象が転んだ

たかがブロク、されどブロク

ロベルト•デュランVSワシール•ロマチェンコ(20/6/28更新)〜夢の対決、勝つのはどっちだ〜

2019年11月03日 05時00分18秒 | ボクシング

 ”大場アナザストーリー”(全10話)では、大場政夫が階級をバンタムに上げて、WBC王者カルロス•サラテ(メキシコ)と戦ったらという架空の想定で、ブログを建てました。
 勿論、我らが大場政夫が負けたらシャレにもならんので、何とか勝つプランを探り、油断したサラテが大場にまさかの5RKO負けという、やや無理のある展開にしました。
 当然、実際に両者が拳を合わせれば、余程の事がない限り、大場は滅多打ちを食らうでしょうが。
 大場と井上尚弥(現WBOバンタム王者)との戦いなら、結構緊迫した勝負になるでしょうから、この黄金カードに関しても、後にブログでも立てようかと思います(”大場vs井上””その2”も参照です)。 


パウンド•フォー•パウンド

 今現在、”階級を超えた”最強の現役のボクサーとしては、WBA•WBC•WBO世界ライト級統一王者のワシール•ロマチェンコ(ウクライナ)という事で、評価が一致してるようです。
 因みにロマチェンコは、世界最速の3階級制覇王者(フェザー、Sフェザー、ライト)であり、かつオリンピック2連覇(ロンドン•北京)という、今や地上最高のボクサーです。
 ボクシングは知らなくても、名前は知ってるという人も多いのでは。
 そして、ここ数年パウンド•フォ•ーパウンド(PFP)のトップに君臨し続けるのも、当然このロマチェンコなのだ(因みに、2019年9月現在ではカネロがトップですが)。

 大のボクシングファンであった私は、今ではボクシングを見る機会も興味も極端に減った。
 アイドルが世界王者になり、オカマボクサーが男子のプロボクサーに殴り勝つ時代。
 素人がプロのボクサーに喧嘩を売って、フルボッコにする動画なんかを見ると、ボクシングも過去の産物かなと悲しくなる。
 昔は世界タイトルマッチなんて、TVの前で正座して見たもんだ。それが今や、”バードウォッチング”みたいな感じですな。
 しかしここ数年、日本のプロボクシングのレヴェルは少しずつだが上がってる様に思う。

 評判と評価がすっかり地に堕ちた亀田3兄弟だが、日本ボクシングの復活には一役買った。特に、3男の和樹はSバンタムという強いクラスで頑張ってる。井上尚弥にはまだ勝てそうにもないが、きめ細かいテクニックを身に着けたら、面白いファイトになると思う。
 かつてのPFPの常連と言えば、ジョージ•フォアマン、シュガー•レイ•レナード、ロベルト•デュラン、トーマス•ハーンズ、マービン•ハグラー、マイク•タイソンらでした。
 特に80年代のミドル級の4人(ハグラー、レナード、ハーンズ、デュラン)は、”黄金のミドル”と称され、ヘビー級タイトルが前座で行われてた程でした。
 この黄金のミドルは今でも引き継がれ、Sミドル級の王者カネロのファイトマネーは、ヘビー級王者のそれを軽く凌駕します。

 元々このPFPという言葉は、往年の名ミドル級王者シュガー•レイ•ロビンソンの強さを称える形で生み出され、”レイ•ロビンソンこそ最強だ”という強い思いがここまで伝わってきますね。
 因みに私めとしては、やはりロベルト•デュラン(1951〜)ですかね。少年時代のタイソンと素手で喧嘩させたら、デュラン少年が勝つでしょうな。
 ”馬を倒した”と言われるデュラン少年の拳は、フォアマンの”象をも倒す”と言われたパンチと、同列で評価されるべきですね。


ロマチェンコはデュランに勝てるのか?

 さてと、現在のボクシング界最高峰のロマチェンコと、かつてのPFP最強と言われたデュランが戦ったら、と想像する往年のファンも多いでしょうか。
 階級と時代背景が違うじゃないか!って怒られそうですが。
 でも、デュランも最初はSフェザーでした。勿論、彼に敵う相手はいませんでしたから、ライト級に階級を上げ、王者になりますが。これまたすぐに対戦相手がいなくなる。
 ブルドーザみたいに、ライト級をあっという間に蹂躙したんですね。

 そこに後の5階級制覇のシュガー•レイ•レナードが、デュランに挑戦状を叩きつけます。
 デュランは一気に2階級上げ、ウエルター級王者のレナードを圧倒します。それから更に、Sウエルターそして、ミドル級王者にまで君臨します。
 ここで、デュランの全てを語るのは無謀なので、”負の要因デュラン””デュランその2”を参考にして下さい(要Clickです)。

 そのデュランとロマチェンコとの夢の対決は、一見無謀にも思えますが。フェザー上がりのロマチェンコとSフェザー上がりのデュランですから、そこまで無理はないと思います。
 無謀という点では、デュランがミドル級まで階級を上げた事自体が異常なんですよ。
 そういう訳で、Sフェザー級でデュランとロマチェンコが戦ったら?という仮定で話を進めます。
 というと何だか先が見えてきそうですが、今回は特別に、少しロマチェンコ贔屓にして進めたいと思います。 


運命の一戦

 ロマチェンコのモデルに一番近いのが、エルネスト•マルセル(パナマ 1948〜)元WBA世界Sフェザー級王者です。
 圧倒的なスピードと華麗なテクニックで、アルフレド•マルカノ、アントニオ•ゴメス、サムエル•セラノ、アレクシス•アリゲリョと言った歴史上のレジェンドを片っ端から撃破したんですが、王者のまま現役を引退します。

 Sフェザー級の中でも最強の名チャンピオンの一人ですが。19才の無名のデュランは、このマルセルにもTKOで勝ってます。
 YouTubeで見たんですが、ほぼ互角ですかね。でも”石の拳”を度々受け、ダメージが蓄積してたんですか、自ら試合放棄をレフェリーに漏らしたらしいです。

 ま、ここまで書くと、デュラン圧倒的有利となりますが。ロマチェンコにはマルセルにはない洗練されたタフさと図太さがあります。
 それにデュランが”石の拳”なる雑草なら、ロマチェンコはプラチナの様に光り輝く”皇帝”ですかね。その上、二人とも身長もリーチも殆ど変りません。


いよいよ運命のゴング

 さあ、いよいよ試合開始です。 
 序盤の1、2Rは、脚を使うロマチェンコが試合の主導権を握ります。ボディ&顔面へと的確な素早いパンチを打ち分け、油断したデュランの出鼻をくじきます。 
 3R、ロマチェンコのボディがデュランの脇腹にクリーンヒットします。流石のデュランも苦笑いです。しかし、パナマのストリートファイトで鳴らした頑強な男の闘志に、逆に油を注いだ結果となります。
 デュランは一気に距離を詰め、ロマチェンコのボディに対しては、同じくショートレンジの強烈なボディアッパーで対抗します。
 流石のロマチェンコも不利と見たか、距離をおき無駄な打ち合いを避けます。

 4Rデュランが追い詰め、ロマチェンコが距離をとるという展開に終止します。
 5R、痺れを切らしたデュランが強引に攻め込みます。左右のフックを力任せに振り回し、ロマチェンコの息の根を止めに掛かる。
 しかしその時、ロマチェンコのカウンターの左ショートがデュランの顎を精確に捉えました。バランスを崩したデュランは尻もちを付きますが、判定はスリップです。
 ロマチェンコのセコンドは喚き散らし、試合は一時中断です。
 改めてデュランは、ロマチェンコの高度なテクニックを知らされます。セコンドから注意を受けたデュランはガードを固め、用心深くロマチェンコを追い詰めます。

 6、7Rは互いに警戒してか、ほぼ互角で進行します。しかし、僅かながらデュランの方が力で押してる様に思えます。
 8R、やや劣勢だったロマチェンコが仕掛けます。左のダブルから右をフェイクを噛まし、左フックをテンプルに打ち込みます。流石のデュランもグラつき、会場はどよめく。
 しかし、デュランはこの瞬間を待ってました。相手が懐に飛び込んでくるのを辛抱強く待ってたんです。 
 ロマチェンコが左右の連打でデュランを追い詰めた時、石の拳がロマチェンコの頬骨を直撃します。真っ赤な鮮血が吹き出し、これまた試合が中断します。
 レフェリーは、デュランのバッティングを注意する。今度がデュラン陣営がエキサイト。試合が中断する中、カットマンがロマチェンコの傷口の止血に追われる中、8Rが終了。
 ロマチェンコは何とかゴングに救われます。

 9R、今度はデュランが攻勢を掛けます。ボディと顔面に石の様な堅いパンチを打ち分け、ロマチェンコは防戦一方です。
 しかし、必死の防御テクニックで何とか修羅場をくぐり抜けたロマチェンコ。リング上を巧みに舞い、デュランとの距離を取ります。
 ロマチェンコが負ったダメージと疲労は、想像以上に過酷で残酷なものでした。

 10R、デュランの執拗なボディ攻撃に、ロマチェンコの脚が止まり始めます。華麗なフットワークにも陰りが見え、防戦一方のロマチェンコに、容赦なく石の拳が降りかかります。
 デュランはロマチェンコをコーナーに追い詰め、2ダース程の殺戮のコンビネーションを浴びせます。

 ”ノーマス”(もうヤメだ)と叫んだのはデュランではなく、ロマチェンコ陣営の方でした。
 タオルが投げ込まれ、10RTKOでデュランの勝ちです。
 ロマチェンコは、”オレはまだやれる”と必死にレフェリーに抗議しますが、足元は既にふらついてます。

 9Rまでの採点を確認すると、3P程デュランがリードとなってました。 


試合が終わって

 ま、10Rまでロマチェンコをもたせたのも私めの温情ですが。当時のボクシングと今現在のボクシングでは、最低でもこれ程の差があるんでしょうか。

 勿論、デュランとカネロ、デュランとゴロフキンでも同様に、デュラン有利となるでしょうね。
 当然、ハグラーvsゴロフキンだったら、何処まで差が開くのか?これもブログにしたいと思います。

 ロマチェンコファンの方には失礼な結果となりましたが、こんな夢の対決。考えるだけでもワクワクしますね。



10 コメント

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ほぼ一方的 (hitman)
2019-11-03 09:56:05
ロマチェンコには悪いですが、やはりデュランは重荷ですねえ〜。パンチ力とタフネスが違い過ぎます。それに接近戦でのテクニック。

パッキャオの10階級制覇も当時なら、Sバンタムのゴメスに止められるでしょう。
メイウエザーに至っては消極的指導で即試合ストップですよ。レフェリーから”ノーマス”もうヤメろ、とでも言われるんでしょうか(・・;)

ここら辺は転んだサンと同じ意見です。でもロマチェンコが無惨にノックアウトされる場面を見たかったな。
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hitmanさんへ (象が転んだ)
2019-11-03 10:53:29
あの程度で”神のデフェンス”ですから、神様も舐められたもんですね。
ボクシングをバードウォッチングにしたのはメイウエザーJrですが、父親のメイウエザーSrはとてもいいボクサーだったのに残念。

明日はカネロvsコバレフですね。これもバードウォッチングみたいな試合になると思います。
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カネロvsコバレフ (hitman)
2019-11-03 12:48:11
多分、僅差の判定でカネロの勝ちでしょう。
見る気は起こらないんですが、どんな試合になるかは火を見るより明らか。

そういえば、転んだサンはカネロとジャイコブスに裏切られ、DAZN解約したんですよね。

カネロvsデュランの記事もお願いです(^^ゞ
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hitmanさんへその2 (象が転んだ)
2019-11-03 18:15:13
コメント遅くなりました。
カネロもよく頑張ってんですが、最近の彼は判定勝ちがやっとですね。元のウェルターだったらKOキングだったんですが。
階級を上げると殆どが判定になりますが、これはロマチェンコもパッキャオも同じです。

でもジャイコブスには裏切られましたな。実質2階級上ながら、何も出来ませんでした。ノーテクと言えばそれまでですが。
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バードウォッチング? (unknown)
2019-11-04 13:51:08
それは失礼だろ 
せめてクズ拾いと言いなさい
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unknownさん (象が転んだ)
2019-11-04 14:03:16
という事は、メイウエザーJrはクズ拾い?
コメントどうもです。
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コバレフ弱すぎ (hitman)
2019-11-04 22:47:58
予想通りというか?意外というか?カネロのKO勝ちでした。

僅差の判定でカネロと見てたんですが。結構パンチが強くて、後半のコバレフは押されてましたね。

オッズもカネロの1でコバレフの4と圧倒してましたし、ESPNは殆どがカネロのKO勝ちを予想してたみたいです。
実質、SウエルターとLヘビーの試合でしたが。こんな結末になるとは?
前半コバレフのジャブが有効に見えましたが、後半カネロのパワーフックを不用意にもらいすぎたのか。

コバレフが弱すぎと言えばそれまでですが、カネロの勇気にも恐れ入ります。
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hitmanさんへその3 (象が転んだ)
2019-11-05 04:51:27
オッズ通りと言うかね。
でもLヘビーがウエルターに負けては洒落になりませんな。ボクシングの凋落を感じた瞬間ですね。

言われるように、コバレフ弱すぎ。ジャブは良かったけど単調すぎて、後半はカネロの方がパワーで押してました。

カネロの肉体改造が思った以上に上手く行った結果ですかね。
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大場VS井上 (hitman)
2019-11-08 00:02:50
井上はマジ危なかった。ポイントでドネアが逃げ切るかと思ったけど、最後は本当にラッキーだった。
油の乗り切った26歳の井上にとって36歳の峠を超えた老雄は、オッズ同様に楽な相手と思ったけどね。やはりドネアは強いわ。

井上は得意のボディが少ないと思ってたが最後は狙ってたのかな?でも残り3Rをドネアが距離をとって戦ってたら井上は負けてたよ。

全盛期のドネアだったら確実に負けてたな。転んだサン言うように、大場と井上はいい勝負かも。

結局、今までの対戦相手が弱すぎただけって事になるのかな?そうは思えないんだけど認めるしかないのかね。

大場政夫VS井上尚弥のドリームマッチ期待してます。
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Re.大場VS井上 (象が転んだ)
2019-11-08 00:18:43
まさかの展開だったね。
久しぶりに”拳闘”を見た感じがしました。私が一番見たかったボクシングです。昔はこういうスタイルが殆どだったんですが。

ドネアがポイントをリードして残り3R。どう動くかなと興味持って見てましたが、少し油断しましたかね。
井上のボディフックだけを注意してれば確実に勝てたんですが、敢えて倒しに行ったのかな。

お陰で、大場VS井上の青写真が出来ました。hitmanさん深夜のコメどうもお疲れ様です。
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