LHFトーク"GONDLA"

LHFの二人のだらだらトーク。

「ハート・ビート」GOING UNDER GROUND

2009年06月19日 | 過去の記事
GOING UNDER GROUNDの3rdアルバム「ハート・ビート」。amazonの“内容”の欄に書いてあった“CDジャーナル”の文によれば『松本素生の紡ぐメロディはしごく金太郎飴的という難点に目をつむれば、おそらく日本最強の水準にある』らしい。おれも同じくやはりこのバンドのメロディのセンスは飛びぬけてると思う。そして自分の声をよく知っていて、その活かし方もよく知っているように思う。特にこのアルバムに入っている「トワイライト」はこのバンドの代表曲と言える曲で、メロディから歌詞からすべてが完璧だと思わされてしまう。

それだけに、このアルバムは惜しいと言わざるを得ない。「トワイライト」は本当に素晴らしく、美しい曲だ。しかしそれを1曲目にするっていうのはどうなのだろうか。正直、このアルバムに「トワイライト」を超える曲は存在しない。いや、彼らのすべての楽曲の中でもこのクラスのクオリティの曲は数えるほどしかないのではないだろうか。それだけにこのアルバムは、1曲目の「トワイライト」が大きすぎて、他の曲の良さが隠れてしまっているように感じる。

音楽アルバムは洋食のフルコースに似ている。一つ一つの料理が順番に出されていくことで、ひとつの大きな“作品”を創造する。そういう意味では、1曲目から「トワイライト」は少々胃にキツすぎる。こう言った曲は徐々に慣れていく3曲目、或いは最後からひとつ前に置くのがいいような気がする。彼らの5枚目のアルバムの「h.o.p.s.」で言うところの「アゲハ」や「東京」のような。やはりそういった意味でこの「ハート・ビート」というアルバムにバランスの悪さを感じてしまうのだ。

曲単位での話をすれば、2曲目の「リバーズエッジ」や4曲目の「かいき」なんかもすごいいい曲で、心を打たれてしまう。しかしやはり「トワイライト」の影響なのか、どこか物足りなさを感じてしまうのだ。そして前半に少し良い曲が固まっていて、後半にダルみが見えてしまうことも残念だ。シングル曲「ハートビート」を前半に配置するなら、「トワイライト」と「かいき」なんかは後半に待ち構えさせても良かったのではないかと思う。

長々と文句ばかりを垂れ流してしまったが、おれはGOING UNDER GROUNDが大好きである。ベリテンライブで生で聴いた「トワイライト」には、鳥肌すら立った。それだけにこのアルバムの曲順に関して少し残念に思えた。これを書きながら「トワイライト」を聴いているのだが、どう考えても良い曲なのだ。うん、良い曲なのである。