Turedure Lilax Diary

「徒然」―何もする事が無くて、どう時間を過ごしたらよいのかと思うこと、様子。(三省堂 新明解国語辞典)

ブランケット・キャッツ

2011-04-05 22:00:00 | 本棚
「ブランケット・キャッツ」重松清
(朝日文庫)

猫にまつわるほのぼの小説かと思いきや
やっぱりこれは重松作品、なかなかの重さでした。

馴染んだ毛布とともに、2泊3日で貸し出される
レンタルキャット。
3日間の道連れにレンタル猫を選んだ
7つの家族の物語。

登場人物はどの人もさびしくて、悲しい。
レンタル猫は彼らを楽しませるわけでも
癒すでもなく、ただひたすら理想の飼い猫を演じて
傍にいるだけ。

それでも、傍にいるだけで猫が与えてくれる
小さな(時には大きな)魔法。

一編だけ、猫視点で綴られている
「旅に出たブランケット・キャット」が好き。
小さな旅人と”タビー”の幸せを願わずにいられません。