Sue's Blog

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カリフォルニア主教選挙その後

2006-05-08 | ひとりごと
先日、新聞の記事(Washington Times)を読んでカリフォルニア主教選挙のことを書いたが、コメント、トラックバックをいただいたのでいろいろ調べてみたら、候補者はゲイ男性3人ではなかった。大変なまちがいでした。失礼しました。
ワシントンタイムスは保守的で同性愛に批判的な立場の新聞なので非常にあいまいな言い方をしているリソースだけを頼りにしてしまった、とちょっと言い訳などをしてみたりして・・・。
そもそもワシントンタイムスでは3人の写真を載せて、Three Homosexualsとしか書いてなかったため、てっきり男性の同性愛者だと思い込んでしまった。というのも女性でしかもレズビアンの主教候補者がいたこと自体が私の想像のレベルをはるかに超えていた。まあ私の英語力も????なのだが・・・。

しかしきちっと複数のリソースを調べて書くべきだったと反省。これから気をつけようと思う。

そこで今回は選挙の方法も含めて主教選挙の結果をまとめておこうと思う。リソースもつけておこう。
カリフォルニアのこちらのサイトhttp://www.oasiscalifornia.org/がかなり詳しく選挙の様子や手順を紹介している。
今回の候補者は全部で7人。詳しくはこちらhttp://bishopsearch.org/Education/Guide2006.pdf

このうち、Michael Barlowe氏とRobert V. Taylor氏がゲイ、Bonnie Perry女史がレズビアンの候補者だった。
選挙の方法については、実は詳細なところがよくわからない。
聖職者と信徒の代表によって行われるが、最終的に多数の表が集まるまで選挙を行う。ちなみに例のワシントンタイムスの記事では、今回の選挙で主教を確定するには聖職者131、信徒代表117の票が必要だった。そして3回の投票を行って3回目にMark Abdrus氏が聖職者188、信徒161の票を獲得し決定したとのこと。同じ日に3回選挙をするというところがよくわからん。しかし日本の聖公会の主教選挙規程(こちら)でも3分の2以上の票が必要で集まらなければ再度選挙を行うとある。ただ同じ日に3回行われた今回の選挙、どうやってるのだろう。

さて今回、カリフォルニアの主教に選ばれたMark Andrus氏。彼はゲイではないが、貧困や人種差別などの人権問題、そして同性愛者の問題にも熱心に取り組んで来られた方のようで、聖公会の中のLGBTコミュニティ”Integrity"は概ね選挙結果を歓迎している。こちらに会長のメッセージがある。

というわけで残念ながら、今回の選挙で聖公会2人目の同性愛主教の誕生は実現しなかった。この結果にいろいろと意見があるようだが、私はその点についてまったく関心はない。これもひとつの結果なのだから・・・。

ただ今回の選挙を通じて私が感じたのは、候補者のひとりにレズビアンの女性がいたこと。これは日本ではまず考えられない。
北海道大学の桜井先生のこちらのサイト→http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~n16260/lec2005/religionandgender2005.html に非常に興味深い歴史がまとめらている。

日本では1998年まで女性は司祭になれなかった。つい8年前のこと。アメリカでは1989年に初めて女性主教が誕生していることを考えると非常に遅れていることがわかる。そして今回、聖公会で初めてレズビアンの主教候補者がでたということは、実にすごいことだ。

女性であること、さらに同性愛者であるということは、保守的な聖公会の中で激しい偏見や差別にあっているだろうと想像できる。そのような中で自分の信仰を貫き通し、新しい歴史のドアを開いたPerry女史を私は心から尊敬する。クリスチャンでレズビアンである私にとって彼女の存在自体に勇気付けられる。

日本で女性の主教候補者、さらにはレズビアンの主教候補者が出てくるのはいつだろう?