まず劣悪な労働状況とは、日本人にとってであって、彼女たちにとって必ずしも同じ状況を意味しません。コメントでも書かれた方があるように、来日して働けることは日本人には過酷な労働条件であっても、彼女たちにはジャパニズドリームであるとも言えるのです。
興行資格で来日し資格外活動(ホステス)をしていると言うことは、ホステス=人身売買の対象と言う図式では無いと言うことです。日本全国に数多ある飲食店で働く日本人ホステスさんが皆人身売買の対象であると述べたらえらいことですよね。外国人クラブで働くホステスさんも同じことです。であるが故に、ジャパニズドリームなのです。人身売買の対象にさせられてドリームになるわけがありません。日本に働きに来る彼女たちはこの辺の事情を情報として取り込み知悉しています、欧米諸国の夜のビジネスに従事するのと本質的に違うことを。再度述べさせてください、だからジャパニズドリームなのです。平均的な月給が200ドル程度のロシアを例にとるなら、半年間の滞在で3~4年分の現金を持ち帰ることが出来ます。しかも彼女らにとり、通常ならば絶対に貯蓄できるわけがない纏まった現金です。彼女たちには「日本良いとこ一度は行こう、食べ物うまいし、男は親切」!?
勿論彼女たちが100%人身売買の対象になっていないとはおもえません。資格外活動をする者の中にはホステス以外の職業に従事するものもいるでしょう、がしかし大多数は本質的にホステスという職業の範囲で労働しているものと思われます。2005年の人身取引の被害者は74名だそうですが(このあたりも不思議でなりません、「性的搾取のため売買される多数の女性や子どもの目的国」となぜ米国に名指しにされるのか?1名たりともよろしいわけではないことは勿論のことですが。)そのうち興行資格での被害者は44名だそうです。2005年の興行資格での来日者数は10万人です。表面化していない被害者が、相当数いるかもしれないとは推測でき得ることです。たがしかし・・・・・
どうしてこれが当局の言う興行資格=人身売買の対象になるのですか。しかも約30年にわたり延べ数百万人にこの資格を与え続けているのですよ。もし仮に、当局の言う興行資格者の「資格外活動」を当局自らが知らなかったと言うならば、その無能さゆえ当局の関係者全員が罪に値するでしょう。当局は長年にわたり、飲食業界に安価な労働者を提供する手助けをしてきたことにどんな言い訳があるのですか。この場合当局とは、興行資格を発給する外務省と興業資格による来日者を管理する法務省ですが。
ただ彼女たちが搾取されていることは、間違いありません。そして搾取されたその対価の一端が、送り出す側と受け入れる側の組織犯罪の資金源として流れていることもあり得るでしょう。
数百万人に長年に渡り職を得る道を与えておいて、それを自己の都合で断ち切るのだとしたら、これほど過酷な為政者は現代では他に類を見ないのではないでしょうか。問題はこのことにつきると思われるのですが。いかがわしさがあればそこにつけ込むのが組織犯罪の常套手段であることを考えても、考慮されるべきはまず正当な資格を与える道であり、それとともに労働条件の改善を図ることでなかろうかと思う次第です。