「京都・北山丸太」 北山杉の里だより

京都北山丸太生産協同組合のスタッフブログです

今シーズン初市開催

2018年11月09日 | 北山丸太について

本日もご訪問下さり誠にありがとうございます。

当組合の紅葉も一気に色付き、秋が深まってまいりました。


11月8日 京都北山丸太生産組合にて今シーズンの北山丸太初市となる「北山紅葉祭」が行われました。

美しい北山丸太がズラリと並ぶ前で、当組合理事長の挨拶のあと、振り子さんの威勢のいい声で競りが始まりました。





通常、木材の競りは㎥(立米)単価で行われるのですが、北山丸太の競りは1本単価行われるのが特徴です。

良材には、人気よく多くの手が上がっていました。

競り落とされた丸太は、さっそくトラックに積み込まれ全国の問屋さんへと旅立って行きます。

※ 競り市は一般公開されておりません。

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北山丸太クイズ

2016年05月20日 | 北山丸太について

 一昨日、今シーズン最終の北山丸太市売りを行いました。
 市況を反映し、やや低調な売れ行きでしたが、遠方からもお越しいただき、ご参加ありがとうございました。 

 その市売り前の状況、北山丸太が整然と並び、売立てを待っています。

北山丸太は3mが標準の長さですが、写真のように長い寸法も(少ないですが)出品されることもあります。

今回の長尺丸太はシャワーキャップをかぶせてもらっているように見えますね~

ここで質問です。 何故シャワーキャップをかぶっているのでしょうか

①長いので天井に当たるのを防ぐ為。

②色が白くなるように上部に薬剤が塗ってあるのが乾かないようにするため。

③乾燥にともなう干割れを防ぐ為。

 

 はい、正解は・・・③です。上部の暑さや移動中の乾燥の伴う干割れを防ぐため、ビニロンという特殊なビニール素材を被せ、市売りが終わったら下まで降ろしておきます。
※ビニロンは内部からの水分は外へ通す特殊な素材で、乾燥した外部でも干割れを防止して、上手に乾くそうです。 

正解されたあなたはなかなかの北山通ですね。(キタヤマドオリではありません、キタヤマツウと読んで下さいね。)

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北山あるある①

2016年05月15日 | 北山丸太について

 ここ数日さわやかな良い天気が続いています。そんな中、5月18日(水)北山若葉祭と銘打って当組合今期最終の北山丸太の市が行われます。ですから、今は丸太展示会場に丸太を持ち込む期間なのですが、「こんなええ天気やと持込できひんわ」という声が聞こえてきます。

どういうことか、わかります?

 

北山林業男子(笑)の言葉を訳しますと

「天気が良いと荷主の倉庫から市の行われる丸太展示場に運ぶ最中に、丸太に干割れが入ってしまう」と言う事です。

丸太を材木としてしかとらえられていないと、「木やもん、割れるの当たり前やし」と思われると思いますが、ここ北山丸太の生産者の思いはもっと繊細で深いものなのです。

 北山丸太はご存知のとおり、主に木肌の美しさを生かして意匠として使っていただく木材です。 

 丸太製造の後、売れるまでは各生産者が保管されるのですが、本当に大事にされるのです。丸太を乾かすときにも1本1本手作業で太陽の当たる加減を見つつあっち向け、こっち向け・・・、保管するときも温度管理と湿度の管理のために、倉庫を天気や気温にあわせて開けたり閉めたり・・・いざ出荷が決まっても乾燥時には丸太にビニロンを巻いたり・・・丸太が売れるまでずっとです。ちょっと時代錯誤というか、「えっ、そんなことしてたんかい」って思いませんか?

 北山丸太は一般の材木に比べて「高価」だという理由を少しお分かりいただけたでしょうか?北山丸太の説明をするとき、こういう細かい説明って、生産者にすれば昔からしている当たり前の事過ぎてされないのですが、生産者ではない私が事務所で見聞きしているなかで、「えっそこまで気にする?えっそこまでフォローする?」と驚くことは沢山あるので、またご紹介していきたいと思います。

 

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北山丸太 年輪比較

2016年01月15日 | 北山丸太について

ご覧下さい。見かけは似たような北山天然出絞丸太。

でも・・・年輪を見てみると・・・

こ~んなに違うんです。

年輪の詰まっている方が、木肌の色ツヤ、光沢がとっても良くて、その違いは年数が経つほど差が現れてきます。 

重量だって違います。もちろん年輪の詰まっているほうが重たいのです。(おそらく強度も勝っているでしょう。)

人間でもありますよね、見かけは一緒位のスマートさでも体脂肪計に乗るとわかる「体脂肪率の低い人、高い人」とか「年より若く見える人、老けて見える人」とか。
丸太も見かけだけでは分かりません。京都の北山丸太は中身で勝負しています

 

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2016年 始動いたします。

2016年01月06日 | 北山丸太について

 昨年とはうって変わって暖かいお正月でしたが、皆様はどのようにお過ごしでしたか?

どうぞ本年も北山杉・北山丸太をご贔屓に・・・よろしくお願い致します。

 さてさて、年度初めにもかかわらず、色々な新たなお客様にも来所頂いています。

  

 ところで、「森」と「林」の違いってご存知ですか?

 テレビの解説によると、「森は人工的に手が加えられていない」 「林は人工的に手が加えられている」ということでした。う~ん、なるほど・・・。ということは、北山杉の植林されている山は基本「林」ということですね。ただ、最近は残念なことに、北山杉が植林されているけれど手入れされず「森」になってきている山が増えてきております。 

 京都府は森林環境税を導入されることが決まりましたが、北山の「森」を整備するよりも、北山杉の「林」を復興させることに税金が使われれば土砂災害や水害などの災害対策になるのでは、と思います。

 

「北山杉の林」が復興すれば地場産業として成り立ちます。京都市中心部から車で30分の地ですが、自然が豊かに残っており、産業として成り立ってさえいれば住んでみたいという若い世代もあると思います。夢のような話でしょうか?いえ、そうではないことを願います。

 

「北山杉を使って良かった~、他の木とは違うよね、」とお客様の心を満たすことができるような北山杉・北山丸太を提供していけるよう、組合としての仕事を全うしていきたいと思っています。 

 

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不器用ですから。

2015年12月03日 | 北山丸太について

 前回のブログに載せていましたこの写真↓

今回はこの定規にまつわるお話です・・・皆さんご存知ですか?

「はさみ尺」と言います。1,2,3のメモリが見えると思いますが、1のメモリが約3センチです。

昔の「1寸」ですね。私ごとですがはるか昔、呉服屋さんが身体を測り、丈が何寸、裄が何寸とか言われていました。

「寸」とは日本や中国で使われる尺貫法の長さの単位。1寸は1尺の10分の1で、約3センチ(正確には3.03センチ)。
1寸の10分の1は1分(ぶ)。現在ではメートル法が普及し一般的には単位として使われることは少ない、とのことです。

 でも、こちら北山林業の業界では「寸」は現役です。

聞いたところによると、原木など直径の大きな木を計るときは肩にかつぐような大きなはさみ尺があるそうです。厚みのあるもの、丸いものの直径を計る道具の「はさみ尺」、特別な道具です。

 

 最近は「幾通りにも使える便利な〇〇」といった製品が花盛りですが、多機能をうたったものは、私なぞはなかなか使いこなせず、結局は「宝の持ち腐れ」といったことが多々あります。

その点、この「はさみ尺」は単機能で潔い道具です。

こんな頑固で融通の利かない道具たちがあらゆる伝統産業を支えているのでしょうね

「不器用ですから(by高倉健)」

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詰まっています。

2015年12月01日 | 北山丸太について

 先日の光景。

磨丸太を、軽トラで運んで来られました。「?」

この不思議な定規ではかると・・・直径3寸=約9cmです。

年輪を数えた訳ではありませんが・・・ナント、これが約70年生だとか・・・びっくりポンです。

北山杉は痩せた北山の地で太り過ぎないように枝打ちをしながら細く長く育てる特徴があり、年輪がより詰まっている方が割れたり変形しにくく、また木肌により光沢が出るので価値が高いと言われますが、年数の割にこれは北山杉でも特別サイズです。

尚、丸太を買っていただく問屋様は立っている木を見られるだけでなく、このように丸太を倒して、木のゆがみやどこが正面になるか等見極められます。

もうすぐ年間で最大の展示大会が行われます。スレンダーさん、豊満さん、筋肉ムキムキさん、背高さん等色々な北山丸太が集まってくる予定です。

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あなたの知らない丸太の世界・・・

2015年11月20日 | 北山丸太について

 ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、北山丸太には色々な種類があります。

板や構造材としての杉ではない「北山丸太」を、素材の一つとしてご紹介します。

以下は市場に並んだ北山丸太です。

まずは、代表的な「北山磨丸太」

きめ細やかな光沢のある木肌が特徴で、通常は3mですが、こちらは4mあります。
つるつるで真っ直ぐ・・ですね! 

 次は「北山人造絞り丸太」

箸状のあて木を幹の荒皮の上から針金で巻きつけて、2、3年の成長を利用して波状模様を出します。巻く職人によってあて木を並べるデザインがそれぞれ違います。

次は「北山天然出絞丸太」

名前の通り、自然に絞り模様が出ている北山杉の品種です。

そして次も「北山天然出絞丸太」ですが、上の写真とは同じ品名ですが絞りの出方が随分違います。
これは品種の違いで、こちらはずいぶん絞模様が派手に出ている品種です。 

 

次は「北山人造変絞」です。

字の通り、人工的に変わった絞り模様を付けたものです。絞り模様を付けるといっても簡単に付くものではなく、この写真の模様をつけるのに5年程の期間、あて木を巻き付けて成長させ、その後あて木を取り除き2年ほどさらに成長させて柔らかい模様に仕上げます。 

 どうですか?北山丸太。奥が深くないですか?拙い写真からも、北山丸太の緻密で艶やかな感じを見ていただけると思います。

全て植林後三十年程かけて作られた手作業、手作りの一品です。しかも人の手だけでなく、気候や山の日当たり、山の土の性質などの条件が整って初めて製品になる世界一人手のかかった杉です。

 こんな北山丸太、素材としての可能性を秘めていると思いませんか?同じものは御座いませんので「出会い」が大切です。

 お探しの北山丸太が御座いましたら、是非ともご相談下さいね。

 

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雨の恵。

2015年07月03日 | 北山丸太について

 最近の集中豪雨は本当に怖いですね・・・

 

しとしとしとしと、雨が降っていたある日。

「よう降りますね~、嫌になりますわ~」

「梅雨やさかいなぁ」

最近の北山杉の里での会話です。

 

 ある日、「そやけど、雨も降らんと、錆(さび)丸太もできひんねんで」と若い人へ口伝えが始まりました。

 

 錆丸太とは昔から茶室や数寄屋建築には無くてはならない建築材料で、木が生長する梅雨時期に伐採し樹皮をむいて、木肌に黒褐色のカビをつけて商品にするのです。ですから、雨が降らなければ、錆丸太はできないのです。

 その模様は自然まかせなので、どれ一つとして同じものはありません。

(写真:株式会社 梶本銘木店 ホームページより転載)

和風建築では、このように使われています。

(写真:株式会社 梶本銘木店 ホームページより転載)

 

偶然の産物で出来たものでしょうが、それをおもしろい、売れるかも、と最初に製品にしてみた人って凄い感性の持ち主ですね。

 なかなか最近の建築ではお目にかからない素材ですが、誰かが「これ、おもしろいやん」とうまく使っていただければ、また新たな可能性が生まれるかもしれませんね 

 

 

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プレカット・北山丸太の生きる道

2012年03月07日 | 北山丸太について

関東方面では大雪、そして毎日のように地震警報や速報が流れ心穏やかに過ごせるのはいつになるのでしょうか?常に情報に耳を傾け、気持ちは備えていたいものです。

備える→準備する→prepare・・・【pre-】接頭語で「前もって、あらかじめ」のようにも使います。

あれれ無理がある?そんな事はありません^^今回は「プレカット」のお話です。

国道162号線を高雄からさらに奥へ5キロほど、中川トンネルの手前、中川に入ってすぐ、高台に茶色の建物が見えます。

ここは加藤林産株式会社。北山杉の床柱を中心に数寄屋建築材などを植林からプレカット床柱まで一貫して製造している会社です。

北山丸太をプレカット加工している国内有数の企業と聞いていたのでとても興味がありました。ところでプレカットとは?

【プレカット(precut)】

住宅建築における木工事部分について現場施工前に工場などで原材料を切断したり加工を施しておくこと。工期を短縮、産業廃棄物の抑制、大工職人の技量や建築現場の気象条件などのさまざまな不安定要素に左右されることなく、均一な部材を安定して調達できるというメリットがある。

文明や科学が革新されるにつれて人の技術や技量は特別なもの、時間とお金がかかるもの、と思われるようになり、住宅メーカーなどでは家を「建てる」から「組み立てる」感覚になってきたように思います。

その家その家に選ばれた丸太が運ばれ、墨を描き鉋で削り鑿を打つ。本来、床の間は大工さんの腕の見せ所でもあったはずです。

けれど施主の好みに合わせてゆっくりと家を建てることは少なくなり、また床の間の需要も減少して行きました。

それ故に大工職人さんの技術の継承も一部のものとなってしまった。負のスパイラルを生み出してしまったのです。古き良き日本人の心が失われていく悲しい現状。

けれど加藤林産は考えました。「この時代にどうしたら北山杉を使ってもらえるか?」

 

複雑な床の間の施工に丸太を持ち込んだところで大工さんは「これをどうせいっちゅうの?」そんな事がなきにしも非ず、という現場。設計図に合わせて床柱がカットしてあったらどんなに施工が楽だろう。それが北山丸太をプレカットするという発想でした。

工場で作業中です。ほとんどカットは終わっていて、仕上げの部分を見せていただきました。 

 

背中(壁がわ)です。背割りもビシっと入った上にカットされています。 

 

こちらは柱の上部。まるで木工細工のように見えますが、恐らく床の間の落し掛けにあわせてこんなに細かいカットが機械で出来るのです。 

 

丸太の太さは一本ずつ違うので、発注される設計図に基づいてコンピューターで管理しています。現代の頭脳と伝統の北山杉との融合の一部です。 

 

プレカットした丸太に下地材を付けます。 

 

何と言うことでしょう。ここまで出来ていると、現場ではパコっとはめるだけです。 

 

丸太と下地材の間に遊びがあるように、ビス留めもガチガチにはしません。このように全てにおいて「現場が作業しやすいように」の心づくしと、その家の床柱としてどうしたら北山丸太が美しく存在するかが考えられているような気がします。 

 

鋸で端を揃えて切り落として… 

ハイ!出来上がり。 「プレカット」と聞いて機械化と想像していたものとは全然違いました。コンピューターと人が力を合わせて作り上げた床柱です。

 

こうして床柱として再びお嫁に行く北山丸太。磨きがお化粧ならプレカットは既に嫁ぎ先の色に染まっている…とでも言いましょうか。

 

 

負のスパイラルから正の方向へ。住宅メーカーではこのプレカットにより床の間の需要が増えました。積極的に営業もできますよね。日本人の心。安らぎの和室と床の間。そして現場の大工職人さんは施工が容易であるとともに、カットされた丸太を見て構造を研究したり勉強にもなっています。

 

2階にはたくさんの丸太が待機しています。上質な丸太たちは乾燥も十分。加藤林産はクレームゼロを自負しています。それだけ品質管理にはこだわっているのです。 

 

きちんと磨きが施されていて5年後、10年後と年月を重ねる毎にその色艶を増していくと言います。 

 

近年、確かに出荷量が減少している北山丸太。試行錯誤の中で、誰もが絶やしてはならないと思っています。

加藤林産も考えることは常に「どうやったら北山丸太をつこてもらえるか」。

そのためにも良い杉が育たなくては。良い絞りでなければ。価値ある北山丸太でなければ。

加藤林産は信念をもってこれからも進んでいきます。

 

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北山丸太いろいろ(4)

2012年01月22日 | 北山丸太について

大寒を過ぎ、雨模様ですが気温が高かった週末。まだまだ早いかも知れませんが、今回は少し春の気配を感じる工芸品をご紹介しましょう。

こちらでも駅ナカふるさと出会い市や年末のご挨拶で何度か登場した干支の置き物や、北山丸太以外の木も使用して木工品を製作されている京北町の葵工芸さんを訪ねてみました。

 

中川とはまた違い、広々とした自然の中にある工房の内部は整頓されていて、それだけでもきちんとしたお仕事だと言うことが伺えます。

 

 

恐ろしげな工具がいっぱい。

 

ふと上に目をやると窓際に祀られているようなもの、あれは何かしら?

 

その昔、こんな大きな鋸で背割りをしていたそうなんです。いつの時代の、誰のものかは判らないということですが何だか神さまに見守られているみたいですね。 

 

これはくり貫く機械。他にも製材する機械があります。 

 

欅(けやき)の臼をくり貫く作業の途中です。こうして、線のところまでだんだんとくり貫いて行きます。欅の木目はまた、杉とは違った風合いです。ものすごく太くなりますから丈夫な臼になるのですね。

 

さてさてこの可愛らしいものたちは何でしょう? 

 

あっ!お雛さまです。胸元の合わせの部分は手描きですが、扇は木に細い注射器のようなもので染料を染み込ませるのだそうです。こうすることで年輪を消してしまわずに自然な色合いに仕上がります。

 

工房の奥には別室があり、そこでの作業を見せていただきました。今回協力して頂いたのは息子さんです。サラリーマンを経て、29歳からお父様のもとでこの仕事を始められ、息子さん考案の干支シリーズはもう一周したそうです。

 

大きなダクト?! これは作業の間、大変細かい木の粉が出て空気中を舞うのでなるべく人が吸い込まないように外へ送り出しています。

 

それでもほら、機械の周りには黄な粉のような細かい粉が積もっています。

 

「今はどんな作業をしておられるのですか?」

 

before 【使用前】

 

「杉の細かいヒゲや、凸凹を細かいやすりでなだらかに整えています。」

 

after 【使用後】 こんなに綺麗になりました。

 

それでは春のラインナップです。お借りしてみんなでワイワイ言いながらディスプレイしてみました。画用紙を並べてみたり、スタッフの一人が手持ちの和風ハンカチを出してきてくれたり…

お内裏さまとお雛さま。北山丸太の素朴な風合いを生かして、お内裏さまは肩が張った感じ、お雛さまはまぁるい優しい肩です。

 

そして五月人形、兜です。これも人形店で販売されているものとは一味違い、手作り感いっぱいです。

でもやっぱり、真ん中は何故かバウムクーヘンに見えてしまいます。^^

 

 

同じく端午の節句にこいのぼり。 

懐かしいような温もりが溢れています。兜と併せて飾るといいですね。

 

丁寧に梱包された、箱の底には一枚の紙が入っています。

「北山杉

山は高くも、そう深くもない。山のいただきに、ととのって立ならぶ、杉の幹の一本一本が見上げられる程である。霧が樹間を流れる日、粉雪が飛ぶ日、北山時雨が音もなく降る日、雑木が紅色に燃える日・・・・

それぞれの日に違った新鮮さで、北山杉の山を知る事ができる。

春の苗木植えに始まり、夏の枝打ち、秋の伐採、冬の丸太磨き等、様々な人の手をかけて全国に送り出される銘木である。

北山丸太が特殊な建材として価値を認められたのは明治以降のことであり、床柱、化粧垂木、床框(かまち)等にこの磨き丸太が使われています。

北山杉は京都府の木に指定されています。」

  

葵工芸の木工品を手にされた方は、きっと必ずこの文章に目を通して頷かれることでしょう。

整頓された工房で生まれる美しく愛らしい作品たち。

お父さんの経験と技術にあわせ、息子さんの新しいアイデアが更に磨きをかけています。

是非ともこの、季節のお人形や置き物もお父さん、お母さんから子ども達の世代へ受け継がれて行って欲しいものです。

 

葵工芸はこの他、オーダー家具なども製作しています。詳しくはホームページを訪ねてみて下さいね。

 

 

 

 

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北山丸太いろいろ(3)

2012年01月16日 | 北山丸太について

最近は1月7日までを松の内とすることも多いようですが、やはり小正月の15日が一区切りのような気持がします。今日からお便りの挨拶も寒中お見舞いにしなくてはいけませんね。 

これまでに代表的な北山丸太の種類、加工例をご紹介しました。今日は京都北山杉の里総合センター内にある、小会議室の中の北山杉を徹底チェックしようと思います。

 

純和風と思いきや…ありゃりゃ畳ではありません。この部屋は北山杉・北山丸太の装飾や建築美がひと目でわかるだけでなく、外国からの研修なども考慮に入れて立礼式のお茶会が出来る内装にしてあります。

 

もちろん、面皮柱が使われています。ここが出入り口の扉。

 

戸を開けてみると…鴨居のところはこんな風になっていますよ。釘は使ってあるのかな?

 

広くあかりが取れる窓には障子が。両側は面皮柱です。 

 

天井には和紙がはってあります。この和紙は北山杉の荒皮を水圧で剥いた時に多量に出る細かい杉皮を混ぜて、あの手漉き和紙で有名な黒谷で漉いてもらったものです。

 

北山タルキを使用した照明意匠。写真の撮り方で何だか檻の中から見上げてるみたいに見えますが…

 

明るく柔らかいタルキの雰囲気が蛍光灯の灯りをやさしく、自然の光のように変えてくれます。

 

床の間は先ほど言いましたように立礼式のお部屋ですのでこういう感じで少し高い位置に作られています。

通常床の間は書院やお仏壇との色々な組み合わせがありますが、ここはシンプルに広さ重視型。

 

落し掛け(おとしがけ)が壁面の端から端まで通っています。そしてチョンナでハツってありますね。

落し掛けとは恐らく、床の間の掛け軸の付け根が外から見えないように考えられた建築では?奥行きによっては二重になっている場合もあります。

 

落し掛けが隠しているもう一つのものは…この床の間の目玉、取り替え式床柱です。

うまいことなっていますね!床柱も着替える時代ですよ、ナンチッデ^人造絞、磨丸太、赤松などの替え用丸太があります。

 

地袋の表板にも北山杉の杉皮入り和紙がはってあります。杉皮の繊維と独特のシブい色が丸太や床材の白色の中でピリリとポイントになっていますね。

 

さて…家具や小物は次回まとめてのつもりなんですが。ひとつだけ紹介しちゃいます。

これは2011年グッドデザイン賞を受賞したテーブルですが天板に注目です。

 

天板は天然出絞の板を合わせたものです。この杢、不思議ですね~!磨丸太や人造絞とは全然違います。

まさに自然の生み出す美、そして日々使うことで艶や味わいがより深くなって行くのでしょうね。

 

幾重にも描かれた年輪。杉たちの年齢はそこで終わっても建築材や家具という新しい命を授けられ、その年輪の数以上、それ以上の年月を人びとの傍で生き続けて欲しい。

次回はそんな優しい家具や愛らしいおもちゃをお届けしようと思います。 

 

 

 

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北山丸太いろいろ(2)

2012年01月13日 | 北山丸太について

北山丸太いろいろ(1)では北山丸太の主な種類をご紹介しました。今回は加工商品の代表的な例です。

 

北山面皮柱(きたやまめんかわばしら)

磨丸太を手斧(ちょうな)などで製材し、丸太の木肌を残しながら木目の美しさを引き出したものです。

古くから数寄屋づくりのお茶室や京町家の柱などに使用されているもので、この呼び名は加工と言うよりは一つの種類のように用いられています。

丸いから丸太。北山丸太は一般的に丸いまま使用しますが、例えば壁面で障子、襖など建具と共に使用する場合は丸いままではいけません。僅かな元末の差だとしても隙間が出来てしまうからです。

そこで考えられたのがはつって平らな面を作るという方法。そして同時に美しい木目と残された丸太の面も楽しめる一粒で二度美味しい結果が得られたのです。

 

皮(木肌)を5~6分残して丸太の四面を削ります。皮の部分には丸太表面の風合いが残り、削った部分には美しい木目が現れます。

 

こちらは製材したもの。皮の部分は磨丸太ですが、天然絞りならではの柔らかい絞り模様も楽しめます。

 

勿論、昔は製材機なんてありません。手斧でハツっていました。以前、このブログでも現在もされている「チョンナはつり」をご紹介しましたね。その独特の表情は熟練の技でしか表せられないものでしょう。

 

上から見たら良くわかります。続いてはこの面皮柱を加工した新しい製品です。

 

洛北(らくほく)

北山丸太の新しい用途として腰板・壁板用に開発された製品です。木肌と木目の両方の美しさを持ち、公共施設から店舗、住宅など幅広く用いられています。

元末の差を考えるとそんなに長尺は期待できません。ですので腰板には最適ですし、壁板の場合は繋ぎます

 

 壁面の加工例は京都北山杉の里総合センターの交流活動室でも見ることが出来ます。 

 

このように面皮柱の両サイドをおよそ2.5cm切り取ります。丸みを帯びた皮の部分が生きています。加工すると最終的には2cmの厚みになります。

 

両サイドを巾を決めて落とし、ジョイント用薄板をはめ込むスリットを加工します。このジョイント用薄板のことを専門用語で雇い実(やといざね)と呼ぶそうです。この雇い実をはめ込んでビスで壁に止めながら繋いで行きます。

 

あ、両サイドだけでなく、後ろ(壁面になる方)にもスリットが入っています。

 

これは反り(そり)防止のため。丸太に背割りを入れるのと同じ考え方です。どんなに乾燥してもやはり木は生きています。大切な壁面に使用するのですから万全の対策です。

 

 

面皮柱を彷彿させる姿。美しい木目と磨丸太の柔らかい風合いと光沢がとてもいい感じ。

こんな壁面のあるお家に住んでみたいなぁ。。。

 

さて、次回は杉の里総合センター内の様ざまな個所ではどんな風に北山丸太が使われているのか調査(?)してみたいと思います。

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北山丸太いろいろ(1)

2012年01月10日 | 北山丸太について

十人十色、人にそれぞれ特徴があるように北山丸太も一本一本違います。

つるっと綺麗なお肌だったりエクボがあったり、眉間にしわがよってたり…と言うのは冗談ですが、北山丸太は磨丸太・天然出絞・天然絞・人造絞など大きなカテゴリーに分類することが出来ます。

トップページにもラインナップされていますが、改めて北山丸太の種類や用途を見てみましょう。ズラ~リ!

 

それでは、一つずつご紹介いたします。

 

 北山磨丸太 

北山丸太の基本製品です。材質が緻密で節がなく木肌はとてもなめらかで光沢があり、また通直で真円に近く元末の差が少ないのが特徴です。 

和洋を問わず住宅や店舗、一般建築の飾り柱、桁、玄関まわり等多用途に使用されています。構造材としても使用可能です。

またお茶室などの数寄屋建築には欠かせないものです。

 

左側の丸太は天然絞り丸太と言って、天然のやわらかい波状の絞りが見えます。この天然絞り丸太は自然に丸太表面に波状にできるもので、バランスよく絞り模様の入ったものは大変珍しく、主に床柱に使用されます。

 

北山人造絞丸太

木肌に波状に出る天然絞りを人工的につけた商品です。伐採の2~3年前に箸状の材料を幹に巻き付けて絞り模様をつけたもので、床柱として一般的に使用されています。 

 

箸状材料のいろいろ。巻き付け方にも技術が必要です。 

 

 

  

北山天然出絞丸太 

木肌に自然にコブ状・波状の凹凸(絞り)ができたもので、品種や地質、日当たりによって様々な表情がみられます。バランスの良い絞り模様の天然出絞は大変希少で、価値が高いとされ、主に床柱として使用されています。

 

 

北山ちりめん絞丸太 

天然絞丸太の一種です。出絞はコブ状・波状に突出しているのに対し、この品種は溝のような絞りが特徴で、非常に希少な品種です。 主に床柱に使用されます。

 

 

北山タルキ

北山丸太の垂木(タルキ)用材。無地が特徴で太さ約3~6センチ程、元末の差があまりなく、茶室や数寄屋建築に利用されますが、最近では手すりやルーバーなどの装飾用としても使用されています。

 

上の写真では太さが判りにくいので、磨丸太と並べてみました。

いかがでしょう?北山丸太と一言でくくっても、このように色々な種類がありそれぞれ独特の方法で鍛え上げられています。(笑)

一般に化粧材として使われる北山丸太。それは使われるお部屋にマッチするもの、そしてそこに住む人の好みで選ばれます。

筋肉隆々が好きな方は天然出絞、ツルっと毛のないお肌がお好みの方は磨丸太、というように(アレ?)

 

さて次回はさらに木目の美しさを際立たせた加工の例や新しい家具をご紹介しましょう。お楽しみに! 

 

 

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