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3月3日ひな祭りの日に開催いたしましたインテリアセミナーのご報告です。
インテリアデザイナー 伊藤直子さんのお話
伊藤先生は、海外にも何度も行かれていて、世界中の人が集まるような大きな規模の展示会で世界のトレンドを調査しお仕事に反映されているということでした。
最近の傾向としては、キッチンや水回りなどのシステムは最新のものを使って快適に
一方でインテリアの部分は古き良きものを生かし「懐かしさ」を感じさせるといったものがトレンドだそうです。
面白いなあと思ったのは、突板と無垢材の話でイギリスでは無垢材は庶民の材(例えばハイジの家の雰囲気で素朴な感じ)、貴族の家具は突板を使用したもの、といったイメージだそうです。
無垢材でも色々ありますし、時代によってのトレンドもありますので値段というのは時代が作るということでしょうか。
実際の施工例では、一つは東京成城のマンションで北山杉磨き丸太とガラスの透ける素材を合わせた伊藤さんデザインのパーテーションをご紹介下さいました。
こちらは新しい北山丸太の使用事例として当組合でも色々なところで紹介させて頂いています。
もう一つの施工事例は、和室を茶室にするリフォームでした。成城のマンションの披露会でパーテーションに使われた北山丸太を見学され、是非ともこの木を使ってリフォームしたい、しかも施主様が大変お忙しい方で1日での施工を希望とのことでした。こちらは東京の超のつく高級マンションですが無垢材は一つとして使われていないとの事。(残念)
結局、畳のサイズの変更によりできたほんのわずかな空きスペースに細めの磨丸太を1本たて、「踏込床」にされました。
磨丸太を立てた所から壁まではホンの10cm程ですが、丸太を立てる事で影ができて奥行きがとても感じられる空間に仕上がったとの事。
空いた場所は全部収納スペースを・・・と思いますが、実際はこのように収納スペースよりも大事な事ってあるんですね。
なるほど、そういう事をインテリアデザイナーさんは考えられるのかぁと。
伊藤さんの話では何度も「影」という言葉が出てきました。影が出来ると奥行きが出るというのは、学校で絵を書くときなどに教わった記憶があります。なるほどなるほど・・・。
伊藤さん曰く、自分は大手の企業に属しているのではないので、大々的な宣伝は出来ないが、人と人との出会いで「あの伊藤さんの言うことなら間違いない。」といってもらえるように仕事をしている、という類の事を何度もおっしゃっていました。
また、出逢った林業家が、エンドユーザーの声を聴く機会がないと聞いたので、特に木に詳しい訳ではないが、林業家と施主さんの間に立って橋渡しをするような仕事をしたいと思っているともおっしゃっていました。
若い世代にも、お客さんが来た時にちょっと泊まってもらう部屋にもなるフレキシブルな場所として、和室もまだまだ需要は見込めるのではないか、とも。確かにそうですね。なるほどなるほど。
私たち木材生産者はエンドユーザーの声を聞く事はとても少ないなあと改めて思いました。
株式会社グリーンマム 企画マネージャー 谷知大輔さんのお話
谷知さんは木材コーディネートとして木材産地と都市部をつなぐの仕事をされており、生産者も使う方も笑顔になれるような仕組み作りを心掛けていると言われていました。
そして今の複雑な木材流通をカスタマイズし、一元管理を行うことで流通コストを抑える事が出来るとの事です。
また、木材のグレードを林野庁などがA材~D材と分けているが、より付加価値の高い商品開発や新たな木材利用の創造を行う事で、価値が低いとされるB、C、D材の利用に繋がると、話されていました。
まだまだ言葉は足りませんが、普段お聞きできない方々の話を聞くのはとても新鮮で脳が活性化するようでした。
貴重なお話を有難うございました。
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