Sue's Blog

クリスチャンでセクシャルマイノリティのSueのひとりごとやGay Lesbian human rightsリンク集

Safe Zone Program5:ケーススタディ

2006-03-14 | ひとりごと
午後は主にGLBTQの学生をサポートする職員のためのプログラムが行われた。
どのように学生をサポートするのか、具体的なケースを取り上げ実際にロールプレイで検討する。お昼休みのおかげで軽いショック状態だった私も午後はとてもリラックスしていた。なぜ午前中あんなに居心地が悪かったのか、昼休みの間に気づいたから・・・・

私の人生の中で実際にこれほど多くのGLBTの人と会って身近にGLBTQの話題について話し合ったことがなかったからだ。それにやっぱりこの国は日本と比べるとGLBTに関する情報がオープンだ。だからたとえ10代の学生であっても、自分がGLBTであることをしっかりと自覚して学生生活を送っている。

一方でアメリカ社会には強烈なホモフォビアが存在する。
だからこそ彼らをサポートするための団体が情報を提供しているし、身近なところにミュニティが存在する。そして今回アカデミー賞でも話題になったように、映画やTVでGLBTが普通に登場するようになったこともGLBTを身近な存在として感じることができる。

ブッシュ政権はますます保守傾向が強くなり、同性結婚を禁止する法律や同性愛カップルの養子禁止など、アンチゲイへの動きがますます強まりつつあるが、そういう話題も含めて、毎日のように新聞、テレビでGLBTが話題になっている。そのような状況そのものが日本とは大きく違う。セクシャルオリエンテーションやジェンダーアイデンティティの獲得に社会のありようが大きく影響する。

さてケーススタディの内容も日本ではまだまだ考えられない具体的ケースを取り上げていた。
ひとつめは、同性愛の学生がクラスでGLBT関連のディスカッションになったときに、とても居心地が悪かったということをアドバイザーに訴えるというもの。アドバイザーは学生にGLBTQコミュニティの情報を提供し、ドロップアウトしないようにサポートしていく。このケースでは学生を継続してサポートことの大切さを学ぶ。

二番目のケースはGLBTの人が大学の職員募集に応募する際、自分はGLBTで職員になったらそういう学生をサポートしたいと考えているが、履歴書にそのことを書くべきかどうかの相談を教務担当者にするというもの。全体のディスカッションで大方の参加者は書かないほうがいいだろう。まずは職を得てから、少しずつ自分の環境を変えていけばいいということだった。アメリカでもまだすべてがオープンではない。慎重さも必要なのだ。

日本ではまだまだクローゼットの中にいるGLBTが多い。
日本の社会・文化ではとにかくだまって、おとなしくしていればあえてバッシングもされないし、ひっそりと社会の中で暮らしていける。それが良いとも悪いとも私には言えないし今はまだわからない。日本とアメリカを単純に比較することなどできない。とにかく文化が違うのだから・・・。

ただ私が一番気になるのは、だまってひっそりとしている影で、悩み、苦しんでいる10代の思春期の若者たちだ。恋に目覚め、その相手が同性だということで、誰にも言えずにひとりで悩み、苦しんでいるGLBTがたくさんいるのではないだろうか。
そんな若者のためのSafeZoneが身近なところにできるといいなと思う。