教科書採択を考える会ブログ

愛媛県松山市内の中学の歴史教科書が「育鵬社」版に変わるのを機に発足した会です。教科書比較の学習会も行っています。

教育出版の道徳教科書をみてみよう 2年生編

2017-11-02 09:30:53 | 事務局日記

裏表紙も撮っておくんだった…と思うくらい表紙の絵が表情豊かです。
返却してから反省…。




請願のとき問題に上がった「国旗」の内容は、教科書の最後の方にありました。

やっぱり、徳目「せかいの人たちに親しむ」の内容が「大切な国旗と国歌」ではじまるのには違和感しかありません…。


「②きみがよのいみ」も少々解釈が間違っていると指摘されています。
「君が代=天皇の代」との訳なので、ここで「日本のくにが…」とあるのは厳密には間違いだと。

大日本帝国憲法下では、天皇が国を統治する立場にあり、国民はすべて臣民(権利がない人)でしたが、第二次世界大戦後、日本国憲法では国民に主権があると定められています。

日本国憲法下ではちょっと合わない国歌だなぁと、私は意味を知ったときから思っておりました。

フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」は、1792年にフランス革命の歌として歌われはじめているそうです。

王政が廃止されるきっかけの象徴として、国歌にまでなったという歴史にフランス人は民主主義に誇りを持っているんだと感じたものでした。

こうゆう比較があれば授業もおもしろいだろうなと思うのですが、2年生の教科書で取り上げるところではないですね…^_^;


③の理由、④のあらわし方で、
「こうだから、こうしないといけない」と
敬礼や国歌斉唱を半ば強要しているところも気になりました。

「歴史がある」と言っても、決して良いものばかりであったとは限りません。

いろいろなことを学んで、考えて、そして行動できるのが人としての成長だと思います。

教えられたことを何も考えられないまま行うことで、誰かが傷つくこともあることを学ぶような時間が、道徳の時間であってほしいと思います。


あと、保護者から「気になる…」と指摘があったのが、巻末の「職員室でのマナー」のところ。



「2年生ではまだできなくていいよ…」
「高学年がお手本になった方が覚えるのでは?」との意見が出ました。

元教諭からも、
「1.2年生は学校生活に慣れることを重視すべきでは?
マナーでがんじがらめの学校だと来たくなくなると思う。」
と指摘がありました。


そして、すみません。

2年生の教科書、他の教材の部分を撮り忘れておりました…(◞‸◟)
紹介できずにすみません。


教育出版の道徳教科書をみてみよう 1年生編

2017-11-01 12:30:34 | 事務局日記

いわさきちひろさんの孫で絵本作家の松本春野さんが表紙を手掛けています。

教科書の中身では取り上げられてませんが、表紙では肌の色が違う子がいたりして「いろんな子がいるんだよ」のメッセージが伺えます。







他社でも取り上げている教材の「かぼちゃのつる」


事務局の会議では、元小学校教諭が
「なんでも擬人化すればいいというわけではないと思う。
つるが伸びるのは自然科学。
分けないと子どもが混乱するのでは?」
「頭のいい子はバカにされたと感じるかもしれない」という感想を発言されてました。


こちらも数社が取り上げている「はしのうえのおおかみ」




教育出版でチェックすべきは、読みものの後にある発問です。



ここが問題の議題になった「おじぎ」の仕方。


「使い分け」って何?、
最敬礼は1年生には必要ないのでは?との意見が事務局では出ました。

他には…。







導入でこんなことが書いてありますが、

その割には「こうしましょう、ああしましょう」としなければならないことばかり書いてある印象でした。

来年の授業開始に向けて先生方に教科書が渡り授業研究がはじまった頃、と言われています。


愛媛大学図書センターにて貸し出し出来るそうです。

みなさんも一度手に取って見てみてはどうでしょうか?