ブロ友の記事に”私の兄は悪ガキだったが勉強はよく出来た”とあった。
実は、私の幼馴染にも同じ様な天才がいた。アーベルみたいにハンサムで頭も良く、勉強も出来て、オマケに喧嘩も強かった。何をやっても要領がよく、私にとっては、まるで皇帝の様な存在だった。
身体が小さく喧嘩も弱い私が、幼稚園の頃にデカい態度が出来たのも、全ては彼のお陰だった。
道路の真ん中に二人で寝そべり、渋滞の原因を作った事もある。地元では評判の悪ガキコンビで、誰も近づけなかった。
僅か1年程の短い付き合いだったが、彼と一緒にいると世界を支配した様な気分になった。とにかく毎日が”王者の日々”だった。
しかし、その彼も病魔には勝てなかった。僅か小学1年で呆気なく他界した。
彼が死んだ日は今でも覚えてる。
何時も夕方になると、”小さな皇帝”が遊びにやって来た。私は幼稚園で彼が小学生だったから、毎日の様に1時間ほど待たされた。その1時間がとても長く感じられた程だった。
私は彼が大好きで、彼の大ファンで、私の絶対的なヒーローでもあった。
そして、彼が遊びに来た。何時もの様に私は勢い勇んで出かけようとした。
その時、おふくろが叫んだ。
”今日は親戚に呼ばれてるからダメよ、ごめんね”
彼はペコリと頷き、背を向けて帰っていった。私は彼の背中を見つめ続けた。その背中が異様に寂しく小さく見えたのが、50年以上の歳月を経てもなお、私の脳裏にしっかりと焼き付いてる。
私は彼を追いかけたかった。お袋の腕を振り解いてでも追いかけたかった。
夕方、私はお袋に連れられて親戚へと出掛けた。私はずっと不機嫌だった。そして親戚を恨んだ。
”親戚というものさえ存在しなかったら、今頃は皇帝ごっこが出来たのに”
母方の超の付く貧乏な親戚の家で、寂れ切った無機質な時間を過ごしてると、電話が鳴った。夜の7時を回った頃だったろうか。
”皇帝”が風邪を引いて危篤だという。家に戻った後、すぐに高熱が出て、重体だというのだ。
私は心配はしなかった。
”あの皇帝が死ぬ訳がない。どうせ仮病かなんかだろう。そこまでして僕に逢いたいんだな”
私はお袋に連れられる間、色んな事を考えた。約8kmの道のりを自転車で漕ぐのだから、1時間近く掛かった。彼の家に着いた頃はもう真っ暗だった。
葬儀が手配され、皆が集まってた。皇帝は既に棺の中だった。話によると、寝込んで高熱が出た後すぐに息を引き取ったという。
不思議と涙は出なかった。悲しいと言うよりも異常なまでの喪失感が私を襲った。
”僕がお袋の腕を振り解いて、彼の後を付いていったら、皇帝は死ぬ事はなかったろう”
今でも、あの時の彼の寂しい背中を思い出す。そして、小さな皇帝を思い出す度に、親戚を憎む自分が存在する。
”あの親戚さえ存在しなかったら、皇帝は死なずに済んだのだ”と。
私が親戚が大嫌いなのはその為だ。
やはり力石徹だったな
彼は皇帝ナポレオンを
モデルにしてるとか聞いた
力石が早く死んだのも
その崇高性を際立たせる為だったのか
力士徹には矢吹ジョーが叩き上げのチンピラに見える程に崇高な雰囲気がありますね。
天才という名の皇帝、皇帝という名の天才。どちらもいい響きです。
転象さんの親戚嫌いの背景が
初めて分かった!
そうだったんだね~
小さな皇帝さんの
高熱の原因は
ひょっとして原始コロナウィルス?!
因みに僕のヒーローは
やっぱブルース・リー
彼が僕の寂寞な青春時代に
火を点けた
アチー!?
昔は病気に罹るとすぐに死んでましたもんね。特に子供はすぐに死んだ。だから神に愛されたとなるんですね。
でも顔が殆ど思い出せないんですよ、寂しそうな背中しか思い出せない。
因みに私のヒーローは、小さな皇帝⇒大場政夫⇒ブルースリーですかね。
いやジュリアノジェンマいやリーヴァンクリーフかな。
とにかくマカロニウエスタンが大好きだったので登場する誰もが格好良く映りました。
銃の捌き方も西部劇のそれとは微妙に違ってたように感じました。
ブルース•リーもヒーローでしたが、イケメン度ではジェンマに軍配が上がりますね。
あとはリー•ヴァン•クリーが印象に残ってます。
何だか昔がとても懐かしいです。
転んだサンの心の中で行き続けるために天国へと旅立ったの
小さな皇帝を継承するのは転んだサン、あなたしか居ないのよ👋👋
何だかジーンときました。
Hoo嬢にとって皇帝と言える人は誰なのかな👋