ポコアポコヤ

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「コンビニ人間」感想 村田沙耶香

2016-09-26 | 小説・漫画他

誰が読んでも解りやすい内容、言葉で、斬新な視点を取り込んだ魅力的なお話でした。5つ★
今まで芥川賞を受賞した作品を色々読んで来ましたが、半分くらいは、その魅力が私には良く解らなかったりしていましたが、この小説は受賞するのが納得のいく作品でした。

最初方、子供の頃の恵子は、ちょっと学習障害っぽいのかな・・・?言われた言葉をそのまま受け取る処があって、公園で死んでいる鳥を焼き鳥に・・とか、喧嘩を仲裁するために、危険な方法で止めに入るとか、その辺りはビックリしたし、ちょっとやっぱり理解し難いなあ・・・って思いましたが、その後大人になって、コンビニで働いてからの言動や行動は、共感できる処とか結構ありました。

コンビニで働いている時の、音による状況判断や。これからお客様が取りそうな行動の先読みして、かつ、それを図られない様に控えめにした対応、素晴らしいな!と感動しました。
普段行くだけで、働く立場になったことがないので、そうなんだーって色々知らなかった事情やらも興味しんしんでしたし。

側にいる人の声やトーン、服装に影響されて・・って処も、あるなあーと思ったし、縄文時代からの村社会でうんぬん・・・の部分も、ある意味現代にも通ずるものがあるなあ・・と思いました。

途中からどうなるのか・・?と思いきや、あのとんでもない白羽を家に連れて帰って(ビックリ!)
ストーカーまがいな事をしている白羽をファミレスに連れて行って話を聞いてやり、ドリンクを持って来てやったり、自分に対しての暴言をはかれたりしてるのにもかかわらず・・・。この人、犯罪者手前な事をしてるし、家に連れて帰ってからも、臭い脱いだ服を洗濯機に入れるとか、ちょっと無理過ぎるわー。

とはいえ、周りからうるさく言われなくなるという手段?として同居するっていう展開!、周りの反応もやっぱりなあ・・・。
今までコンビニでは、みんなが同じ店員だったのに、恵子に浮いた話が出たとたん、みんなが態度を変えてしまって、そればっかりになってしまう・・。

★以下ネタバレ★白文字で書いています
最後は、正社員の面接に向かう途中、とあるコンビニに入り、そこでやっぱりコンビニで働きたい!と強い思いがあふれてきて、白羽は呆れてどこかに行ってしまい、恵子は近い将来どこかのコンビニで働いて行くであろうところで終わります以上

が、こんなコンビニ店員として凄く有能な人は、社員に格上げとか無理なんでしょうか・・。勿体ないなあー。それと、今はまだ30代だから大丈夫だけど、年を取ってくるときつくなって続けられなくなって来てしまうかも・・・。そんなとき、恵子はどうしたらいいんだろう。
どこかのコンビニ(昔酒屋さんだったのを、コンビニに改築し、店長はそこの持ち家の人)で一緒に働く、有能な働きっぷりの恵子に惚れて、店長(経営者)に強く望まれて結婚。めでたく、一生コンビニで勤められ、結婚も!なんてことになれば、良いな

恵子のドリンクバーで白湯を飲むとか、家で料理は茹でた野菜とか肉とかっていうのも笑ったわー。

コンビニ人間 2016/7/27 村田 沙耶香
内容(「BOOK」データベースより)
36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニのレジを打ち、清潔なコンビニの風景と「いらっしゃいませ!」の掛け声が、毎日の安らかな眠りをもたらしてくれる。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は恥ずかしいと突きつけられるが…。「普通」とは何か?現代の実存を軽やかに問う衝撃作。第155回芥川賞受賞。

村田さんの本は3冊目ですが、本作は、その中で群を抜いて、一番面白かったです。

消滅世界

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12 コメント

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Unknown (牧場主)
2016-09-27 22:31:10
こんにちは!
この話面白かったですね。
私も、賞のことは、全く分からないのですが、これが今受賞したことはすんごく納得したし、それで世界の有り様の一部が少し垣間見えた気がします。
前の作品とかで受賞しなくてよかった、これで良かった・・・

私は、話が進んでも、こんな白羽ではあるが、いつか体か精神のどちらかで理解し合うとか、何かしらの展開があるから登場しているのだろう、という先入観があったので、最後を読んだとき、かなりショックでした。
こんな着地点が・・・って。
自分が考える「独り」っていうものがいかに甘くて、薄いかを突きつけられたような。
すごいけどしばらく残響のようなものが邪魔して、それ以後エンタメしか読んでないです、最近。
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牧場主さん☆ (latifa)
2016-10-07 21:19:23
ギャー!牧場主さん、
コメント書いたと思っていたら、書いてなかったです、すいません!!
日付を見て、びっくり。こんなに日時が経っていたとは・・ごめんなさい!

そうね、この作品で受賞出来て、良かったですね。何度も候補になっていて、後々、受賞した作品よりも、以前の候補作の方が、良かったのでは・・・?って場合もあったりしますもんね・・・。

おおー、白羽さんとは理解し合うとか、そういう風に思っていたのね・・・。
私は無理だろうー?って思って読んでいたので、結構納得のいくラストでした。

あれだけヒドイ事言われて、衣類やら体も浮浪者のような状態で・・・、それでも一緒に暮らすとか、ありえん!って思っていたし・・・。
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コンビニ人間・古倉恵子 (浅野浩二)
2016-10-19 06:53:47
ポコアポコヤ様。はじめまして。
「コンビニ人間・古倉恵子」という小説を書きました。よろしかったら、ご覧ください。
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浅野浩二さん☆ (latifa)
2016-10-24 08:32:45
浅野浩二さん、こんにちは。
コメントありがとうございました。
小説を全部読んでから、レスを書こうと思っていたのですが、なかなか時間に余裕がなくて・・・

この後、読んでみますね!
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Unknown (はまかぜ)
2016-11-17 22:16:05
こんにちは!
latifaさんの白羽についての感想の「ちょっと無理すぎるわー」が面白かったです
あの男は最低すぎましたね
そして恵子、たしかにあんなに有能なコンビニ店員なら社員に格上げしてほしいですね。
コンビニこそが恵子の生きる場所なんだなと思います。
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達×達 (存在する音楽)
2016-11-19 22:48:35
Charaと村田さんがSWITCHインタビューで対談してます。
登場人物をノートに顔の絵にそれぞれの情報が書き込んであるのを興味津々で見ていました。
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はまかぜさん☆ (latifa)
2016-11-20 09:38:26
こんにちは、はまかぜさん
この本、その後もずっと売れ続けているみたいですねー。
そろそろ、2016年に面白かった本のベストを自分なりに選出してみようかなーと思っている処なのですが、これは上位に入って来そうです。

白羽さん、映像化するとしたら、誰になって、少しソフトになったりするんでしょうか?
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2016-11-20 09:42:47
こんにちは、存在する音楽さん
おおー!情報、急ぎでお知らせして下さって、ありがとうございます!
実は録画セットしていたのです。
さっき、録画していた番組を見ました。

前半chara、後半村田さんでしたね。面白かったです。

そうそう、創作ノート、面白かったですね!
冒頭と最後の方で、村田さんがノートに色々書きこんでいた喫茶店が、新宿のらんぶるっていう喫茶店でした。
半年くらい前に行った場所なので、嬉しかったです。

これの最後ちょい前に写真あります。
http://blog.goo.ne.jp/latifa/e/c6af86df4a7d92fe013a9fd17339cedc
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喫茶店 (存在する音楽)
2016-11-20 10:20:47
そっかーその店だったんですねー♪
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存在する音楽さん☆ (latifa)
2016-11-20 15:20:28
そうなんです!
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