ロシア映画「ドニェヴノーイ・ダゾール
Дневной Дозор」が、売れに売れている。オフィシャルサイトによると、
観客動員数7,268,625人、興行収入32,655,736ドルが記録されたと言う。
しかしこの映画、今年の正月興行映画なんだよ。国営第一チャネル ПЕРВЫЙ
КАНАЛの今日のニュースでも見たけど、シベリアのノボ・シビルスク Нобо Сибирск
での話だが、そこの一映画館でのお正月の一週間の興行収入が、 17万ドルを記録したとある。が、全体の数字はにわかには、
信じがたい数字なんだけど、とにかくすごいね。ちなみに、ロシアでの映画興行収入のとして、「ターミネーター3」が1,280万ドル、
「トロヤ」が1,230万ドル、「マトリックス リボリューション」が1,200万ドルだそうだ。
前作「ノチノイ・
ダゾール Ночной Дозор」に引き続き、
監督、キャストも同じ陣容となっています。前作「ノチノイ・
ダゾール Ночной Дозор」では、
昼の世界と夜の世界の両陣営が、それぞれが擁するスーパーパワーを持つ人たちを中心に、数百年に渡り戦い続けるのだが決着がつかない。
和平の協定が結ばれるのだが、夜の世界から紛争を仕掛けられ、協定は破られてしまう。そこで、昼の世界のスパーパワーたちがナイト・
パトロールを結集し、対抗する。これが前作の粗筋なのですが、興味深いことはハリウッド映画の勧善懲悪ものとは異質の思考が、
映画という表現方法を通して見られることです。”善と悪、昼と夜、白と黒”とは弁証法的に考えるならば、両者がときに等価値を持つのであり、
一方的な存在のみはあり得ない。そこは、唯物弁証法に長い歴史を持つお国柄故、その思考が映画の中にも随所に反映されているのだが、
追求の仕方が今ひとつ物足りなかった。映画「トレッキーガンビート
Турецкий гамбит」の公開時、国営第一チャネル ПЕРВЫЙ
КАНАЛが、宣伝で「これがロシアのハリウッドに対する答えだ」と息巻いていたけど、
ハリウッド映画の勧善懲悪にもっと徹底して反旗を翻しても良かったのでは。 「ノチノイ・
ダゾール Ночной Дозор」の後に、監督、
キャスト、筋立てもほぼ一緒のパローディ版「ノチノイ・バザール
Ночной базар」
が存在するのだが、この作品の方が、その意味では、アイオロニーが効いていてより面白かった。
ともあれ、前作でのナイト・パトロールをデイ・パトロールとして登場させ、再び戦いを繰りひろげるこの最新作は、いかがであろうか。
上のイメージは「ノチノイ・
バザール」から。ちなみに、ロシアでは国営テレビ局が民間の映画制作に参加している。 NHKが日本映画制作に参加するとは、
ちょっと想像もつかないがいっそ、法的制約は抜きにしても、そのぐらいの飛躍があれば料金徴収問題にも展望が開けるかもしれないと、
思ってみたりするが。
監督:ТИМУР
БЕКМАМБЕТОВ
(ティムール・ベクマンベトフ)
監督作品
1994 ПЕШАВАРСКИЙ ВАЛЬС
2000 ГЛАДИАТРИКС
2002 ГАЗ ? РУССКИЕ МАШИНЫ
2004 НОЧНОЙ ДОЗОР
主演:КОНСТАНТИН
ХАБЕНСКИЙ (コンスタンティン・
ハベンスキー)
出演作品
(1998
ЖЕНСКАЯ СОБСТВЕННОСТЬ)
(1998
ХРУСТАЛЕВ, МАШИНУ!)
(1999
ПОКЛОННИК)
(1999
УБОЙНАЯ СИЛА
)
(2000-2001
УБОЙНАЯ ИЛА 2)
(2000
ИМПЕРИЯ ПОД УДАРОМ)
(2001
МЕХАНИЧЕСКАЯ СЮИТА)
(2001-2002
УБОЙНАЯ СИЛА 3)
(2002 В
ДВИЖЕНИИ)
(2002
УБОЙНАЯ СИЛА )
(2003
УБОЙНАЯ СИЛА 5)
(2004
ЖЕНСКИЙ РОМАН)
(2004
НОЧНОЙ ДОЗОР)
(2005
СТАТСКИЙ СОВЕТНИК)
(2005
УБОЙНАЯ СИЛА 6. Мыс ДОБРОЙ НАДЕЖДЫ ,2005
ЕСЕНИН)
「ドニェヴノーイ・ダゾール 」
フィルムから
この作品はビデオ化されたなら、
日本語版も出るに違いないと考えているのですが、みんなで期待しましょう。ロシア語がわからない方も、
最近のロシア映画はコンピューターグラフィックを駆使したカメラワークや、
映像の美しさに優れたものがありますので機会がありましたら、ぜひご覧ください。