25時の島

祝!カブ移籍。W杯は雲の彼方に

黒人ダンサー探索

2007-02-25 22:20:53 | Weblog
先月見たアクラム・カーン+シディ・ラルビ・シェルカウイ「Zero Degrees」の公演レポートをちびちび書いていたのですが、煮詰まってしまったので、ついついネット放浪してました。

「Zero Degrees」を見た頃から疑問にあったのですが、バレエ界の黒人比率ってどれくらいなのでしょう?

アクラム・カーンはシルヴィ・ギエムと「Sacred Monsters」という公演でコラボレーションしたりしていますし、現在の舞踊界(この表記でいいのかな?)は多人種が当たり前ですが、保守的なクラシック・バレエ界ではどうなのか、ずっと疑問でした。カルロス・アコスタは有名ですが、それ以外の黒人バレエダンサーというと、ロイヤルに一人、バーミンガムに一人ずつ位しか知らない・・・。更に言えば、男性ダンサーはいても、黒人の女性ダンサーとなると知らない…。

元々クラシック・バレエ自体がフランス→ロシアという大雑把に「白人」と分類される人種構成の国家で発展したものですから、未だに「バレエは白人のもの」という見方(ダンスール・ノーブルは白人でなきゃダメとか。ありませんでしたっけ?)があるのはしょうがないですが、こちとらモンゴロイドの日本人ですからね。非白人層がバレエを踊っていくことで発見できる魅力を評価していきたいんです。

で、調べてみました。方法は超がつくほどお手軽。Wikipediaの英語版、バレエ団カテゴリからぽこぽこ飛んでε=ε=ε=(ノ^∇^)ノ、団員紹介を見る。

で、結論。
まだまだ少ないですが、アジア系と同じくらいの比率で、黒人ダンサーは活躍している。ただし、バレエ団の性格によりその比率は大きく異なる。特にアメリカは白人以外ではヒスパニック系の非白人系ダンサーの活躍が著しいので「黒人ダンサー」というカテゴリで語るのは難しい。

アメリカのボストン・バレエやアトランタ・バレエ、カリフォルニアのサン・ホセ・バレエなどには男女ともに在籍する黒人ダンサー数人ずつですが確実にいます。出身はそれぞれ付属のバレエ学校であったり、Alvin Ailey American Dance Theatreや、Dance Theatre of Harlemなど、黒人主体のダンス・カンパニーから移籍したりしていて、興味深いです。

反面、やはりアメリカン・バレエ・シアターやニューヨーク・シティ・バレエなどは白人、性格にはロシア系、イタリア、スペイン系が圧倒的です。ただ、アングロ・サクソン系が予想以上に少ないように見えます。苗字がゴンザレスとか何とかフさんとかロシア、ヒスパニック系な人が多いです。
で、気になったのが、ここでバレエ=白人と定義したとき、じゃあ「白人」とは何か?ということ。日本的な定義だと、アングロ・サクソン、ゲルマン、ラテン(ヒスパニック含む)、スラブまででしょうが、北米だとヒスパニックと白人(White)には差異があるわけで、定義があいまい化していく。歴史をさかのぼると、マーゴ・フォンテインはブラジル系、ヌレエフはタタール系だし…と思考がスパイラルしていきそうです。


閑話休題。

意外なところではスウェーデンはマッツ・エックで有名なクルベリ・バレエとフランスのベジャール・バレエ。綺麗な黒人ダンサーが多いです。肉体表現を追及する現代作品が多い分、開口が広いのでしょう。

まあボリショイとかパリオペラ座で恒常的に黒人ダンサーが確約するようになるには地殻変動が起きない限り当分先でしょうが、バレエ界の人種構成が良い意味でどんどんミックスしていけば良いのになあと思う今日この頃なのです。





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2 コメント

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クラシックは難しいでしょうね (ここなっつ)
2007-02-26 09:23:35
クラシックの演目、特に王宮が舞台のおとぎ話では、アコスタのように、肌の色なんか意識しないくらい上手いダンサーでないと、浮いちゃうでしょうね。

エジプトが舞台なのに、白人ダンサーばかりというボリショイの『ファラオの娘』もリアリティーが無いなと思いましたが、舞台設定によるんでしょうね、きっと。

黒人ダンサーは筋肉のつき方が美しく、身体能力が優れているので、コンテンポラリーでドンドン出てきてほしいです。アルヴィンエイリーの公演を観た時にはウットリし、「同じ人間とは思えない・・・」と、友人と話しました。
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演目も関係ありますね (あび)
2007-02-27 21:29:45
〉ここなっつ様
そうなんです。黒人ダンサーって見ていてほーっとため息つくくらい綺麗なんですよね~。上半身なんて神様の造形美です!(←暴走中。しばしお待ちを・・・)




(落ち着きました)

それはさておき、以前、チェーホフの「三人姉妹」の面白い脚色があったことを思い出しました。キャストが全員黒人系で、舞台もロシアの片田舎から、カリブ海の小国になっていたのです。時代の経過とともに、もしかしたらエジプトを舞台にした「ジゼル」とか、コロンビアを舞台にした「眠りの森の美女」などの脚色版が出て、自ずとキャストの人種構成も変わるかもしれませんね。
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