象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

エヴァリスト・ガロアの不憫な人生と〜あなたはガロア的人種になれるのか?〜

2019年02月14日 06時09分41秒 | エヴァリスト・ガロア

”222201÷9=2468□”の□に入る数字を当てて下さい。因みに、□は1の位の数です。

 2、4、6、8と続くから、10だと答えた人は、直感が優れた人か?詐欺師に直ぐ騙されるか?どちらかの人です。直感で動く人が結構騙されやすい典型ですかね。

 次に、”因みに”の言葉が気になる貴方は、中々の慎重派で、詐欺に遭う事は滅多にないでしょう。その代わり、大きな発見や成功にも無縁です。

 実際に計算した貴方。かなりの現実派です。何事も石橋を叩いて渡るタイプです。専業主夫?に多いでしょうか(笑)。

 最後に、これが問題ですが。9を右辺に移動(置換)して、”2468□×9=222201”と考えた貴方。もうこの時点で”ガロア風”ですな。
 そこで、9に何かを掛けて1になる数は、9しかないですね。そう、□×9=1と考え、□=9と簡単に気付いた貴方。貴方こそおめでたく、”ガロア的人種”です。パチパチ


 上で見た4パターンの人種ですが。最初の直感に優れるタイプは、騙されやすいけど、大当りして、大成功を成し遂げるタイプでしょうか。
 2番目3番目のタイプは、極々平凡な人生を歩む、人畜無害的な人種でしょう。

 問題は最後のタイプ。そうガロア的人種こそが問題なんです。頭が良過ぎて不幸に陥る典型のタイプです。
 因みに私は、何にも出来なかった派です(悲)。代数は苦手中の苦手で、数字を見ただけでも鳥肌が立ちますな。
 
 以上、「ガロア理論”超”入門」(知りたいサイエンス)参照でした。

 

天才を超えた天才__________

 エヴァリスト・ガロア(1811〜1832 仏)は、”5次の方程式には、解の公式が存在しない”事を自明な形で発見しました。

 当時の数学者達は、”1次、2次、3次、4次と解けたんだから、次は5次方程式も”、と考えました。しかし、ガロアは違ったんです。”1次、2次、3次、4次方程式に解の公式が存在するのは、それなりの理由があるに違いない”と考えたんです。

 そうなんです。ガロアの超短い不穏な生涯にも、それなりの理由があったんです。つまり、彼は天才過ぎたんです。天才を超えちゃったから、誰も彼を理解出来なかったんです。
 お陰で自暴自棄になったガロアは、変な政治運動やアホな連中に巻き込まれるんです。

 高校生の時に温めていた”ガロア理論”は、当然全く理解されないまま、僅か20歳でこの世を去ってしまいました。それも”つまらない決闘”で命を落としたんです。

 因みにガロアと並ぶもう一人の天才ニールス・アーベル(1802〜1829 ノルウェー)も僅か26歳の短い生涯を終えますが。5次方程式を解いてた時に、直感でこれは解けないなって感じ、解の公式がない事を証明した方が近道だと、気付いたそうです。

 両者とも、”5次方程式には解の公式が存在しない”事を証明したんです。アーベルの方がいち早く証明に成功したんですが。因みにアーベルが23歳の時(ガロア14歳)。ガロアは”解の置換”という、非常に明快でユニークな方法で証明したんです。

 ガロアは、当時は全く未知であった群論や体論の考えを用いたんですね。このガロアの群論は現代数学の根本理論であり、現代の代数学はこの”ガロア理論”から始まったと言われてます。ガロア理論は現在では、科学や工学のみならず、経済や社会科学でも使われている重要な解法で、現代のコンピュータ理論には欠かせないものだと。

 

ガロアの不運____________

 しかし当時の偉大な数学者でも、ガロア理論を理解できる人がいなかったんです。地元フランスの第一級の数学者コーシーに提出するも突如亡命し、姿を消す。今度はフーリエに送るも、彼は急死します。

 最後はポアソンに差し出すも、これまた理解されず返却される。この返却された論文こそが、彼が死の直前に書き直してた”ガロア理論”だったんです。
 
 ガウスが遺したこの論文は、ガウスやヤコービの目に触れた?とされますが、やはり理解されなかった。
 そして死後40年経った後、ジョルダンがガロアの論文を解読し、”置換論”を書き上げた。そしてジョルダンは、この著書を次の様に評します。
 ”これはガロアの論文の註記に過ぎない”と。

 あの数学の巨匠と言われるガウスをも凌ぐ大天才だったんですね。



2 コメント

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天才を超えた天才 (paulkuroneko )
2019-02-14 12:56:15
まさに言い得て妙です。
因みに私は、①のタイプでした。結構騙されやすいってのは、当たってます。

置換というのは、スポーツでいうフットワークの軽さでもあるんですね。数学でもガロアのフットワークの軽さは、偉大な数学者を前にしても、別次元だったんでしょうか。

逆にこのフットワークの軽さが、ガロアを不幸に追い込んだんです。

数学という学問は、特に代数学は抽象的にかつ重くなりがちですから、軽快な置換というのは大切ですか。

モハマドアリじゃないけど、蝶のように舞い
蜂のように刺す、ガロア理論だったんです。


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蝶の様に舞い蜂の様に刺す (lemonwater2017)
2019-02-15 02:31:12
オイラーが美しく奏でる様に、数学に取り組んだのに対し、ガウスは蝶の様に舞ったんですね。ガウスにピッタリの表現です。彼が生きてたらこの言葉に感嘆するでしょうね。

ガロア理論に関しては、新たにブログ立てようかなと。第一話は丁度書き終わった所なので、これから投稿しようかなと思います。

これからも貴重なアドバイス宜しくです。ホント助かります。
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