9/14以来、約2ヶ月ぶりの”鏡張りの部屋”ですが。これまでの流れを大まかに紹介です。
主人公ダーレムは、ある闇組織に追われるも九死に一生を得、ここホテル•カリフォルニアに救われた。早速、男には、2人の訳有り女が近づく。一人は薬の売人をしてた若い女カミーユ、もう一人はメキシコのスラム出の中年女サビオレ。
ダーレムは2人の女に身も心も翻弄されそうになるが、探偵マーロウが現れ、大人しくしてるよう諭される。老支配人マティウスも精神的支柱になり、男は少しずつ自分を取り戻していく。
その時、ダーレムの愛人レオニーが瀕死の重傷を負い、運びこまれた。そして時を同じくし、サビオレが失踪する。
サビオレの義父が大麻密輸容疑で逮捕•監禁され、サビオレも同時に疑われたが、マーロウの必死の説得で無罪を勝ち取る。
その時、レオニーの意識が回復した・・・
前回”その25”では、中年女サビオレの義父が麻薬密輸容疑で逮捕され、ホテルを逃げ出したサビオレをマーロウが必死に説得し、その上サビオレの義父の無罪を主張し、義父と共に無事釈放させた。
錯乱状態にあった彼女も平穏を取り戻し、義父と共にカナダに移り住むという。
そして、丁度その時、ダーレムの愛人であり、重傷を負いホテルに担ぎ込まれたレオニーの意識が回復した所まででした。
レオニーは再び深い眠りに付いていた。老支配人が気を効かせ、食事の中に睡眠剤を仕込んでたのだ。
”とにかく、
マーロウさんが戻ってくるまでは、
ゆっくりと眠らせとこうの
ダーレムもカミーユも
絶対に起こしちゃダメだよ
全てはマーロウさん次第なんじゃよ
わかったかの?”
ダーレムは不安だった。一秒でも早く話をしたかった。
”でも勝手に起きてきたら
どうするんです?
世間話くらいはいいでしょう?
レオニーだって
気分転換になるでしょうに”
カミーユは遮った。
”ダメなもんはダメよ
何かあったらどうすんの?
最悪、意識が永遠に戻らない事もあるのよ
今は支配人の言う通りにすべきだわ
食事と睡眠の繰り返しで
完璧な回復を待つべきよ
少しずつ睡眠薬を減らして様子を見ましょ”
老支配人は去り際に付け加える。
”とにかく今の彼女には
十分な体力が必要じゃの
まだ5日しか経っておらん
最低でも後2日は安静が必要じゃ
カミーユ、あとは頼んだぞ
何かあったらすぐに呼びに来いの”
ダーレムが呟く。
”目の前に彼女がいるのに
何も喋れないなんて
オレは一体何者なんだ?
何の為に生きてんだよ
事故で失った記憶が、
彼女のお陰で蘇ると期待してたのに
指を加えたまま待ってろというのか”
カミーユは静かに囁いた。
”人生ってそんなもんよ
サビオレだって、義父の事を思い続け
このホテルで20年以上も耐え続けたのよ
私はまだここに来て、まだ2年だけど
全てに耐える事を学んだわ
運がこっちに向くのをじっと待つの
レオニーが元気になるまではね
それより、私の方をかまって頂戴”
その時、老支配人が慌てて部屋の中に入ってきた。
”さっきマーロウさんから電話があっての
レオニーを刺した犯人が判りそうじゃ
彼女が麻薬潜水艦の中から
発信される信号を傍受してたらしく
その情報を麻薬捜査局に流してたらしい
それで、某組織の殺し屋が
彼女を消しにかかったらしい
その殺し屋とは、
マーロウさんの兄を殺害したのと
同一人物だったらしい
それでマーロウさんは、
ずっとその男をつけてたんじゃ
レオニーさんが間一髪助かったのは、
マーロウさんがその男を付けてたからじゃ”
カミーユが叫んだ。
”その殺し屋はもしかしたら?
サビオレとその義父をも
殺すつもりだったのかしら?
そう考えると辻褄が合うわね
サビオレも義父も闇組織を暴く為に
司法取引には応じてた筈だから
当然、命を狙われてもおかしくはないわ”
ダーレムは疑った。
”しかし、レオニーは
最初からサツと繋がってたという事か?
つまり、オレの行動は彼女を通じて
全くの丸見えだったという事か?
という事は、オレの行動も
サツが追ってたという事なのか?”
老支配人は首を振る。
”早ガッテンしすぎじゃよ
まだ捜査は始まったばかりじゃ
殺し屋といっても、雇われかもしれないし
まだ推測の段階じゃと言ってたがの
ハッキリとした答えが出るには
もう少し時間が掛かると言ってたの”
その時、レオニーが目を覚ました。必死で何かを呟こうとしてる。
ダーレムは彼女を遮った。
”何も喋るな、とにかく今は安静が必要だ
マーロウさんが全てを解決してくれる
だから、安心しろ
ここにいれば、何も心配はないさ
君も僕も九死に一生を得たんだ
この亡霊ホテルに乾杯さ(笑)”
老支配人が口を挟む。
”亡霊ホテルとは何じゃ💢
こんなにいいホテルはないぞ
タダで若い女を抱いたくせにの
酒はないけどの、
タダで泊まれるホテルなんて
ここ以外にはないぞな💢”
レオニーは少し微笑んだ。
カミーユが睡眠薬の入った栄養ドリンクを与えると、彼女は再び眠りに付いた。
”彼女も一安心したみたいだわ
これで全てが上手く行くといいのにね
マーロウさん様様だわ”
老支配人も微笑んだ。
”そうよの、全くじゃ
マーロウがいたお陰で今の私達がある
マーロウさんに感謝じゃの”
ダーレムは首を横に振る。
”それはどうかな?
まだゲームは始まったばかりじゃないか
それに、レオニーがどんな情報を握ってるか?
俺たちもマーロウさんも知らない
彼女が握ってる情報次第では
一気に進展するかもしれないし、
闇の中にお蔵入りするかもしれないさ
つまり、油断は禁物ってこと”
その時、マーロウが慌てて部屋の中に飛び込んできた。
”レオニーの意識はどうだ?
まだ、喋れる段階じゃないのか?
殺し屋の情報を彼女が握ってるらしい
出来るだけ早くその情報を確かめないと
殺し屋はすぐにメキシコへ逃げる
できるだけ早く、逮捕状を取りたいんだが”
カミーユは老支配人を呼びつけた。
支配人は慌てて、マーロウを説得した。
”でも、今は安静が必要じゃ
マーロウさん!あんたの気持ちも判る
でも今は、絶対安静が必要じゃ”
その時、寝てた筈のレオニーが何か呟いた。
ようこそ、
我がホテルカリフォルニアへ
🎵ここは素敵な場所でしょ🎵
🎵ここは素敵な人達でしょ🎵
レオニーが覆面捜査官だとしたら?
ダーレムの愛人になりすまし、闇組織の情報を探ってたとしたら?
あり得ない話でもないですネェ〜
少し変えましょうかね(笑)。
登場人物を増やすと、読む側が混乱するのでこの感じで進めようと思います。
それにできるだけ殺人は避けたいんですが。
どうなることやら。