むのが組織犯罪の常套手段であることを考えても、考慮されるべきはまず正当な資格を与える道であり、それとともに労働条件の改善を図ることでなかろうかと思う次第です。


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4 コメント

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Unknown (KK)
2006-04-03 19:45:25
 この問題は、実際結婚をして奥の深さに驚いてます。確かに、外人パブは、手入れ(資格外労働摘発)として日本各地で猛威を振るい、国籍にかかわらず閉店を余儀なくされ、強制、自主帰国された方々も多く、同時に私達のような興行ビザでの出会いの招聘、結婚が難しくもなりました。

 確かに、どこの国でもいろいろな人がいるもんで、一概に良い悪いはいえないのですが、一般的な日本人の外国人労働者に対する認識=貧しい国からの出稼ぎ。しかし、米国、ヨーロッパならば=エリート?的な見方をしているような・・。

 特に外人パブに関しては、外パブ=売春に近い?印象は持たれていると思います。特に取り上げられる事の多いロシア・ルーマニアの外パブの看板や、HPなどは一般の人が見たら「まさに!」でしょう。

 現実は違うんですけどね・・。でも、それを目的に行くお客がいて、受けるタレントがいるのも事実。

 いまの政府の取り締まりは、的を得ず、日配(日本人配偶者ビザ)いわゆるイミ婚を流行らせ、これを資金源にする新たな業者もでているようで・・。

 そして、これらの行為がまたこれらの業界を悪い印象に・・・・。ますます悪化しそうです。

 是非はともかく、ジャパニーズドリームという、物質てきな問題だけでない、現状の祖国での憤りも感じます。

 両親が、自らバイトして無理して大学を卒業しても、一生懸命勉強して医者の資格をとっても、私立の病院に就職できればいいが、国立だと百貨店で働く店員とほとんど変わらない?給料。

 勉強しても資格を取っても、認められる、評価される給料を支払う職場が無い?

 基本的に一生懸命仕事しようがしまいが、変わらぬ給料・・・。はびこるマフィア・・移民の民族による治安悪化・・。

 そこからの逃避?もあるのでは・・・?

今さらにも思うんやけど、もし姫の住む祖国が、我々と変わらぬ経済環境だったら、姫は私に見向きもしないし、ましてや、日本にも来ていないと・・・。
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奥が深い問題 (lisenka)
2006-04-03 22:24:06
確かにこの問題は両方の側面から考える必要がありますよね。

一方は日本の問題、大きく考えれば日本が明治以来近代国家として成立させたきた社会が、成熟期を通り越したことに起因するのかもしれませんね。ある意味では衰退に向かつているわたしたちの社会、そのなかにエネルギーををつぎ込むには国際化して国家としてその活力を復活させるしか方法がないのかもしれないのですが。成熟した社会をもつ国家は皆この方法を取り入れて存続させようとしている。日本人が考える国際化とは、外に出て行くことであり、他国の人が日本にくることをあまり考えないみたいなのですが。少子化による人口の減少、この問題を考えてみてももはや日本人だけでの解決は難しかろうと思うのです。単純労働者の来日を拒もうとする政府の単純頭脳官僚たちには木を見て森を見ずのたとえ通り、日本という国家そのものが衰退の過程にあることがわからないらしい。高学歴と優れた技能の持ち主にはビザを与えるというならば、どれほどの人が日本という国がその人たちにとり魅力的と思えて、実際集まってくるのか、またその人たちが日本にエネルギーをどれほど与えてくれるか。社会が成熟すると必要なのは実は、単純労働者でありいろいろ問題があるのだけど実はこの人たちが一番活力とエネルギーをもたらす。確実にそうした国際化の課程を日本は歩まなければならないはずなのです。



さてもう一方は、他国のことは語れないのですが我々が愛するロシアの状況です。国民が豊かになると言うことは経済の繁栄によります。経済と政治の関係は丁度、馬と荷車の関係にたとえることが出来ます。馬が経済で荷車が政治です。ロシアが一度も繁栄したことがないのは実はこの国は伝統的に、荷車が馬を引こうとするからです。政治の手綱は必要なのですが、荷車はには決して馬は引けません。その意味ではプーチン大統領の経済戦略もまたロシアの伝統的な思考に沿ったものなのですが、ロシアの命運は彼がどれほど経済人にその戦略を任せられるかに尽きるでしょう。今後10年間でロシアは豊かな国になる可能性が大ですが、それもこれもプーチン大統領にかかっているといえますね。ロシアはいい時期にいい指導者を持ったと思います、可能性がものすごくありますね。希望が日本にあるというなら皆来てもらえばいい、今のうちだけかもしれない。来てもらって子孫をたくさん作るといい、それは日本の子孫でありロシアの子孫でもあるのだから、彼らが大いなるエネルギーをもたらしてくれるに違いない。
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Unknown (KK)
2006-04-04 14:04:08
>>日本人が考える国際化とは、外に出て行くことであり、他国の人が日本にくることをあまり考えないみたいなのですが。

全く・・・その通りなんでしょうね・・。私も中国での工場云々で(って言っても極小の規模)銀行やコンサルタントで話を進めそれなりに勉強したのですが(結局諦めましたが)島国貧資源日本としての国際化は、安い賃金で他国で生産、他国で販売利潤稼ぎ、いいものだけを日本に・・・と言う国際化。狭くて物価の高い国内で安い外国人労働者を制約の中で雇用するより海外の方が明らかに有利・・・・。悪く言えば汚すのも海外?利潤を上げるのも海外で日本は住みよく安全に?利に適っているのか?それ以外仕方が無いのか・・・。

近隣の滋賀県のブラジル地区での話し。大手の工場主の話では、日本での外国人労働者の活用はあくまで組み立て(海外で部品の生産輸入 日本で組み立て)日本で原材料を輸入して公害回避の多額の費用を使って高い土地での生産はナンセンス!だそうだ。

 国の政策だけでは無いような・・・。

そう考えると(って、何の知識も無いのですが)ロシアなどは豊富な資源、広大な土地、冬のマイナスを考えてもビジネスチャンスがいくらでありそうな・・。

海外より内部雇用需要がいくらでもありそうなものなのに(全くな無知ですが・・)

 でも、両親に頼まれた車を輸出する時の法律の不安定さにびっくり、銀行の金利など・・(サラ金並)、驚くばかり・・。その反面姫の兄は外資系の石油会社で今サハリンで、年齢のわりにはびっくりするような高額所得者で、その待遇にもびっくり。マンションの高騰、投資でのバブリ~?な話・・。ほんまかいな?と別世界。

 今姫の両親は年内中にサンクトに引越しを。なんでも地方都市ではロシアの発展の恩恵は被れないとの事。姫の帰国も遠くなりそうです・・・。

>>それは日本の子孫でありロシアの子孫でもあるのだから、彼らが大いなるエネルギーをもたらしてくれるに違いない。

 そうですね。責任持って取り組みたい!っと・・毎日喧嘩に?明け暮れてます。





 
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外国人労働者の問題 (カーター)
2006-04-09 17:41:51
確かに日本では必ずしもホステス=人身売買の対象でないことには賛成です。

しかし、この話は、結局のところ外国人労働者をどのように日本に受け入れていくのかということになると思います。

現時点では、単純労働者にビザを出さないという姿勢に賛成です。

ヨーロッパの状況を見ても、移民の増加によって外国人の多い地域ができると、教育水準の低下につながり、治安悪化につながる可能性が高いことは最近のニュースで知られているとおりです。アメリカではなくヨーロッパを例挙げたのは、移民が集まってできたアメリカより、地域の文化が発展して国家が形成されたヨーロッパの方が日本の状況にまだ近いと思うからです。

現在の国際化の中で、日本人が海外に出て行く第一段階と、気がついたら外国人が近所にいるという第二段階があると思いますが、今は第二段階の途中にあると思います。

しかし、まだ社会に外国人を受け入れる気持ちがないのと、どのように外国人を日本のシステムに受け入れていくかの制度の準備ができていないと思います。

単純労働者の受け入れは、このような社会や法律制度についての準備を行ってからするべきことだと思います。そうでなければ、社会に混乱をもたらすだけでしょう。
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