魯露西亜夢酔談

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いらだつロシア

2006-04-21 00:17:23 | ロシア

ロシアがWTO加盟をめぐって、いらだちを深めている。

今年はロシアが主要国首脳会議サミットの議長国なのだが、昨年中のWTO加盟を断念、今春までの加盟を新たな目標としていた。サミットでの非加盟国はロシアのみで、そのことに対するこだわりもあろうしまた、何かと対抗意識がある中国が、2001年に加盟していることのこだわりもあろう。

WTOの加盟は、加盟申請後の全加盟国との多国間協議が必要なのだが、それと同時に加盟国のうち事前交渉を望む国と、市場の開放についての2国間協議もまとめる必要がある。つまり2国間協議がまとまれば必然的に多国間協議に、問題がなくなると言うことだ。現在、日本を含めてEUなど約30カ国との2国間交渉は妥結している。問題は米国との交渉が難航していることだ。

このWTO加盟という切り口で眺めてみると、ウクライナとの「天然ガス問題」そして今月に入りグルジアとモルドバを相手に起こした「ワイン紛争」が一連のからみがあることがわかるし、ロシアから見るとその陰で糸を引いているのは米国と言うことか。

その米国がまた、えらく強腰だ。米国が問題としているのは、ロシアの高い航空・自動車の輸入関税そして、遅れている金融市場開放なのだがさらに、今年三月に著作権保護の強化措置や米国産肉製品の関税引き下げなど加盟に必要な条件として、新たに十項目をロシア政府に突きつけてきた。

米議会でも、イランの核開発問題をめぐるロシアのイラン寄りの立場や、ロシア国内でのマスコミ統制、非政府組織(NGO)の活動制限などを、WTO加盟の「障害」として指摘している。プーチン大統領は政治面での対立点まで、加盟の否定材料とされることに強く反発、「米国は故意にロシアの加盟を引き延ばそうとしている」とブッシュ政権を批判している。

十三日のモスクワ・タイムズによると、米国がロシアのWTO加盟を認めなかった場合、ロシア北部バレンツ海のシュトクマン天然ガス田開発事業に参加する予定の米企業を外すとの「シグナル」をロシア当局者は最近、米側に伝えたという。

露米間の政治、経済関係が冷えて行こうとしている。それとも大国主義を再び目指すプーチン大統領のパワーゲームなのか。それにしても今年中のWTO加盟の実現は混沌としている。


ロシアンの徴兵制度

2006-04-07 10:04:53 | ロシア

ロシアの徴兵制度 Обязательная воинскя повинность が大きく変わろうとしている。

ロシアでは18歳から27歳の男子市民が2年間の兵役義務を負う。1993年の憲法で軍務以外の代替勤労奉仕が認めらたのだが、長年法制化されないままだった。現在では3年6ヶ月の病院、介護施設、清掃などの代替勤労奉仕が認められている。健康不良者、家族扶養の必要があると認められた者、特定の大学で学ぶ者などが 兵役猶予対象とされている。共産政権時代から徴兵制度は一貫して、軍の社会的、政治的影響力のよりどころであった。全国に配置された徴兵司令官事務所により、政府・軍は国民を掌握していたとも言える。2001年にプーチン大統領は降格人事をしてまで、側近中の側近、国家安全会議書記のセルゲイ・ボリソビッチ・イワノフを国防相に据えて軍改革に着手した。

 イワノフ国防相

ロシア連邦軍は正規軍約103.7万人と準軍隊約41.5万人(国境警備隊約16万人、内務省軍約17万人など)で構成されているのだが、イワノフ国防相の推進する少数精鋭機動軍構想をうけて徴兵制廃止、志願制軍隊への移行が始まっている。現在は徴兵制と志願兵制とを併用している。現在の徴兵人数はおおよそ17万人前後と推定される。

3月31日のRFE/RL Newslineによると、イワノフ国防相は、2008年には軍の70パーセントが、現在の徴兵制から 志願兵制になると記者会見で語っている。これによると、すでに6万人の契約志願兵・下士官が現役についており、 2006年には2万5千人があらたに加わる見通しだ。

次稿ではこの稿で述べた意味を、さらに突っ込んで解説してみたいと思う。


ロシア大統領の政治権力

2006-03-31 22:12:07 | ロシア

3月11日の日経新聞朝刊に「ロシア、製造業も国家主導」と言う記事があった。

プーチン政権主導による、国営ガスプロムによるロスネフの吸収合併および、その後のユーコス子会社シブネフチの買収というエネルギー産業の再編を経て、再び政権主導のもと主要産業の管理を強化しようとしている。ソ連崩壊による混乱の中で民営化され、弱体化していた主要産業に対する国の統制を取り戻し、産業振興を図るというプーチン政権の戦略だ。

戦略産業として、宇宙開発、原子力、軍事、航空機、自動車産業等が含まれる。戦略産業中39の産業に対する外資参入を制限(自動車は除く)したのだが、特筆すべきはプーチン大統領が直接、外国企業の投資を承認する制度を設けるとすることの言及だ。

この国のプーチン大統領に対する権力の集中が進んでいる。プーチン大統領は2000年5月、大統領令を発令し連邦構成主体を7つの連邦管区に分けて、連邦管区大統領全権代表職を設け、連邦管区大統領全権代表に構成主体政府の監督と職務の調整を委任した。それぞれの管区の全権代表は、大統領により任命される。さらに2004年12月12日、プーチン大統領は知事など地方の首長を、事実上大統領の任命制にするという法律に署名し、屋上屋を重ねる形で行政の中央集権化を実行している。元来この国は地方政治が藩閥政治に近い形で運営されてきた長い歴史がある。広大な領土の政治と経済の一人の人間による直接統治は、皇帝統治の時代 Цаствование でもソ連共産政権時代でもなしえなかったことです。

勿論わたしはここで、権力の集中=独裁=非民主的=悪いことと、言うような平たい見地をしているわけではありません。むしろ近代国家の歴史の中でも類を見ないほど、政治と経済の権力集中を自己に向けつつあるプーチン大統領の意図が、この国に存在する様々な弊風、弊害、弊習の打破であることが痛いほど伝わってきます。我が国のように全てが公官庁という目に見えない主体に掌握、主導されるシステムと違い、個人という良くも悪くも明確な権力の主体がそこに存在すると言うことです。好調な経済を背景に社会改革を進めようとするプーチン大統領ですが、今世紀でももっとも賢明な政治家として歴史に名を残すか否か、その試金石の一つは大統領の再任問題であろうか。統治が成功して、法律を改正再々選を考えるに至るならば、その道は独裁者の道に続くのかもしれない。権力は金をもたらし、金は腐敗をもたらす。

ともあれ、恵まれた経済環境とプーチン大統領という指導者を抱いたロシアの今後10年に目が離せない。ロシア経済を分析してみると、大化けしそうなロシア株がごろごろあるのも事実だ。今後それらにも、おりにつれ触れてみたいと考えています。


ザックス

2006-03-13 20:02:49 | ロシア

ロシアもしくはロシア人となんらかの関係がある方は、ザックスЗАГСオヴィールОВИРと言ったお役所の名前を、耳にしたことがおありでしょう。

最近このザックスЗАГС ( Записей Актов Гражданского Состояния ) について必要があり、あれこれ調べた。この役所、英語圏では Registration Office と翻訳表記してるみたいで、なにやら自動車の登録事務所みたいな気もするし、これをまた日本語訳にすると登記所で、これだと不動産の登記事務所みたい。直訳すると「公民資格の証明・登記所」になるかな。

実際何をする役所かというと、ロシア市民の「誕生、結婚、離婚、死亡」を記録、管理、証明する役所です。そう言えば「谷間に三つの鐘が鳴る」という古い歌がありましたね、あれはアメリカの歌でしたっけ?とにかく、ロシアの各市町村に必ずこの事務所がある。州 Област、地方 Край 、都市 Город、区 Район、とそれぞれの管轄を担っている。

何が問題かというと、この役所いったい何処の省に所属するのと言う疑問だった。ロシア市民に関してはロシア連邦法で規定されているのだが、連邦法を読み返してもその管掌事項を見つけることが出来ない。常識的に考えて、内務省か司法省であろうと推測できるのだが。ロシアのサイトを、公官庁を含めて総ざらいしたがこれが一筋縄でいきません、見つけることが出来ませんでした。在日ロシア大使館に電話して、二十分ぐらい話し合ってみた(館内、館外と色々電話して調べてくれた)が、結局彼らも確認出来ませんでした。ロシア本国に電話する時間帯ではなかったので、次善の策として在京のタス通信に電話して教えを請いました。記者が「ザックスは内務省に所属していることは間違いない、内務省内にその所属部署が無いと思う、大臣直接の管掌であろう」と言う。その典拠を尋ねたのだが、親切にも調べてくれるとのことで、現時点でははっきりしません。

その点、日本では法律で明快に規定されていますね。日本で言えば法務省法務局であろうか。昭和22年に施行された戸籍法の総則で「戸籍に関する事務は、市町村長がこれを管掌する」それは「法定受託事務」であり、「法務大臣は、市町村長が戸籍事務を処理するに当たりよるべき基準を定めることができる」と規定している。この総則で興味があるのは戸籍に関して地方自治体に事務をゆだねるが、指揮権限は所轄法務局にありますよと規定しているところ。法務局と言えば、法人や不動産の登記をするところと普段考えていたけど、至極当然と言えば当然、人権を守るところでもありますね。

ちなみに「ザックスそれザックス」と言うのが、ママの答え。飛躍した返答なので翻訳すると、ある省内にしかるべく部局ががあるのではなくザックス自体を誰かが指揮しているのだ、つまり大臣かもしれないし大統領かもしれないと言うことらしい、タスの記者と同意見だ。日本人には奇異に思えるかもしれないが、案外それが正解かもしれない。だがしかし、連邦には89の連邦構成主体があるのだから、それを統括部署もなく指揮するの?と再疑問。これもまた日本人的思考でありましょうか??


ロシア人の暮らし その3

2006-03-10 13:07:00 | ロシア

ソーブルСОБР (Спеч Отряг Выстрого Реагирования)内務省組織犯罪総局の緊急対応特別支隊に勤務する、親戚(母の従兄弟、つまりわたしの叔父にあたる)の話の続きです。

州都であるロシアでも五本の指に入る大都市に駐留する部隊勤務が、彼の日常生活です。組織犯罪に対応するために、ソーブルはロシアの主要な都市に配置されています。組織犯罪に対する彼らの活動はメディアで、たびたび報道されていたのですが、日本では考えられないほど強烈なものでした。

跋扈する組織犯罪者(ロシアン・マフィア)を沈静化すべく、プーティン大統領の命で組織されたこの特殊部隊、ひとたび出動となれば抵抗する犯罪者たちの投降さえ許さず、全員射殺という過激な姿勢でした。百罰一戒、見せしめのために事件のむごたらしい状況が、よくメディアに報道されていました。エリッイン大統領の当時も類似の特殊部隊は編成されていたのですが、組織犯罪総局の上層部に腐ったリンゴが混じることしばしばで、機能が不完全燃焼という状態でした。

現在では、少なくともソーブルが駐留する都市での組織犯罪の表だった犯罪活動が、見られなくなっているのは事実です。叔父の部隊が駐留する都市は、わたしの母の出身地でもあり一族が住んでいますが、混乱していた状況から治安がかなり回復されました。日常生活の不安が、払拭されたと言って良いでしょう。しかしソーブルが駐留していない、あるいはその影響力が及ばない地方小都市での組織犯罪については、まだまだ問題がありそうです。

ロシアン・マフィアは地域でのソーブルとの摩擦をさけ、むしろその犯罪活動を合法的なビジネスへと転化させました。表面的に組織だった犯罪活動が消え失せ、ある種の秩序が確立されています。勿論このことは、地域から犯罪が無くなったことを意味しません。麻薬、売春、恐喝、強盗等犯罪は絶えません。だがしかし、市民のロシアン・マフィアに対するどうしようもない無力感が失せました。

ロシアではビジネスをする際に、そのビジネスの規模が大小に関わらず、必ずと言っても過言で無いほどロシアン・マフィが介入していました。ソーブルが駐留している都市では、ソーブルが組織犯罪者あるいはまた、非組織犯罪者からそれらのビジネスを保護します。だがしかし、それなりの見返りが必要です。と言うと、なにやら代わりの悪代官が赴任してきただけみたいなのですが、より合理的で穏健なもとに秩序だっていると言うことでしょうか。

笑い話があります。「うちの会社は怖いことは何も無ぞ、ソーブルに見かじめを出してるからな」と、マフィア

前々稿で、危険なソーブルに志願する理由は何かと疑問を投げかけたのですが、こうした役得もその一つ。実際隊員の裏収入が表のサラリーの二十倍から三十倍はありそうです。もちろんそれだけではありません、各種教育機関への進学も手厚く、組織での昇進も早い。そして驚く無かれ、年金の受給資格年齢が三十五才と優遇されている。もっとも、男性ロシア人の受給資格年齢が60才で、その平均寿命が59才代であるところを考えると、ソーブル隊員の平均寿命はもしかしたら34才代かも、と勘ぐりたくなる。ある意味では合理的なんだから、ロシアは!!??


ロシア人の暮らし その2

2006-03-06 23:10:03 | ロシア

前稿でソーブルについて書いた。親戚の話をしようと、書き進むにつれチェチェンの問題が気になりだした。

まず、虎の子の精鋭部隊を毎年投入し続けなければならないほどの、かの地での軍事情勢と、ロシア軍内部の問題。そしてそうまでロシアをして、チェチェンに固執させるその理由である。

チェチェン問題がこの稿のテーマではないので、また別の機会に詳細を記載するとして、親戚から得た情報をかいつまんで話すと、国防省正規軍だけでの治安維持は損害が大きく難しいために、中隊規模のソーブル部隊を全国から選抜して編成駐留させているとのこと。内務省軍の他の特殊部隊も正規軍と共同作戦をしている、とのことだった。実際かの地でのロシア軍の死傷者は、毎年相当規模に上り、徴兵制度を揺るがすほど問題化していることも事実である。

もう一方の理由については、地政学ゲオポリティカ ( Геопоитика ) の問題である、という極めて軍人らしい答えであった。なるほど地図を眺めてみると東はカスピ海、西は黒海に挟まれたいわば、隘路をコーカサス山脈が横断している。ロシアにとり、天然の城壁に守護されているわけだ。それと、南北からカスピ海沿いに延びている鉄路がチェチェン内で交差して西に向かう、鉄道の要所でもある。

ロシアにしてみれば、城壁(コーカサス山脈)から外側(グルジア、アゼルバイジャ、アルメニア)は手放しても内側の連邦からの離脱は、地政学的にとうてい許せないと言うことか。大国の論理であろうし、軍人の思考でもあろうしかつまた、人間の本質的な思考であろうかとも、思い至った。

参照:コーカサス地域図http://www.lib.utexas.edu/maps/commonwealth/caucasus_region_1994.jpg


ロシア人の暮らし

2006-03-06 11:22:57 | ロシア

母方の親戚に、つまりロシアでの話ですが、内務省エム・べー・デー МБД(Миннстерство вхытренних дел) に勤務する者がいる。

警察官 ミリツヤー(Милиция) が彼のキャリアの出発点で現在は、内務省組織犯罪総局の緊急対応特別支隊、ソーブルСОБР (Спеч Отряг Выстрого Реагирования)、で働いている。

だいたいが行政機構というか、官僚機構というか、とにかくどこの国でもわかりずらいのが通例なのですがロシアでもその点、他に引けをとりません。ロシアの内務省は大まかに、日本の国家公安委員会と警察庁を併せたような機構を持つ内務機関(米国のFBIを例にたとえる人もいる)と、軍人からなる内務省軍との二つに分かれている。この内務省軍がまた、準軍隊パラ ミリタリーと言うよりは、国防省正規軍МО(Михистерстбо обороны)と何ら変わらない。正規軍と一緒に作戦行動をとるし、徴兵の配属も受けている。

で親戚の話ですが、警察官から内務省軍に志願してソーブルに配属されているわけですが、簡単に転属できる話ではなくて、命をかけたリスクのある大変なこと。ソーブルの隊員は全員が、チェチェンでの戦闘の経験者で構成されている。つまりソーブルに配属されるためには、チェチェン行きを志願しなくてはならない。チェチェン問題のことの是非は別にして、全員が志願兵で構成されていることと、戦闘を経験することで部隊の志気は、すこぶる高いようだ。しかもことは、一度の実戦経験で済むのではなく、ソーブルの部隊は毎年チェチェンに派遣されるとのこと。そうまでしても志願するほどの見返りは、よほどのものがあるのだろうとかと興味が起きる。

親戚の話はロシア人の中でも、非常に特殊な生活になるのかもしれないのだけど、それはそれでロシア人の現実の生活ではあるし、日本人とは異なる社会の有り様の紹介になるでしょう。次回にさらに、お話しします。


2005年ロシアの女性

2006-02-25 17:04:02 | ロシア

2005年のロシアの "А КОГО БЫ ВЫ НАЗВАЛИ ЖЕНЩИНОЙ ГОДА?- 誰を今年の女性として名前を挙げますか?" の記事を見た。

ГЛЕВАДА-ЦЕНТР レヴァダ・センター(このサイトはロシアの各種調査、統計を発表している。 英語のメニューもあります。)が、2005年に選ばれたトップテンのロシア女性を発表していたので、 かいつまんで紹介しましょう。調査方法は、128の市町村で18才以上の1600人を対象にアンケートしたもの。 matvienko_2

一位は10%の得票で、 Валентина Матвиенко  ヴァレンティナ・ マトヴィエンコが選ばれた。1949年ウクライナ生まれ、 外交畑の経歴が長く、マルタ大使、 ギリシャ大使を経て現在サンクト・ペテルブルグの知事を努めています。サンクト・ペテルブルグは、 ロシア連邦の北西連邦管区に属するレニングラード州の州都ですが、行政的にサンクト・ ペテルブルグ自体は連邦特別市として州から独立しています。故にГубернатор(知事)がおります。

ph60二位は6%の得票で、Алла Пугачева アラ・ プガチョヴァが選ばれています。1949年生まれの彼女はロシアで最も有名な歌手、 日本人にたとえるなら美空ひばりに匹敵する人、数々のヒット曲を出しています。 ” 百万本のバラ”は、日本でも知られている曲ですが、今ではロシアのクラッシックとなった彼女のヒット曲。

 

hakamada2402三位は4%の得票で Ирина хакамада イリーナ・ ハカマダが選ばれています。 日本人を父に持つ彼女は1955年生まれ、ロシアで著名かつ有能な政治家と称されてます。2004年の大統領選に、プーティンの対立候補として立候補したことは、日本でもよく知られています。 彼女については、より詳しく改めて投稿いたします。

 

 

ここ三年この三人で上位を分け合っています。男性のベストテンに比べて、政治家、 経済界人への投票が少ないのが目につきました。男性のトップは勿論、プーティン大統領で37%の得票でした。


みんなのチェブラシカ

2006-02-12 21:13:43 | ロシア

ロシア国営第一チャネルのサイト ПЕРВЫЙ КАНАЛ で、 興味の引かれる記事を見た。

ロシア人ならだれでも幼い頃に見たことがあるはず、ロシア不朽の古典アニメ 「チェブラシカ Чебурашка 。 そしてその中で歌われる数々の童謡、  " Голубой вагон ",  " Песенка крокодила Гены ",  " Улыбка ", " Антошка ",  " Чунга-Чанга " 。特に「ワニのゲナの小歌 Песенка крокодила Геныは、 今ではロシア人の誕生日には、必ずと言っていいほど歌われる。 ちょうど米国人やまた、その文化を輸入した日本人が、 Happy birthday to you を歌うように。

" День рождения

  К сожаленью, день рожденья

  Только раз в году "20051212130823

これらの不朽の名作を生んだのが、作曲家 「ヴラディミル・シャインスコム Владимиру Шаинскомуだ。もっともロシア人でさえ、彼の歌を知って はいても、 彼のことは知らない人が多いかもしれない。 2005年12月12日に80才の誕生日を迎えた時のインタビューの記事では、 「今まで童謡を中心に300曲ほど作曲した。 今も作曲を続けているし、これからもヒットする曲を生み出すよ」と、 若い奥さんと一緒に意気盛ん。

「彼は若い頃から、何回もワイフを取り替えてるよ」とは、ママの話。前にも聞いたね同じようなこと...

 


ロシア国営第一チャネル ПЕРВЫЙ КАНАЛ のオリンピック番組のテロップが可愛い、これがチェブラシカです。

 

20060211122057


ロシア映画快進撃!

2006-02-12 12:21:00 | ロシア

ロシア映画「ドニェヴノーイ・ダゾール Дневной Дозорが、売れに売れている。オフィシャルサイトによると、 観客動員数7,268,625人、興行収入32,655,736ドルが記録されたと言う。

しかしこの映画、今年の正月興行映画なんだよ。国営第一チャネル ПЕРВЫЙ КАНАЛの今日のニュースでも見たけど、シベリアのノボ・シビルスク Нобо Сибирск  での話だが、そこの一映画館でのお正月の一週間の興行収入が、 17万ドルを記録したとある。が、全体の数字はにわかには、 信じがたい数字なんだけど、とにかくすごいね。ちなみに、ロシアでの映画興行収入のとして、「ターミネーター3」が1,280万ドル、 「トロヤ」が1,230万ドル、「マトリックス リボリューション」が1,200万ドルだそうだ。dozor2

前作「ノチノイ・ ダゾール Ночной Дозорに引き続き、 監督、キャストも同じ陣容となっています。前作「ノチノイ・ ダゾール Ночной Дозорでは、 昼の世界と夜の世界の両陣営が、それぞれが擁するスーパーパワーを持つ人たちを中心に、数百年に渡り戦い続けるのだが決着がつかない。 和平の協定が結ばれるのだが、夜の世界から紛争を仕掛けられ、協定は破られてしまう。そこで、昼の世界のスパーパワーたちがナイト・ パトロールを結集し、対抗する。これが前作の粗筋なのですが、興味深いことはハリウッド映画の勧善懲悪ものとは異質の思考が、 映画という表現方法を通して見られることです。”善と悪、昼と夜、白と黒”とは弁証法的に考えるならば、両者がときに等価値を持つのであり、 一方的な存在のみはあり得ない。そこは、唯物弁証法に長い歴史を持つお国柄故、その思考が映画の中にも随所に反映されているのだが、 追求の仕方が今ひとつ物足りなかった。映画「トレッキーガンビート Турецкий гамбитの公開時、国営第一チャネル ПЕРВЫЙ КАНАЛが、宣伝で「これがロシアのハリウッドに対する答えだ」と息巻いていたけど、 ハリウッド映画の勧善懲悪にもっと徹底して反旗を翻しても良かったのでは。 「ノチノイ・ ダゾール Ночной Дозорの後に、監督、 キャスト、筋立てもほぼ一緒のパローディ版「ノチノイ・バザール Ночной базар が存在するのだが、この作品の方が、その意味では、アイオロニーが効いていてより面白かった。 ともあれ、前作でのナイト・パトロールをデイ・パトロールとして登場させ、再び戦いを繰りひろげるこの最新作は、いかがであろうか。

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上のイメージは「ノチノイ・ バザール」から。ちなみに、ロシアでは国営テレビ局が民間の映画制作に参加している。 NHKが日本映画制作に参加するとは、 ちょっと想像もつかないがいっそ、法的制約は抜きにしても、そのぐらいの飛躍があれば料金徴収問題にも展望が開けるかもしれないと、 思ってみたりするが。


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監督:ТИМУР БЕКМАМБЕТОВ (ティムール・ベクマンベトフ)  

監督作品

1994 ПЕШАВАРСКИЙ ВАЛЬС
2000 ГЛАДИАТРИКС
2002 ГАЗ ? РУССКИЕ МАШИНЫ
2004 НОЧНОЙ ДОЗОР


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主演:КОНСТАНТИН ХАБЕНСКИЙ (コンスタンティン・ ハベンスキー)

出演作品

1998 ЖЕНСКАЯ СОБСТВЕННОСТЬ) (1998 ХРУСТАЛЕВ, МАШИНУ!

1999 ПОКЛОННИК) (1999 УБОЙНАЯ СИЛА

2000-2001 УБОЙНАЯ ИЛА 2) (2000 ИМПЕРИЯ ПОД УДАРОМ

2001 МЕХАНИЧЕСКАЯ СЮИТА) (2001-2002 УБОЙНАЯ СИЛА 3

2002 В ДВИЖЕНИИ) (2002 УБОЙНАЯ СИЛА 

2003 УБОЙНАЯ СИЛА 5) (2004 ЖЕНСКИЙ РОМАН

2004 НОЧНОЙ ДОЗОР) (2005 СТАТСКИЙ СОВЕТНИК

2005 УБОЙНАЯ СИЛА 6. Мыс ДОБРОЙ НАДЕЖДЫ ,2005 ЕСЕНИН


「ドニェヴノーイ・ダゾール 」 フィルムから

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この作品はビデオ化されたなら、 日本語版も出るに違いないと考えているのですが、みんなで期待しましょう。ロシア語がわからない方も、 最近のロシア映画はコンピューターグラフィックを駆使したカメラワークや、 映像の美しさに優れたものがありますので機会がありましたら、ぜひご覧ください。