「京都・北山丸太」 北山杉の里だより

京都北山丸太生産協同組合のスタッフブログです

只今、葉枯らし乾燥中です。

2020年09月23日 | 生産作業 工程

こんにちは。本日もご訪問下さり誠にありがとうございます。

さてさて、先週末、こんな風景が組合駐車場に出現しました!

まず当組合敷地の周りに植栽されている北山台杉から伐採したタルキ(小丸太)をヘラという道具を使って粗皮をむきました。粗皮がツルッと剥けるとなんだかスカッといい気分になります。

皮を剥いた後は、伝統的な槍組みにして乾燥させます。このように枝葉を付けたまま天日干しすると、芯の部分の乾燥がとても早く、また干割れしにくいという、まさに先人の知恵です。

燃料を使わず、太陽光と風を利用した環境にやさしい、とってもECOなこの乾燥方法は、江戸時代から行われている伝統的なものだそうです。
先人の知恵に改めて感心しました。

この小丸太、最近は階段の手摺りに使われることが多いようです。手になじむ肌触りが気持ち良さそうですね。

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台杉の枝打ち

2016年06月23日 | 生産作業 工程

 先日、梅雨の合間をぬって、組合役員全員で組合敷地内の北山杉台杉の枝打ちを行いました。
 台杉はタルキと呼ばれる小丸太を作る仕立て方ですが、2年毎の枝打ちを行う手入れが必要です。
今では樹型の良さから庭園用としても使われています。 

随分、伸びてました。もっさもさです。(暑っ

こんな感じ。

散髪中

 

そして草刈も。この時期雨が降るたびに草が伸びますね。

そして休憩のたびに砥石で枝打ち用の鎌研ぎを研ぎ、切れ味を良くします。

砥石を水に濡らしながら研いでいきます。手作りの容器ですね

今は無き、懐かしの中川農協 道具入れ 現役です。

 そして、蒸し暑い中1日が終わりました。こんなにすっきりしました。

 

 

 

 

 

そして台杉の足元は杉葉の山となりました。

杉葉の若いところは、色が違います。柔らかいです。

(今回はこの杉葉を利用される方がちょうどおられましたので、取りにこられました。)

 

 

omake:今年はかえるになれるかな?

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「絞巻き」 季節を感じ、風と向き合う

2014年04月01日 | 生産作業 工程

ここ北山杉の里も北風から南風に変わり、

山間の杉林も茶褐色の梢が緑色に変化しつつあります。

国道沿いの冬枯れした風景は一変し、連翹(レンギョウ)の黄色い花が春を彩っています。

冬場、北風が吹いていた時は北山丸太を外に干す風景も見れたのですが、

この時期、南風の乾いた空気になると丸太の木肌が干割れする恐れがあるので室内に取り込みます。

春の訪れは、風を感じ、風と向き合う、ここ北山杉の里ではそんな敏感な季節でもあります。

そんな季節の変化に対応する作業は丸太の乾燥風景だけではありません。

先日、事務所周辺の杉林で人造絞り丸太を作るため「絞(しぼ)巻き作業」をされる生産者の方に出会いました。

春以降夏に向けて幹も成長するため、春を向かえる手前からこの絞巻き作業が行われます。

北山杉の幹が真っ直ぐ伸びているところを10尺(約3m)の柱分の寸法を測り、

よい人造絞り丸太を造る見極めがこの段階から始まるのです。

私にはどれも真っ直ぐ伸びた幹にしか見えないのですが、

熟練した目は些細な曲りも見逃しません。

 まず梯子を掛けて登り、絞巻きをする北山杉の荒皮を剥ぐ。

そして模様となる箸状の材料と針金を準備します。

針金は1本巻ける分を予めパイプに巻き取っておきます。

どんな熟練した職人さんでも一日6~7本しか巻けない絞巻き

 どれだけ熟練した目で選別しても、よい人造絞り丸太になる確率が悪くなっているとも嘆いても折られました。

台風に雪害と心配ごとが増える中、この絞巻きの針金が外されるのは2~3年後。

あとは自然と向き合い、自然に任せる。

ここ北山杉の里では丸太を出荷する時、「嫁に出す」と例えられます。

厳しい目がその日を迎え、温和な目になる日までまだまだ職人さんの作業は続きます。

  

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幾世に渡り

2013年11月08日 | 生産作業 工程

北山杉の里を見守り続けて来た台杉。

 

 

樹齢500年の迫力は株を広げ、そこから延びる幹は真一文字に天を示す。

 

この光景はまさに圧巻

だがそこにはたゆまぬ人の努力と技が宿る。 

 

 

11月6日、この台杉の枝打ちをされていた。

 

 

枝打ちするために何本も梯子を掛け、

木を安定させる為と共に身を守る為のロープを張り、ある意味命がけの作業。

 

正直、この作業を見ているこちらの方が足がすくむ思いがした。

 

 

職人によるこのたゆまぬ作業が幾世に渡り続いた事で今でも人びとをうならせる圧巻の光景を生んでいる。

 

 

 

数百年の年月、この地区を見守り続けてきた台杉。

それを守り続けて共に歩んできた北山杉の里の人びと

 

 

 

たゆまぬ人々の努力と技が受け継がれてこそ今ある風景が存在する。

 

そして今回この枝打ちの作業を見守ったのは私たちだけではない。

この台杉を見守り続けている古刹、宗蓮寺のご住職。

 

 

「まぁ一服して」と、職人さんはもとより私たちにも声をかけて下さり本堂へ

 

 

「至福の時」とはまさにこの事だろう

 

 

 通常一般公開されてないため許可なく入れない。

 

だからこそかも知れないが、庭から観る風景はまさに圧巻。

 

 

 

 宗蓮寺のある中尾山から眺める180℃の風景は

 整然と並ぶ北山杉の山並みと

庭の木々の緑と庭石が情緒を醸し出し

縁側の毛氈(もうせん)が風情を演出し景色と一体となる 。

 

 

 

人の手により守られ続けた北山杉の里

この絶景は幾世にも渡り人々の作業の苦労と感謝と想う瞬間でもありました。

そしてもう暫らくするともみじも真っ赤に染まり毛氈と呼応することでしょう 。

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冬が来る前に

2013年11月01日 | 生産作業 工程

今年の冬は寒く、雪が多いかも知れないと地元の方は心配している。

と、いうのも今年はカメムシが大量に発生し、そんな年の冬は寒くて雪が多いという言い伝えがあるからだ。

 

 

今年もあと二か月。

10月初旬の頃は、この北山杉の里でも真夏日を記録しいつまで夏が続くのかと話していたが、

ここ数日、朝の気温は10度を切り、深まりゆく秋を肌で感じる。

 

 本日、事務所裏の北山杉林で枝打ち作業をされていた。

 

 

枝を打ったその後は太陽の陽射しが入り、周辺の木々は一気に輝きを増す。

生き物すべてに息吹を吹き込む瞬間だ。

 

 

北山杉の里に住む人たちにとってこれからの季節一番怖いのが雪害だ。

これもある意味自然との戦い。

 

人力は無力と分かっていても出来る限りの準備はしておかないといけない。

 

 

枝打ちも杉の事を考えれば枝を3m位残し、こまめに枝打ちをする方が品質の良い北山杉になるのだと職人さんは言った。

しかし、採算の事を考えると山主さんも多くは経費を掛けられないのが今の現状。

 

  

「冬が来る前に、雪が降るまでに、枝打ちをしておけば雪害対策にもなる」と職人さんは言う。

  

 

品質の良い北山杉をつくり、自然災害からも守ってやらねば・・・

北山杉を守る作業はいつまでも続く。

 

 

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北山杉の真髄 枝打ち

2013年07月29日 | 生産作業 工程

梅雨が明け本格的な夏のこの時期、北山では枝打ち作業が始まります。

春の成長時期には皮が剥けやすく、木肌に傷がつくので、枝打ちは行いません。それが7月の下旬になると成長が落ち着きはじめ、木肌が固まってくるので、枝打ち作業ができるようになります。但し、やはり杉に与えるダメージを最小限にするため、「ヒモ枝打ち」と呼ばれる(ひものように細い枝を打つからこう呼ぶそうです)、植林後7~8年生の初めて枝打ちをする木からはじめます。

北山杉に枝打ちを行う理由は

1.丸太表面に節痕の無い、ツルツルの木肌に仕上げるため。

2.まっすぐに伸び、真円の杉をつくるため。

3.成長を抑え、年輪の詰まった、強度のある干割れしにくい丸太をつくるため。

などがあげられます。

つまり、細く長く育てて、まっすぐな節痕の無い磨き丸太をつくるための、もっとも重要な作業が「枝打ち」なんです。

職人さんが手に持っているのが「枝打ち鎌」。草刈り用とは違い、刃先が短く、幅も狭くなっています。

常に切れ味を保つために1日に4~5回は砥ぎます。

 

手前の木の枝打ち痕にご注目!!幹ギリギリの高さ・・いや少し荒皮をむき、ややえぐるように枝を打ち落としていきます。打ち痕が高くなると、節として長く残ってしまうので、できるだけ幹にそってきれいに打ち落とすようにします。

「打ち痕を見れば職人さんの熟練度がわかる」と言います。安定してこのようにスカッ!と打てるようになるまでに、最低3年はかかるそうです。ちなみにこの職人さんはこの道30年のベテランさんです!!

 

パチッ  パチッ  林に枝を打つ小気味良い音が響きます。

やや太めの枝を打つ時は、このように枝を下方へ十分に絞り、一気に打ち落とします。

 

鎌を持つ右手側の枝を打つ時も、左手で枝を下へ十分に絞り・・・

 

パチッ と一気に打ち落とします。この時、手を切らないように、枝を持つ左手は木の裏側から回すようにします。

 

そして腰より下の枝は「鉈(なた)」を使います。鉈はこういった低い場所の枝や、鎌で打てないくらいの太い枝を打つ場合に使用します。

 

地面には、緑の絨毯が広がります。この枝葉はやがて朽ちて杉の肥料となります。

 

この枝打ち作業はこの後4~5年おきに、4~5回繰り返し行い、やがて30年生以上で伐採される頃には、荒皮の下にツルツルのきめ細やかな木肌と、目の詰まった年輪を持った、真っ直ぐに熟成された北山杉となります。

その間、枝打ち職人が1本1本樹幹を登り、それぞれの杉の個性を見て、太くなりすぎていれば「ゆっくり大きくなれよ!」と多めに枝を落とし、他より細ければ「早く大きくなるんだぞ!」と枝を落とす量を少なめにします。

まさに、わが子を育てるように、北山杉は育てられるのです。この北山杉の育成に無くてはならない枝打ち技術。そして枝打ち職人。

なんとしてでも後世に受け継いでいかなければならないと、改めて感じました。

 

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北山杉の挿し穂(挿し木)

2013年05月14日 | 生産作業 工程

5月に入り、いつになく肌寒い日が続いたかと思えば今度は初夏の陽気となり、体を気候に合わせるのが大変です。

しばらくこのブログの投稿をお休みさせていただきましたが、今後また少しずつアップしていきたいと思いますので、たまに覗いていただけたらと思います。

さて、ちょうど今の時期、北山杉を育てる最初の作業、「挿し穂(挿し木)」の時期です。いや、ちょっと遅いでしょうか?最適期は5月初旬なんですが・・・
先週、北区中川の方が北山杉の挿し穂をされている様子を見せていただきました。

北山杉の苗作りはすべて挿し木で行います。これを「挿し穂」と言います。一般的には杉の苗は実を蒔いて作るのですが、何故北山杉は挿し木をするかというと、磨丸太に適した優良な品種の性質そのまま次世代に引き継ぐことができる手段が挿し木だからです。

北山杉は、磨丸太として柱や桁に使うため、より真っ直ぐで丸く、木肌表面が干割れしにくく枝打ち跡が成長とともにより早く目立たなくなるなど、部材として欠点が少ない品種を何百年もの間、山主が自分達で選んで育ててきました。そして良い品種が見つかると、その枝を採り挿し木をして、次世代に受け継いできたのです。

なので北山地域の林家さんは、各家自家製の、自信ある北山杉の優良品種を代々受け継いでもっています。まさにお米でいう「コシヒカリ」や「ササニシキ」といったところですね (^^)V

また挿し木をすると同一品種を多く作ることができて、植林する林分が同一品種で揃うので均一の太さや品質の材を収穫できる利点もあるのです。

さてこれが挿し穂の様子です。こうして苗床(なえどこ)に等間隔に穴をあけ、その穴に1本1本丁寧に植えていきます。

そして2年間、この苗床で育て2年後に発根の良い苗を山に植林するのです。

 

この山主さんが言いました。「北山杉を育てる作業のなかで一番大事な作業は苗選びなんや。この苗選びを間違うと、30年間どんなに一生懸命手入れしても良い北山丸太にはならないからなぁ・・」

挿し穂の作業は2~3日で終わりますが、北山杉を育てて良い北山丸太を作るために、長年、杉を見て品種を選んできた北山地域の長い歴史と林業家の努力があることを改めて知ることができました。
 

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タルキの伐採

2012年07月30日 | 生産作業 工程

毎日のようにニュースや天気予報で「京都の最高気温は37.5℃でした。明日も厳しい暑さになるでしょう。」と聞くとゲンナリした気持ちになります。

今年は暑さが身にしみる感じで流れる汗も半端ないのは節電を心がけているから?それとも歳のせいでしょうか(笑) 

そんな猛暑もなんのその、額に汗しながらテキパキと仕事する山の職人さん達がいます。

 

先週、水曜日の朝。北山杉の里総合センターの駐車場に入ると、見慣れない光景が・・・

 

伐採されたタルキが、皮を剥いて槍組みにしてあります。

 

昨年の8月に「本仕込」の見学会でお勉強させてもらった時のことを思い出します。

てっぺんの葉を残すのは、じっくりと水分を蒸散させるためでしたよね。 

 

この日から、生産組合のタルキの伐採が始まりました。前日は大安吉日。「伐り初め」といって、暦を見てよい日に1本だけでも伐っておく、そんな慣わしがあるそうです。気持ちを正して、仕事を始める。良い木であるように願いをこめて。育ててくれた山に敬意を表して。

 

近年、機械での皮むきが普及してきたので伐採は木の成長具合を見ながら時期を選択することが出来ますが、本来は皮が剥ける時に伐採をします。

その最初となるタルキの伐採時期は7月下旬。この時期に剥くのは、春から太った部分の身が締まって木肌が固まってきているから。身が締まっているものは肌がツルツルで、そうでないものはぶよぶよなんだそうです。

そして、夏に伐採するために春までに枝締めをします。

枝締めは伐採前の最後の枝払いのことで、これが最終の太り(年輪)を抑えて表皮の良し悪し・光沢・割れにくさを決定づけます。

特に、タルキは背割りを入れないので割れには注意しないといけません。

一番太る成長期が4月5月6月で、それ以降は水を上げるのが止まるので7月の中頃で固まります。

中と外から一気に水分を飛ばすために枝締めをすると、この時期しか剥けないということになります。

 

 伐採の現場に潜入!

 

中にはよく太った木もありまして。 枝打ちや手入れを怠ったものは太くなり、「ゴロンボ」と呼ばれます。刑事コロンボではありませんf(^^);

 

チェーンソーでちゅい~ん! 

 

この日は二人組で息もぴったり。倒す方向を考えて支えながら刃を入れます。

 

長さが3mを超えたら伐採の時期。 

 

台杉の株です。左は伐採したばかりの切り口、右はその前に伐採した跡。これで15~20年ですから、いかに細く長く密に育っていたかがわかります。そしてまた横から次の芽が育ち20数年かけて伐採の時を待つのです。 

  

こんなお客さんを見つけました。チェーンソーの音にも怯えず、伐採を見学?

 

そして皮むき作業。 

 

伐れ伐れのタルキたち。 

 

剥く前に「これは綺麗に剥けるなぁ。」「何でわかるんですか?」

「勘や。」

勘。それが、ずっとこの仕事に携わってきた職人さんの何にも勝る武器。 

 

綺麗に剥かれた跡に見える、美しい木肌。 

 

先っちょの葉を少し残してツルツルに剥きます。 

 

剥いたばかりの皮は、しっとりと水分を含んで生々しい感じです。 

 

乾燥の方法はそれぞれやり方があり、伐採した木をそのまま山で5日~1週間寝かしてから皮を剥く、という人もいます。

 

30本くらいの槍組みの中から撮影してみました。自分がとっても小さく思えます。

 

お日様がもうすぐ山の端に沈む頃。まだ作業は続いていました。この日は100本くらい。

 

黙々と作業する職人さんたち。シャツもパンツも、着替えてもすぐに汗でぐっしょりです。 

 

職人さんの手に身を委ねるタルキたちは、エクボも可愛く何だか幸せそうに見えます。 

 

たくさんの皮はお風呂の焚きつけなどにも使われます。きちんと纏めて、最後まで美しい仕事。それが、ここの職人さん。 

 

伐採して皮むきを終えたタルキは槍組みのまま数日置かれ、手で触ってにちゃにちゃしなければ葉を少しだけ残して落とし、陰干しします。

そうすると残った葉は自然に茶色くなっていきます。あくまでも、木自体の持つ力を利用して、じわじわ乾燥させる。それが色艶を美しく、割れにくいタルキへと導いてくれるのです。

葉の色が変わり、再び触ってみてにちゃにちゃしていなければ、その時点で使える直材の長さでカットして保管します。

 

長い年月をかけて細く長く育ったタルキは、この灼熱の夏に職人さん達の手によって伐採され、ひと皮剥けた水も滴るいいタルキになりました。

建築の近代化で需要の減少、後継者不足など様々な問題をかかえている北山林業。けれどまだまだ、先人の智恵を受け継ぎいいものを創る人がいます。そしていいものを求める人もいます。

タルキの手触りが温かいのは、母なる大地に根を下ろす台杉から生まれそして、一本一本に携わった職人さんの心がこもっているからではないでしょうか。

夕暮れ迫る、でもまだ青い空を見上げるとスッと描いたように白い飛行機雲が。このタルキたちを明るい未来に運んでいってくれるような、そんな気持ちがしたのでした。(了)

 

 

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もやき(MISSION POSSIBLE)

2012年01月27日 | 生産作業 工程

旧正月。中国は春節、韓国ではソルラルと言いますが、私たち日本のお正月よりもこの旧正月の方が重きを置かれていて盛大にお祝いをします。アジアではこのように一年の節々で似たような風習がありますが、それぞれ特色があって飾りつけや食べ物などを見てみるとなかなか面白いです。

そんな旧正月も終わって、1月も残すところわずかとなりました。この時期、北山杉の山では大切な作業が行われています。

情報を入手して、23日の月曜日に取材を決行しました。

場所は京北町・宇野の山。南丹市との境に位置するところです。ポチポチと霙まじりの雨が降り、時には青空が顔を覗かせると言った天候で気温は2℃。

 

山道を進んで行くと、何やらきな臭い…あ~っ!もくもくと煙が!山火事?!大変だ~!

…なワケはなく、「もやき」の最中なのでした。

 

「もやき」とは次の植林の地ごしらえのために、伐採後の残材などを燃やすことです。

特別許可を得て消防署にたき火申請も提出します。知らない人がもやきの近くを通ったら「山火事だ!」と通報されることもあるそうですが(ビックリしますよね)、通報されてもちゃんと届けてあるので大丈夫です。

山を焼くという事は大変危険をともない、正式に許可を得て実施することが必要です。

それだけ実施する時期も天候とにらめっこで、今回のように道路ぎわで行う場合は煙が視界を悪くしないように風向きも考慮しなければなりません。

  

太い木のままでなく、細かくして燃やすので枝をチェーンソーで落とします。 

 

何だか可哀想みたいですけれど、これも次に育つ北山杉のために養分になると思って。

 

ここは割合平坦な土地ですが、山の斜面を登りながらする場合もあります。

 

落とした枝を集めて一か所にかためます。

 

最初はボロ布に灯油を含ませて火をつけ、燃えやすい枯れ枝からくべて行きます。これからどんどん落とした枝を燃やしていくには、火種をしっかり作ることが大切です。

 

Q.「気をつけないといけない事は?」 A.「煙にまかれんようにすることやなぁ(笑)」Q.「ゴホゴホ」

 

枝は同一方向に重ねてくべないといけません。バラバラだと隙間が出来てしまい中が空洞になってしまうからです。 

 

大きな炎があがることはないですが、結構速くかさが減ってきます。どんどん枝をくべながら「あ~あ。サツマイモを持って来るんだったなぁ」^^

 

一度に一か所で燃やすのではなく、ある程度一つのかたまりを燃やすと移動して別のかたまりを作ります。手前のはほとんど燃え尽きました。

 

太い枝が骨のように燃え残らないように足で踏みながら細かい灰にします。この灰も土壌への肥料の効果があるようです。 

この後3月から4月にかけて、起こした苗木の土が乾かないうちに植林します。そして植林のあとに降る雨は「金の雨」と言われています。

 

鎮火には2~3時間かかると見て、一日の作業を予定します。火が消えたのを見届けてから、職人さん達は引き揚げます。

この日の天気予報は雪になると言うことだったので、さらに安心して帰れたでしょう。長年の勘と予報がバッチリ合いました。

そんな寒い日でも、お弁当の前には一旦着替えてられました。ズボンまでビッショリの汗だそうです。いかに重労働かがうかがえます。

 

いま立派に成長を続ける北山杉たちも20年、30年前は可愛い苗木でした。

その苗木が植林されてスクスクと育つことが出来る地づくりをするために、人は自然と相談しながら労力を惜しみません。

そして杉の枝が灰となってまた土に還っていくのを見ていると、何かチョット感動して少しお手伝いさせてもらったことが嬉しくなったのでした。

 

 

 

 

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絞巻きサバイバル撮影

2011年11月11日 | 生産作業 工程

やっと11月らしい気温になり、晴れた日の夜は月も冴えざえとした光を放つようになりました。

先日JICAの皆さんも興味をお持ちだった人造絞丸太。その絞巻きの機会に恵まれ、ビデオ撮影に同行しました。

今回はお手伝いを兼ねていたのでたくさん写真は撮れませんでしたが、理由はそれだけでなく・・・

なかなかサバイバルな状況だったからですf^^; 途中まで車で移動したのですがそれすらジェットコースター気分。

職人さんは目指す北山杉に向かって山の斜面をスイスイ、私たちは、もうとうに到着している職人さんの気配めざして側面から道なき道をトロトロ。

途中で何度か立ち往生。見下ろせば…

ころころと転がり落ちそうな傾斜です。北山杉は密に植わっているように見えますが結構、間隔が広くてつかまりながらという訳にもいきません。

 

やっとの思いで合流、手による人造絞巻きを見せていただきます。

最初は梯子をかけ、天辺まで登ると梯子は蹴落とします。巻きながら足場をグッ、グッと下げていきます。

予め荒皮を全部剥いてから巻く方、剥きながら巻いていく方、職人さんにそれぞれのやり方があるようです。

今回は剥きながら巻いていかれます。一定部分を巻き終わるとカマでシャッ、シャッと皮を削り落とします。

腰に下げた籠の中にはたくさんの箸状当て材、針金、かまなどが入っています。

結構急な斜面でしょう。カメラマンさんも職人さんの細かな作業を見逃さじと真剣な表情。

この後、機械で巻く方法も見せていただきました。(現在はこれが主流)

この様に針金を巻きながら箸状当て材を差し込んでいきます。

左側に見えるのがハンドル、その内側に針金が固定してあり、ローラーで押さえながらぐるぐる回して巻いていきます。

身体も楽だし時間効率も良いですが、機械化された頃はローラーが木肌に食い込んでしまい、型が残ってしまったという苦労話も聞かせてもらいました。それでも一日に巻けるのはわずか7本。緻密で手間のかかる作業です。

 

最後に間竿(けんざお・3mの長さの竹)を合わせて長さを確かめたら出来上がり。箸状当て材がはずされるのはおよそ2年後です。季節を二度めぐり、どのように生まれ変わっているのでしょうか。

 

ところでサバイバル撮影と名付けたのは急な傾斜のためだけではありません。行く手を阻む生きた鉄条網。

「あいたたた!ナニコレ?」私の声に職人さん、「あ!それ気ィつけなあかんで~」

...と言われても、時すでに遅く足にまとわりつき、手で取ろうとしたらその手に食らいつき、そうこうしている内に腕にも袖にも絡み付き囚われの身。手のひらは穴だらけ…その正体はこれ。 

「蛇結(じゃけつ)」…地元の人はジャッケツとも呼んでいます。

何とも恐ろしい文字と響き。枝がもつれながらくねっている様を雌雄の蛇が絡みあっている様子に見立てて名付けられたらしいです。

【ジャケツイバラ】 学名 caesalpinia decapetala

日本原産、本州以南に分布、マメ科の蔓性。なるほど葉っぱはマメに似ています。ジャケツイバラ科と特定されることもあります。

 

種子は有毒ですが、「雲実(うんじつ)」という生薬としてマラリア・下痢に効能があります。

「毒をもって毒を制す」とはまさにこの事かも知れません。棘は様ざまな方向に向いていて、ひとたび刺さるとなかなか取れません。

その名前は鋭く丈夫な棘に蛇でも絡めとられてしまうという意味合いもあるのかも知れません。

そんな恐ろしさとは裏腹に4月~6月には可愛らしい鮮やかな黄色い花を咲かせます。(以下は資料画像)

 大きな木に絡みついて咲き誇る花。その姿は、ジャケツイバラ自身が大木であるかのようにその存在感をアピールしています。

藤の花が垂れ下がっているのに対してジャケツイバラは上を向いて咲くので、「逆さ藤」とも呼ばれているそうです。

 ジャケツイバラ。初めて知ったこの植物の名前。

山に入る職人さんは昔から「ジャッケツ」をよく知り、仕事を妨げるやっかいものとしてバサバサと切り落としています。

けれど斜めに削がれた切り口を見ていると何だか可哀想な気持ちになるのです。

切られてもなお、まるで生きた蛇のように絡みつき突き刺さる棘に底知れぬ生命力を感じ、彼らもまた自らを守るためにそうあるのだなぁと。

やっかいで恐ろしいジャケツイバラでも、その下で育つ植物は守られているのかも知れない。もしかすると、私たちの大切な北山杉を獣から守ってくれる鉄条網なのかも知れない。

そんな風に考えると、手のひらや指先の痛みも少しは和らぐような気がするのでした。

貴重な絞巻きを記録に残すため、サバイバルな撮影でしたがいやはや、自然は素晴らしい。

職人さんと山から学ぶことはまだまだ、ありそうです。

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ひと皮むけてい~い丸太になりました!

2011年10月07日 | 生産作業 工程

10月に入って最初の月曜日。清々しいと言うよりは肌寒さを感じる中川は日中でも17℃!

この前までの暑さはどこへやら、日だまりが恋しくなって来ました。

走っていると栗のイガが落ちていたり、柿の実が少しずつ色づいてきたり、川のそばでは蔓からぶら下がったアケビがはじけて開いていたり...目に映るもの全てが自然のままに流れているのがわかります。

 

そんな中、青空を背にまぶしく整列した北山丸太たち。皮をむいたばかりのほやほや丸太が天日干しされています。

今回はビデオ撮影のカメラマンに同行です。

先日、「本仕込み」の様子を紹介しましたが、近年この作業をしているところはほとんどなく、今では伐採してから枝葉をつけたまま約1ヶ月間、葉枯らし乾燥させたあと搬出し、水圧で荒皮むきを行うのが主流です。

機械がやってくれるのでその間、別の作業が出来るという利点もあります。

何度も行ったり来たりしているうちに、だんだん皮がむけて美しい木肌が姿を現します。

水圧で飛ばされた皮があちこちに付着しています。とても細かく、それだけ局所局所に強い力がかけられているのがわかります。

カメラマンも水しぶきを浴びるくらい凄い水圧です。

このように機械化されるまでは勿論、すべて手で荒皮をむいていたのです。今日は手作業での皮むきもご紹介します。

伐採された北山杉たち。この太さでも大体樹齢30年ほどだそうです。年輪が詰まっているんですね。

荒皮は分厚くガサガサしています。でも、職人さんは見ただけで「これはきれいにむける」と判るそうです。「熟練の勘」なんですね。

木肌を傷つけないように「ヘラ」を差し込んで横へ滑らして荒皮を剥がしていきます。するするとウソみたいに剥がれて、そこから覗く木肌はしっとりとみずみずしく...

これが「ヘラ」。それぞれ職人さんが自分の手に合うように手作りします。自然にカーブを描いているヒノキの枝を使います。その方が皮をむく時、丸太のカーブとなじんでむきやすいんですね。

ぺろ~ん!こんな風にきれいにむけました。さすがです!右の方にも一枚見えていますが、この杉皮は壁や天井に使用したり、瓦や茅葺屋根の下にひいたりされていました。

今では大部分、水圧でむいているので、逆に立派な一枚ものの杉皮は貴重な存在かも知れません。

 見て下さい、この光沢を! しっとりと濡れていて、たった今まで木が生きていたことを語っています。

ひと皮むけて、水も滴るイイ男って感じです^^

この後、まだ表面に付着している薄い繊維のような皮を丁寧にこそぎ取る作業が「こむき」です。

少し「こむき」をやらせてもらったのですが、なかなか根気のいる手作業。プロはシャカシャカといい音をさせて仕上げて行き、見る見るうちに表面がツルツルになりました。

 

伐採して、荒皮をむいたばかりの丸太は水分を含んでいて、とても重いのです。

それでもヒョイと担ぐ職人さん。どんなもんかと肩に乗せてもらったカメラマンさん、おっとっと。腰が入っていませんよ^^

 

また、同じ水圧を利用して手動でむく方法もあります。

長いノズルが洗車機のようですが、これで車を洗ったらボディがへっこんでしまうのでは?と思うくらいの水圧です。

 

先ほど「水も滴るイイ男」と言ってしまいましたが、この後乾燥された丸太は柱としての嫁ぎ先が決まると再びツヤツヤに磨き、綺麗にお化粧をして嫁に出されます。

手塩にかけた北山丸太が家もしくは間(ま)という主を持ち、あたたかな光を放ちながら佇む時...それは職人さん達の苦労が報われる時であり、喜びに違いありません。

幾重にも描かれた年輪は人に喩えると人生。

ヘラを使って手作業での荒皮むきを見て、そのごつい皮からつややかに濡れた木肌が現われた瞬間、雨の日も日照りの時も雪の重さにもじっと耐えた歴史を思うとともに「化粧柱」としての北山丸太の真髄を見たような気がしました...

 

 

 

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あ・うんの呼吸

2011年09月16日 | 生産作業 工程

今日も残暑厳しい一日でしたが、蝉の声もミ~ンミンからツクツクボ~シに変わりあちらこちらでススキの姿が。その周りには赤とんぼが楽しそうに飛んでいます。

大森の方では黄色く実った稲穂が頭をたれ、早くも稲刈りがすんだ田んぼもありました。

夏から秋へとうつろう、心癒される中川の風景です。

 

もう何度となく中川を行ったり来たりしていると、通るたびに目に入る光景があります。

雨の日も風の日も道路に面した作業場に並んだ美しい木と作業されるお二人の姿、そして「面皮」の大きな文字。

ここは中川で唯一、面皮加工を営むMさんご夫妻の工房です。

「面皮(めんかわ)」とは磨き丸太や絞り丸太の4面をはつり、美しい木目を見せる加工のことで、日本の伝統的な数寄屋造りの茶室の柱や床柱として使用されています。

「はつる」と言いましたが、昔は便利な電動工具などなく、鋸(のこ)・鑿(のみ)・錐(きり)などの道具を鍛冶屋さんに注文して作っていました。

面皮加工の粗削りに使う道具もその一つ、「釿(ちょうな)」です。「手斧」と書いてそう読むこともあります。

Mさんはじめ、職人さん達の中では「チョンナ」と言っていましたよ。^^

今では機械で行っていますが、今回特別に「チョンナ」での加工をお願いしました。

 

まずは定規を当てて水平を出し...

はつって行きます。今、振り下ろされようとしてるのが、「釿(ちょうな)」です。

きれいな木目が現われて来ました!正直、「え?これでちゃんと面が出来るの? 」と思いますが、そこはMさんの熟練の感覚で、もくもくと(木だけにもくもくf^^;)とはつられて行きます。

 

スゴイでしょう?飛び散る木片、チョンナのパワーです。

ほら、こんなに綺麗な面が。手ではつったのですよ。信じられますか?

年季の入った「釿(ちょうな)」。よく手入れされています。色々なサイズをお持ちでした。

そう言えば私の通勤途中にある太秦の広隆寺。

年末になると門に大きく「釿始め」と書かれた幕がかかげられます。

毎年、1月2日に宮大工の仕事初めと一年の無事故を祈願して古式ゆかしく行われるものです。

古代から大建築の前には必ず行われていたそうで、「木槍(きやり)音頭」も奉納されます。

 今では一部の職人さんや宮大工さんが使うこの道具。この中川にもしっかりとその技術を守り続けているMさんがいます。

 

現在は製材機・まるのこを使って粗びきをしています。

まるのこ...鋭い歯で、スムーズに引けているように見えますが...

押す・引くの絶妙なタイミングを合わさないといけません。まさにあ・うんの呼吸です。

この後寸法を出して鉋をかけます。

 

 

伝統的な木造建築どころか床の間のあるお部屋すら減ってきた近年、面皮柱の需要は少なくMさんご夫妻も試行錯誤の日々を送っておられます。

そんな状況の中でもお二人は笑顔を絶やさず、何より心奪われたのが奥さまの気遣いです。

Mさんの一挙一動を逃さず、必要な時に必要なものがすぐそこにあります。

そんな奥さまにチョットのろけられてしまいました^^

工房の向かい側に咲き乱れる季節の花々。

「主人が作ってるんです。何度も鹿に踏まれても、また植えたらええやんかって。凄く前向きな人なんです。」

不安な状況下でも、花や野菜を育てて生活や心に潤いある暮らし...

どうかこの面皮柱と加工技術が守り受け継がれますように。

 

「ようこそ!中川へ」。中川に来られたら、必ずこの光景が見られます。

中川に面皮のMさんあり!!

ハイカーのフランスの方と仲良しになってバスがなくなったから駅まで送って行って下さるそうな。

そんな気さくで優しい職人さんですよ。

 

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本仕込み見学会

2011年09月01日 | 生産作業 工程

8月26日(金)27日(土)、中源さん主催の「本仕込み見学会」が行われました。

両日とも午前の部、午後の部の一日2回募集、京都駅→二条駅経由の送迎バスが出されました。

マイカー参加の方の中には岐阜・四国ナンバーもあり、外国の方の参加も含め二日間で100人を超える多くの方々が「本仕込み」を見学しました。

本仕込みはこの人しか出来ない、というベテラン職人さん達が木に登り・・・中源の社長が実際に見ながら説明するのを神妙な顔つきで熱心に聞く参加者たち。

地元の方も家族で参加、山道はスイスイ!慣れない人たちはふぅふぅ言いながらの珍道中?

私は2日目を見学しましたが何度もころびそうになりながら(実際ころんだんですがf^^;)夏の日差しを背中にギラギラ浴びながら必死でついて行きました。

 

「本仕込み」と言うのは北山丸太の伝統技法のひとつで、前年の冬に枝締め(枝を落として水分調整をすること)した木をこの時期に伐採し、枝をつけたまま山で皮を剥き乾燥させる作業のことです。

本仕込みを行うと丸太の表面につやと粘り・美しい色合いが生まれ、しかも割れにくいと言います。

 

梯子では届かないもっと上の部分には「手木」と言われる棒を縄でくくりつけ、器用に登っていきます。

その上に座ったり立ったりして作業します。自分に合う手木を職人さんは自分で作ります。

 

木肌を傷つけないように上手に皮が剥かれて行きます。その下には美しい天然の絞りが見えていますね。。

お猿さんも顔負け?なんて言うと失礼ですが、尊敬の職人技です。

 

さあ、お楽しみの皮剥き体験!!皆さん初めての経験にドキドキわくわく。職人さんに指南を受けながらおそるおそる皮を剥いたりキャッキャ言ったり。自分で剥いた皮を持ち帰る方もいました。

今では本仕込みをしているところはほとんどなく、皮剥きも水圧で行われているそうです。

このように伝統技法を守り受け継ぎ、世の中に伝えてもらえる事はとても素晴らしく有難いことだと感じました。

 

綺麗に皮剥きされた丸太たち。この後、このまま数日山で乾燥した後に倉庫に運ばれ再び乾燥を続けます。

先っぽに葉を残しているのはそこから水分を蒸散させるためです。

この日に伐採された北山丸太がどこかのお部屋の床柱となるのはいつでしょうか?

昔、中川の人たちは北山丸太が工務店などに売れ、行き先が決まった時「嫁に出す」と言ったそうです。

それだけ手塩にかけて大切に大切に育てあげた北山丸太を可愛く思っているのでしょうね。。

 

山での見学後には中源さんの倉庫でお茶が振る舞われ、内部の見学や菩提の滝の砂で丸太を磨いたりを体験しました。

お土産にタルキの切れはしを貰ってみんな大満足!!

オゾンいっぱいの空気を吸って少し疲れた体で、きっと心地よい眠りにつかれたのではないでしょうか?

見学の皆さん、お疲れ様でした!!そして貴重な技法の見学と体験を提供して下さった中源さん、有難うございました。

来年も、その次も…この素晴らしい見学会が続いてくれる事を願います。

 

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台杉の枝打ち

2011年08月12日 | 生産作業 工程

今日は「枝打ち」を見ました。

この時期、作業されることの多いタルキ材用「台杉」の枝打ち。ん?台杉?タルキ?何ぞや?

詳しくは追い追いお話することにして、タルキ(垂木)は数寄屋建築などに使われる細い北山丸太。

細いと言っても直径4~5cmに成長するまで20年以上の歳月がかかる、じっくり、細く、長くの頑張り屋さん。

細くて節のない、真っすぐな木にするため下枝を切り落とす「枝打ち」と言う作業は欠かせません。

下界は35℃らしかった今日、涼やかな風がわたる奥山。

辺りにはきれいなせせらぎとカコン!カコン!というかまの音だけが響きわたります。

FさんとOさんはこの道25年と40年のプロフェッショナル、タルキとハシゴと人間が一体化して、それはもう神業の域。

 

休憩の間にもかまを砥ぎ、一日に20株ほどしか出来ないというこの作業。出来るだけ木を傷つけないように脚にも脚絆(きゃはん)をはめ優しく丁寧に行われていました。

次の枝打ちは2年後...今日、スッキリしたタルキ達はどんなに成長していることでしょうか...2年後また会おうね!!

 

 幸い蚊に刺されることはありませんでしたが、作業のみなさんは腰に色んなものを付けていました。

かまを入れるケースや蚊取り線香~

 

 

結構重そうです。

Mさんが教えてくれました。昔は藍染の布を濡らして絞ってねじり巻きにして竹の筒に入れていぶしながら作業したそうです。

藍には虫除けの効果があるらしく、昔の知恵って素晴らしいですね。。。

 

山はこけそうになったりちょっとアドベンチャーでしたが、また行きたいです。皆さん、お疲れ様でした!!

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