魯露西亜夢酔談

何でも話そう、ロシア状況のあれこれ
未来、芸術、多様な社会

キエフのアンナ

2006-01-28 12:45:56 | 政治と経済

アンナのパパが依然として海外出張中なので、天然ガス問題の取材が出来ないのだけど、この件を彼女に少し聞いてみた。彼女はウクライナのテレビ局、にお勤めしている。                   

天然ガス問題で怒るプーチン?面白い画像、RIA Novosti からhttp://en.rian.ru/russia/20051231/42809726.html

彼女の意見は、「天然ガス問題でロシアとアメリカを巻き込んで、親露派と親米派の両陣営の利権争いを、政争の道具にしている。」とのことだった。「この問題は、国の経済の問題をウクライナ、ロシア間で政治的に協議することが本筋のはず。」、と言う。そして、その政治について、

「この国の政治家たちは、政治をわかっていないのよ。社会の根幹をなす、経済を考えるのが官僚であり政治家でしょう。本来は国の経済問題は政治の重要な役割の一つであるはず。どちらの側もウクライナの経済、国民のことを考えているわけではないのよ。彼らが経済問題を政治的に考えるとは、自分たちの利権をどう肥やすかということ。」と、て厳しいアンナ。

「大統領、盟友だったティモシェンコ前首相、そして大統領選挙を争ったヤヌコビッチとの相関図はどういうことなの?」

「そもそも、ロスウクルエネルゴ社の株主に、マフィアが関与しているというニュースが流れたけど、誰がマフィアというのか、わたしたち皆知ってる。2004年にこの会社が設立された時に、ティモシェンコは外されてしまったのよ、分け前に与れなかった、あるいは不十分だったのね。彼がごたごたの引き金を引いたことは、間違いないわね。九月に首相を解任され、今はロシアがバックのヤヌコビッチのお友達。この国の人々を支配する原理は、”わたしに何の得があるのか”  なのよ。欲しがる者と、それを与えることが出来る者双方に転がり込む利益がなければ、ものごとは成立しないのね。政治的には、そもそもロシアの仕掛けた罠に、ユーシェンコがどっぷり嵌ってるてことかな。」

「ユーシェンコは、今さまざまに揺さぶられてるけど最近、彼の息子がマスコミで話題だよ。たいした会社じゃないところで働いている二十才のこの息子の金回りの良さ、すごいよ。高級車を何台も乗り回して、毎晩ナイトクラブ、ディスコ通いだよ。わたし彼のこと直接知ってるけど、一晩に何本も600ドルのドンペリを飲むのよ。そんなお金どこからくるのよ、異常とはこのことなんだけど。」

「大統領にマスコミが追求しないの?」

「この国ではそのくらいではスキャンダルに値しないようね、大統領がマスコミに話してたけど、” 若いんだから多少の愚行があってもしょうがない、非難するのではなく正しい方向に導いてあげることが必要だ。” と言うんだよ。もっともな話ではあるけど、正しい方向に導く必要があるのは息子じゃなくて、大統領じゃないかしら。」

「アンナは誰が、ウクライナの指導者としてふさわしいと思うの?ヤヌコビッチ?」

「彼はマフィアそのものよ、”わたしに何の得があるのか” をいかに機能させるか良く知悉している人間で、政治的なヒエラルキーを駆け上ってきた人間だわ。わたしは誰も支持したくないし、投票したくない、この国にはそれに値する政治家がいないわね。」

「ウーン、希望を失った人々の国家は頽廃し、衰退するわよ。あなたのような女性こそが人々の指導者となり、お国の初代の女性大統領となったらいかが?」

「そういう時がくるといいね、そうしたら日本には特別優しくしてあげる。日本人男性がウクライナに移住するための特別優遇措置を立法化して。」

「えっ! どうして男性なの?」

「あら、この国の様々な問題の原因は、そもそも男が甘えているからで、なぜそうかと言うと、国民の男女比率が4:6で男が少なくて、さらに、さらにその男のうち、10%はホモなんだから。まともな男は貴重な存在、女がチヤホヤするからわがまま放題で、いい男 Хороший мужчина が育たないのよ。」

「?????」と、わたし。でもウクライナの男女比率がそんなに違うのなら興味がある、チェック入れてみよう。


ロシアのポップミュージック

2006-01-26 14:51:01 | 音楽と絵画

今日はポップミュージックのお話です。

わたしの家では、ママとパパがロシアンポップのファン。兄が和製ポップ好きみたい、と言うか学校で話題について行くためかもしれない。 パパは熱強的なロシアンポップのフアン、CDコレクションが数百枚はあるかしら。お気に入りのアーティストを、 「こんなにいいアーティストなのに誰も知らない、日本にプロデュースしたいな。」が、口癖。だいたいパパに言わせると、 和製ポップはジャリポップで聞くに堪えないそうだ。

今日紹介するのは、パパもママもお薦めするイゴール・ニコラエフ Игорь Николаев。 1960年にサハリン生まれる、とあるから現在46才。チャイコフスキーモスクワ音楽大学 (Violin classes, Musical college at the Chaicovsky Moscow  Conservatory )でバイオリンを専攻、1980年代からミュージシャンとして活動を始めました。 彼は作曲家としても正規の教育を受けていて( Moscow Institute of Culture, variety performance department, classes of composer Igor Bryl )、 多数のアーティストのヒット曲を彼が手がけています。

彼のオフイシャルサイト http://www.igornikolaev.ru/ です。 興味のある方はどうぞ、英語メニューもあります。

2002年にリーリースされたアルバムタイトル、 「Прости и Отпусти 」 はアルバムとしての完成度も非常に高く、お薦めです。ママに言わせると、彼のロシア語の発音はすばらしく明瞭かつきれいで、 彼自身よくトレーニングを積んだ結果だそうです。ロシア語を学習する際の良いお手本になるとのことです。 このアルバムの曲の有料ダウンロードはこちらhttp://www.mp3search.ru/album.html?id=5037

「そうだろう、おれにも良く聴き取れるもの、彼の歌は。」と、パパです。CDを聞いて、曲中のフレーズが聞き取れず、 いつもママに聞いてはうるさがられているパパですが。これは正確な話ではないのですが、ロシア語は42の異なった音で、 それに対して日本語は12の音で構成されていると聞いたことがあります。確かに日本人には、ロシア語の聞き取りは非常に難しいようです。 反対にロシア人には日本語の聞き取りは非常に簡単、話し言葉そのものは短期間でマスターできるようです。耳が良い、 という言葉が日本語にありますが、ロシア人は総じて耳が良い??

二番目はディスコテカ・アバリヤ Дискотека Авария のCD 「 Небо 」、 2003年のリーリース、大ヒットした曲「ニエーボ」 をフューチャリングしたシングルカットCD です。 このヒップホップジャンルのユニットは1999年にリリースされたアルバム「 Марафон 」 中の曲「 Песня Снегуроуки 」  がロシアでヒット (酔ったサンタがラップする言葉が面白く大うけ、日本人にはわからないのが残念)その後 「 Небо 」  で大ブレーク、自己のジャンルを超えた 音楽性に注目度が高まっています。                               

「ニエーボ」は、わたしの大好きな曲、気宇壮大な気分になること請け合いのお薦めアルバムです。このCD中、 ロックシンガーのモラルニーМоральный  と競演した3曲目の Моральный Кодекс "Первый Снег"と、 4曲目のМоральный Кодекс "Небо" が、またすてきです。 ごく雑な把握の仕方ですが、ロシアのポップミュージックはヨーロッパに深く影響を受けていて、 ロックやディスコティツクミュージックも例外はなく、このアルバムをを聞いてみてもその一端がわかります。ですがここ数年はロシア発信の、 ロシアそしてヨーロッパと言うローカルから、その独自性を保ちながも普遍性をおび、世界に流布するまでにヒットしているアーティストが、 いくつかあるのですが、彼らもその代表で単なる物まねの領域は完全に超えていると思います。 日本人の感性にも必ず通じるものがあると思いますので、ぜひみなさんに聞いて欲しいものの一つです。

オフイシャルサイトはこちらhttp://www.avariya.ru/

このサイトでは、主要なアルバムの一部の楽曲がフリーでダウンロードできる。「 Небо 」 もダウンできるよ、でもどうして?。オフィシャルサイトでしょう、教えてママ、何故オフィシャルサイトでフリーでフルダウンロードできるの?  「おかしいね、自分たちのお金みんなにあげてるのと同じでしょう。でも、ロシアでは、他のミュージシャンのサイトでも時々見かけるよ。 ロシア人だからね!」と、ママ。「????」と再び、わたし。パパに聞いてみるか、この件は.....

フルアルバムの楽曲のダウンロードは有料のhttp://www.mp3search.ru/artist.html?id=1075のサイトでどうぞ。

以降、随時ロシアンポップについて紹介記事を書いて行きたいと思っています。なんと言ってもこの分野は、パパの得意分野、 広く情報を聞き出せるはず、お願いねパパ!


寒波!

2006-01-24 00:25:28 | ロシア

ロシアとウクライナの天然ガスをめぐる問題について、追記したいのだが、アンナのパパが海外出張でお話できない。その後違うソースからの情報もあるのだ、がまとめて記載したいと思っています。

とにかくキエフのアンナとはお話できたのだけど、話題はもっぱら寒さのこと。4日間外に出ていないとのこと、もちろん寒さ故。 建物全体の暖房とは別に、電気ヒータで部屋を暖めて+15度だそうだ。キッチンで煮炊きをして暖をとって、+20度になるそうです。

「モスクワの最低温度が南極のペンギンが住むところと同じだったのよ!」とは、アンナ。「ほんとなの、ちょつと信じられないな、いくらモスクワでもさ。」と、わたし。

お友達の誕生パーティに招待されていて、出がけにタクシーを呼んで待てども来ず、1時間後に「2倍の料金を支払うならすぐ配車するけど、どうする?」と、言われ外出をやめたとのこと。

「マイナス30度での誕生パーティか、想像つかないな、やっぱり行くのは面倒ね。何があるかわからないものね!」と、わたし。

そういえば、ロシアの地方都市での話だけど20人ぐらいの乗客を乗せたマイクロバスが川に水没して、6人とかの死者がでたニュースをモスクワのチャネル ワンで見た。一見、ありそうな災難のニュースなのだが、渋滞をさけるため、橋を渡らず氷ついた川を渡ったために起きたアクシデントが珍奇。専門家がレポータに答えていたが、25cm以上の厚さがあれば、重量に耐えた、とのこと。

信じられない、やっぱりこれってロシア?

Posted by Lisenka 


兄なのだ!

2006-01-19 19:01:48 | ロシア
今日はわたしの兄の紹介。

ロシア語でブラトБрат、もっともこれは兄弟の意味で、兄または弟の両方なんだよ。

ブラトと言えば、「БРАТ」という、セルゲイ・ボドロフ СЕРГЕЙ БОДРОВ 主演のすごく面白いロシアのアクション映画がある。内面のナイーブさがにじみ出た演技をする、いい俳優だったが残念なことに、一昨年だと思うがシリーズの第三作の撮影中に雪崩に巻き込まれ、撮影スタッフ共々亡くなってしまった。ちなみに彼のパパは、同姓同名のロシアで知られた映画監督。

で、わたしの兄のコンスタンティン、愛称コスチャまたはコーチンカのことだけど。とってもハンサムでしょう!
ときどきモデル エージェントからスカートされるみたいなんだけど、パパがその手の話は一切だめと、お断りしているみたい。勉強が今の兄には必要なんだって。

日本の小学校とロシア大使館内のロシアの小学校の両方に通っているので、勉強が大変らしい。遊ぶ時間も少なく、かわいそうだね。おかげでわたしも、ごく幼い頃からゼニマテシアЗАНИМАТЬСЯ(勉強する、学ぶ)という言葉を覚えたよ、ママがよく兄にしかっていたからね。

「コスチャは何してるの?」と、パパ。
「コスチャ、ゼニマテシア」と、わたし。

なんでも情操教育は、両親と一緒に育つことが不可欠で、それも10才ぐらいまでに人格形成に組み込まれてしまうらしい。と、言うことで、かわいそうな兄は日本で基礎教育を終えた後、ロシアのオバーチャンのところからロシアの学校に通う予定らしい。兄については色々面白いお話があるけど、おいおい話すね。


またね、明日は保育園の父兄参観日だから、色々身支度して早寝しなくちゃ
Posted by Lisenka

ウクライナの政局、混迷続く

2006-01-17 21:54:36 | ロシア
今日はかたい話から、

今年に入って日本の各紙が度々、ロシアのウクライナに対する天然ガス契約をめぐるニュースを取り上げていた。

旧ソ連邦国家に対するロシアの政治的影響力の浸透策の一環として、エネルギー政策を梃子にしていると言うのが、一般的な見方であった。

露ガスプロムとウクライナ・ナフトガスが新天然ガス価格制度で合意=供給再開へ

「AP通信によると、ロシアの天然ガス独占供給企業ガスプロムと、ウクライナの国営天然ガス企業ナフトガスは4日、ガスプロムが仲介会社に1000立方メートル当たり230ドルで販売、ウクライナが同仲介会社から同95ドルで購入するという新価格制度でガス供給を再開することで合意した。ガスプロムとナフトガスが、モスクワで協議後、合同記者会見で発表した。仲介会社ロスクレネルゴ(Rosukrenergo)は、トルクメニスタンからもガスを輸入しているため、安価でナフトガスに販売することができる。」

これが4日のAPからのニュースだった。

ウクライナが政局混乱に陥った。ロシアとの天然ガス輸入契約が「国益に反す」として最高会議(国会)が十日にエハヌロフ内閣を解任。ユーシェンコ大統領は「国家の不安定化を狙った動きだ」と反発しているが、政府機能は事実上、マヒした。三月の議会選挙をにらむ親ロ派のゆさぶりを受け、親欧米派は窮地に立たされている。------記事:12日、日経朝刊 モスクワ吉川英治記者

この二つの記事の間には、二重三重に交錯した政治的な策謀が潜んでいるようだ。何がウクライナの国益なのか、そしてまたロシアの意図するところは何処にあるのか。わたしのお友達の、キエフのアンナのパパに聞いてみよう。アンナのパパはヤヌコビッチ元首相派の某国駐在の元ウクライナ大使。ユーシェンコ大統領の出現であっさり外務省を追い出された。次回は興味ある話が披露できるかもしれない。

posted by lisenka

始まりです!

2006-01-16 14:39:20 | ロシア
今日から始めたわたしのブログ。わたしの紹介写真、これはパパのお気に入り。ハラショ ポパはすてきなおしりのこと、ロシア語です。イチゴオレで酔うわたしは何でも言いたい放題。得意なジャンルは芸術。わたしの見る夢については、次に話ましょう。