ジニーの、今日も気まぐれな感じで・・・

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歌詞を考える Kinki Kids 『Topaz Love』

2018年08月16日 13時40分22秒 | 歌詞を考える

こんにちは、ジニーです。


みきさんに随分まえにお勧めされていた「Topaz Love」。
ようやくちゃんと聴きまして、歌詞についても考えてみました。
(みきさん遅くなってごめんなさい)

歌詞はこちらからKinki Kids「Topaz Love」歌詞


以前みきさんにただいたコメントによると、この「Topaz Love」はキンキの20周年
イベントの時にデモとして披露された曲が、正式に制作されて発表されたという経緯があるようです。
ちょっと調べてみたのですが、最初に光一くんが作っている曲があるとデモの「ららら」の状態で
披露して、その次のイベントの時に剛くんが仮の歌詞を作ってきたという流れのようです。
その時披露されているものから、さらに作り込んだものが、リリースされた形のものです。

当時、剛くんは突発性難聴を患い、20周年のイベントも欠席せざるを得ない状況だったようで、
そういった背景や、その時の感情からイベントで披露されたデモは「突発Love」と呼ばれたようですね。


20周年のイベントで披露されたということから、ファンに向けた楽曲という
捉え方もあるみたいですが、今回は一つの楽曲として考えてみようと思いました。



しかし、剛くんの書く歌詞は一筋縄ではいかないですね。
読んで理解するというより、感覚に訴えかけるという感じがします。
そういった部分をできるだけ言語化しようとウンウン唸りながら
歌詞を読み、曲を聴きました。

僕なりの見解ということで見ていただけると幸いです。



まず、今回たどり着いた僕なりのこの歌の設定は「夜」です。
それと、「花火」、「片想い」。


冒頭の、
「夜空 弾く 華の灯が
 弧を描いてそっと黙る」
というのは、花火をイメージするのが妥当かなと感じました。
しかし、センスが光る詞ですよね。
良い悪いのは話ではないのですが、花火を形容するのに
「パッと咲く」という表現をよく見ます。
花火の花が咲く瞬間をとらえた表現ですよね。
剛くんはこの歌では「弾く」という表現を使っていますが、それ以上に花火を印象づけているのは
「そっと黙る」だと思うのです。
花が咲いた時ではなく、花火が消えた瞬間にスポットを当てている。
これが以降の歌詞に効果的につながっていると感じます。
読み続けていきましょう。

「聴こえなくなった続きへ
 耳を澄ます寂しい世界」

突発性難聴になったからこそ、こういう表現ができたのかもしれませんね。
静寂の意味というか、余韻の探り方というか。

重要なのは花火が散った後なんですよ。
聴こえなくなった続きに何を聴こうとしていたのか?
耳を澄ましています。
知らずに聴こえたのではありません、そこに何か「音」があることを知っているから
耳を澄まして聴こうとしていたのです。
答えは次の歌詞にあると感じました。

「気づかれ始めて高鳴る胸」

自分の鼓動。
恋する鼓動なのでしょう、胸の高鳴り。
主人公の女性はある男性に恋をしています。
自分自身の恋心に、男性は気づき始めています。
だから花火デートになんて行ったのでしょう。
それでもまだ恋人ではありません、「辿り着きそう、愛の人」という歌詞のとおり
まだその想いは伝えていないのです。

僕は、恋心に気付かれたと主人公が自覚したのは花火があがった瞬間ではないかと思っています。
「華の灯」という表現。
「火」ではなく「灯」なのです。
灯り、照らしたのは恋する自分の表情ではなっかたのか・・・と。


さて、サビに入ります。
「輝き暴れた宝石」ですって、暴れてますよ。
制御できないということでしょうね、「この恋心は止められない」という感じですね。
「恋の色彩(いろ)の宝石よ」。
トパーズにはいくつもの色が存在しています。
ブルー、インペリアル、ピンク、ブラウン・・・。
ここではそういう意味よりも、宝石としての本当の意味が生まれたと解釈するのが妥当かと
思いました。
「あなた目掛けるネオンが綺麗
 泣き見惚れてる・・・大好きよ・・・」
ネオンを何が差しているのか、今回の考察では一番苦労しました。
悩んでしっくり来たのは、「人」を表しているという解釈。
1番では「あなたに恋するほかの女性」という捉え方がしっくりきました。

ただ、あなたに恋心を寄せる、もしくはあなたが恋している女性に対する劣等感ではないと思います。
「あんなにあたしは綺麗じゃない」という意味じゃなくて
「きっとあたしには振り向いてくれないという」感情が、ないものねだりに
彼の視線の先のものへの憧れとして綺麗に見せているのだと感じます。

あなたはあたしの恋心に気付きながらも、たぶん、ほかの女性に気持ちを寄せていると思われます。
(2番でそう感じました)
でも、そんなあなたが大好きなのです。



続いて2番に行きましょう。

「水の中を潜ったような
 静寂へと難破したあたし
 どこまでも続く孤独の
 青い色に赤らむ唇」

ここでも病気の経験をプラスに活かしたかのような歌詞があります。
水の底に沈んでいくような静寂、孤独。
想いを成就していない恋は、胸に一抹の不安を抱えながらの日々になります。
何気ないことで届かぬ思いを実感する瞬間もあるでしょう。
例えば、今回のように自分以外の女性に思いを寄せている相手であれば、
「今頃・・・」と自分自身の作り出した想像の中で、どこまでも深い水の底へ
沈んでいってしまうのではないでしょうか?
そんな水の底の青色に、印象的な赤らむ唇。
これは自分の恋心の強さの象徴だと捉えました。
きっと、いままではそういう彼への想いを抑えながら、「諦めなきゃ」と考えて
いたのかもしれません。
それでも、1番のように、辿り着きたい場所だとはっきりしたのです。
そこへ行くために覚悟を決めたはずです。

「探し求めていた物語
 辿り着きそう」

始まっていない物語を始めようとしています。
ここからも、この恋に生きようとする意志の強さを感じますね。

「希望が滲んだ宝石 火の虹打つ宝石よ」

1番で輝き暴れた宝石は、希望の色彩も含んでいます。
「灯の虹」とは環水平アークを意味するみたいですね。
橋のような虹ではなく、空に滲むような虹です。ときには丸い環を描くこともあるようです。
この虹は実に希少な現象をとらえたもので、そう滅多に見れるものではありません。
それを打つことができるほどの希望を持つ宝石、曲が進むにつれてあたしの恋への
強さは強いものへと変化していきます。

「誰かを愛するネオンが綺麗」

ここではあなたがネオンとなっています。
さっき誰かほかの女性に思いを寄せているというのは、ここで感じたのです。
ようやく片想いの状況が見えてきましたね。

そんな彼にも泣き見惚れています。
その視線の先があたしだったら、どんなに幸せだろう。


最後のサビで改めてあたしの恋心が描かれます。

「輝き暴れた宝石 恋の色彩(いろ)の宝石よ
 あなた目掛けるネオンが綺麗
 泣き見惚れては・・・サイレント・・・」

最後、サイレントです。
また静寂が訪れます。
でも、たぶん今までの静寂とは違う気がするのは僕だけでしょうか?
メロディーがそうイメージさせるのかもしれません。
僕は、このサイレントを、「息をのむ」、「時が止まる」と解釈しました。
多分、泣き見惚れてたあなたの横顔がこちらを向いて目が合ったんじゃないかと。
そこで、サイレント。
なんかそう捉えると、全体の歌詞がグッと感情を伴った短編映画のように見えてきます。
ここは、もう僕自身がそうであってほしいという願望だけでそう切り取りました。


さて、大サビです。
ふたりの掛け合いの真骨頂ですよね。
デュオだからできる手法。

「誰を好きになってもいいの
 いちどきりのあなたを好きでいたいよ」

「結ばれることをどこかで怖がり
 嘘ついて恋していいの?
 廻り逢ったくせに 結ばれず夢の途中
 覚めないあなたが痛いよ」

光一くんのパートでは、あたしの意思の強さが現れています。
あなたが誰を好きでも良い、ひとつひとつの瞬間のあなたが、すべて好き。

一方、剛くんのパートでは、
ずっとあなたを見てきたあたしだからこそ見えてみたあなたの本質。
誰とでも遊んでいるように見えて、本気の恋はどこか避けているのでしょう。
ずっと見てきたから、そういう一面が見えてきた。
いくつもある時代の、長い歴史のその中で、同じ時代に生まれ合った奇跡。
出逢ったことには、きっと意味があるはず。
これは僕の持論でもありますけど、人はその人にめぐり逢いたいと思うから、逢うのです。
じゃあ、あたしとあなたが出会った意味は・・・?
あなたを生涯愛せるのは、あたしであるという自負。
あたしを見てくれればきっと、本当の恋に覚めるはずという強い気持ちが描かれています。

両極端なメロディーに、両極端な気持ち。
恋に揺れるあたしの心情が、二つのメロディラインを同時に歌うことで、
絶妙に描かれていると思います。

不安もあるし、自信もある。
どちらも本当のあたしの気持ち。
そうやって揺れるのが恋心なんでしょうね。


ちなみにトパーズの石言葉は「誠実・友情・潔白」。
あなたへの誠実恋心という意味で考えれば、この宝石を選んだ意味も見えてきます。
「突発」からのイメージを受け継いだところも十分にあるような気もしますが。



この曲を通して、片想いの儚くも強いあたしの気持ちが浮かびました。
「銀色 暗号」といい「恋涙」といい、剛くんはこの手の、自分自身の内なる感情、恋心と対峙して
揺るぎない想いへと昇華させる恋の歌が得意ですよね。
愛とは求めるものではなく、与えるもの。
そういう想いが歌詞から感じられます。

女性からはこういう歌詞はどう映るのでしょうか?
ネットとかで感想を見る限り、絶大な共感を得ていますよね。
違う性別の歌詞で、ちゃんとその同性の共感を得られるって、並大抵の感性ではないと思います。
これがキンキにどっぷりとハマってしまう背景なのかもしれませんね。


例によって、ファンの方とは違う見解かもしれませんが、
こういう見方もありかもねっていう気持ちで読んでいただけると幸いです。


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コメント (4)
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