「ユウキ食品」は、中華料理の調味料で有名なメーカー。
料理をする人なら誰でも一度は購入経験があるのではないでしょうか?
ガラスープなどの中華調味料で一般に広く知られ、いろいろなスーパーの中華材料の棚には商品を見ることが可能な銘柄です。
この「ユウキ食品」に対し、農林水産省から加工食品(調味料)の不適正表示で是正指示が出されました。
(農林水産省の報道発表)
何をしたのか?というと、販売している「ガラスープ」や「オイスターソース」などの調味料の原材料の一部(食品添加物を含む)を意図的に表示しなかったということです。
このニュースは新聞、TVなどでも取り上げられたようですが、とんでもない方便で釈明しています。
以下に読売新聞の記事を引用します。
(読売新聞記事へのリンク)
まず第一に、自社でJAS法違反を認識していたのにも関わらず不正な表示を続けていたという点が有ります。意図的に法を犯していたわけです。
加工澱粉やトレハロースは食品添加物です。これを表記していないのですから大問題。食品添加物の使用を意図的に隠していたわけです。
もっと問題なのは記事にもありますが「隠し味の企業秘密なので表示したくなかった」という釈明です。
新聞報道以上に悪質な点がここに隠れています。
農林水産省の報道資料をもとに解説していきます。
「ガラスープに加工でん粉(食品添加物)を使用しているにもかかわらず、これを原材料として表示しなかったこと」
上記の行為については、乳糖の入手困難時のみに行う一時的な代用品として加工でん粉を使用したため、一時的なものと考え、意図的に表示しなかったこと釈明しています。
「ガラスープ」への乳糖の添加は造粒(粉末スープを粒状にする)を目的に行っていたと推測できます。
商品の粒状から押し出し造粒法と呼ばれる方法で製造されていることが考えられます。こういった製造では賦形剤として乳糖や加工澱粉が使用されます。
ただし、不足したからと言って簡単に置き換えできるものなのか?という疑問が有ります。乳糖と加工澱粉は多少性状が異なるので簡単に置き換えできないと思うのですが。
少なくとも前職の健康食品会社の品質管理の責任者は単純な置き換えなんて許しませんでした。原材料の変更時には一から試作に試験を重ねていました。
さらに一時的な原料の変更でも表示はキチンと直していました。実際に訂正シールを貼ったりした思い出もあります。
さらに悪質さを感じるのは以下の2商品。
「オイスターソースの原材料表示について、食酢、たん白加水分解物(アミノ酸混合物)、イーストエキス(うまみ調味料)及びトレハロースを使用しているにもかかわらず、これらを原材料として表示しなかったこと」
「甜麺醤の原材料表示について、酵母エキス(酵母を原料としたグルタミン酸を含んだうまみ調味料)を使用しているにもかかわらず、これを原材料として表示しなかったこと」
これらの行為については、
「隠し味として使用していることから、企業秘密として、意図的に表示しなかった」
と農林水産省に説明しています。
でもこれは方便でしょうね。
是正前後を比べてみると解りやすいです。オイスターソースを例にとってみましょう。
「オイスターソース」
是正前 カキエキス、砂糖、食塩、澱粉(コーンスターチ)
是正後 カキエキス、砂糖、食塩、食酢、たんぱく加水分解物、イーストエキス、トレハロース、加工澱粉(コーンスターチ)、増粘剤(キサンタン)
個人的に「悪質だなぁ」と思います。
是正前の表示では旨みはすべてカキエキスから来ていることになります。
でも実際には、たんぱく加水分解物やイーストエキスといった旨味成分を別途足している訳です。あたかも牡蠣の旨味だけで構成される商品という誤認識を与えている訳です。
企業秘密なんて言葉でごまかしていますが、他社の原料表記をみれば旨味成分の使用は一般的です。というか、すべての製品に使用されていると言って過言では有りません。
こういった点を考慮すれば企業秘密ではなく、
「消費者にカキエキスのみという優位性を表示して誤認させるため」
に行っていた、と言うべきでしょう。
競合品の李錦記やCookDoの商品ではアミノ酸や調味料の使用が表記されています。
実際にユウキ食品のオイスターソースを扱っている通販会社ではカキエキス100%というような表記を行っている例が非常に多いです。
(アマゾンや楽天市場、ケンコーコムなんかで9月13日現在確認可能です)
今となっては、この表記じゃ詐欺ですわな。
どれぐらいで訂正されるのか観察してみようと思っています。
有力調味料会社ですらこの有様です。サプリメントにいたっては言うまでも無いでしょう。
「無添加」とか「天然」とか「自然」という表現は簡単に使用できますが、製品で実現するのは難しいのです。
料理をする人なら誰でも一度は購入経験があるのではないでしょうか?
ガラスープなどの中華調味料で一般に広く知られ、いろいろなスーパーの中華材料の棚には商品を見ることが可能な銘柄です。
この「ユウキ食品」に対し、農林水産省から加工食品(調味料)の不適正表示で是正指示が出されました。
(農林水産省の報道発表)
何をしたのか?というと、販売している「ガラスープ」や「オイスターソース」などの調味料の原材料の一部(食品添加物を含む)を意図的に表示しなかったということです。
このニュースは新聞、TVなどでも取り上げられたようですが、とんでもない方便で釈明しています。
以下に読売新聞の記事を引用します。
「隠し味は企業秘密」鶏ガラスープ材料表示せず
不正表示で改善指示を受けた「ガラスープ」
調味料の原材料の食品添加物を故意に表示しなかったとして、農林水産省は10日、中華食材メーカー「ユウキ食品」(東京都調布市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示した。
同社は「隠し味の企業秘密なので表示したくなかった」と釈明しているという。
同省によると、昨年4月~今年6月、鶏ガラだしの調味料「ガラスープ」に食品添加物のトレハロースが原材料に含まれているにもかかわらず、表示せずに233万個を販売。「オイスターソース」「甜面醤」などの調味料も同様に食品添加物を表示せず、2008年1月~今年6月、計415万個の調味料を不正な表示で販売した。ユウキ食品はJAS法に違反していることを認識していたという。
同社は「大変ご迷惑をお掛け致しました」とのコメントを出した。
(2010年9月10日23時45分 読売新聞)
不正表示で改善指示を受けた「ガラスープ」
調味料の原材料の食品添加物を故意に表示しなかったとして、農林水産省は10日、中華食材メーカー「ユウキ食品」(東京都調布市)に対し、日本農林規格(JAS)法に基づき改善を指示した。
同社は「隠し味の企業秘密なので表示したくなかった」と釈明しているという。
同省によると、昨年4月~今年6月、鶏ガラだしの調味料「ガラスープ」に食品添加物のトレハロースが原材料に含まれているにもかかわらず、表示せずに233万個を販売。「オイスターソース」「甜面醤」などの調味料も同様に食品添加物を表示せず、2008年1月~今年6月、計415万個の調味料を不正な表示で販売した。ユウキ食品はJAS法に違反していることを認識していたという。
同社は「大変ご迷惑をお掛け致しました」とのコメントを出した。
(2010年9月10日23時45分 読売新聞)
(読売新聞記事へのリンク)
まず第一に、自社でJAS法違反を認識していたのにも関わらず不正な表示を続けていたという点が有ります。意図的に法を犯していたわけです。
加工澱粉やトレハロースは食品添加物です。これを表記していないのですから大問題。食品添加物の使用を意図的に隠していたわけです。
もっと問題なのは記事にもありますが「隠し味の企業秘密なので表示したくなかった」という釈明です。
新聞報道以上に悪質な点がここに隠れています。
農林水産省の報道資料をもとに解説していきます。
「ガラスープに加工でん粉(食品添加物)を使用しているにもかかわらず、これを原材料として表示しなかったこと」
上記の行為については、乳糖の入手困難時のみに行う一時的な代用品として加工でん粉を使用したため、一時的なものと考え、意図的に表示しなかったこと釈明しています。
「ガラスープ」への乳糖の添加は造粒(粉末スープを粒状にする)を目的に行っていたと推測できます。
商品の粒状から押し出し造粒法と呼ばれる方法で製造されていることが考えられます。こういった製造では賦形剤として乳糖や加工澱粉が使用されます。
ただし、不足したからと言って簡単に置き換えできるものなのか?という疑問が有ります。乳糖と加工澱粉は多少性状が異なるので簡単に置き換えできないと思うのですが。
少なくとも前職の健康食品会社の品質管理の責任者は単純な置き換えなんて許しませんでした。原材料の変更時には一から試作に試験を重ねていました。
さらに一時的な原料の変更でも表示はキチンと直していました。実際に訂正シールを貼ったりした思い出もあります。
さらに悪質さを感じるのは以下の2商品。
「オイスターソースの原材料表示について、食酢、たん白加水分解物(アミノ酸混合物)、イーストエキス(うまみ調味料)及びトレハロースを使用しているにもかかわらず、これらを原材料として表示しなかったこと」
「甜麺醤の原材料表示について、酵母エキス(酵母を原料としたグルタミン酸を含んだうまみ調味料)を使用しているにもかかわらず、これを原材料として表示しなかったこと」
これらの行為については、
「隠し味として使用していることから、企業秘密として、意図的に表示しなかった」
と農林水産省に説明しています。
でもこれは方便でしょうね。
是正前後を比べてみると解りやすいです。オイスターソースを例にとってみましょう。
「オイスターソース」
是正前 カキエキス、砂糖、食塩、澱粉(コーンスターチ)
是正後 カキエキス、砂糖、食塩、食酢、たんぱく加水分解物、イーストエキス、トレハロース、加工澱粉(コーンスターチ)、増粘剤(キサンタン)
個人的に「悪質だなぁ」と思います。
是正前の表示では旨みはすべてカキエキスから来ていることになります。
でも実際には、たんぱく加水分解物やイーストエキスといった旨味成分を別途足している訳です。あたかも牡蠣の旨味だけで構成される商品という誤認識を与えている訳です。
企業秘密なんて言葉でごまかしていますが、他社の原料表記をみれば旨味成分の使用は一般的です。というか、すべての製品に使用されていると言って過言では有りません。
こういった点を考慮すれば企業秘密ではなく、
「消費者にカキエキスのみという優位性を表示して誤認させるため」
に行っていた、と言うべきでしょう。
競合品の李錦記やCookDoの商品ではアミノ酸や調味料の使用が表記されています。
実際にユウキ食品のオイスターソースを扱っている通販会社ではカキエキス100%というような表記を行っている例が非常に多いです。
(アマゾンや楽天市場、ケンコーコムなんかで9月13日現在確認可能です)
今となっては、この表記じゃ詐欺ですわな。
どれぐらいで訂正されるのか観察してみようと思っています。
有力調味料会社ですらこの有様です。サプリメントにいたっては言うまでも無いでしょう。
「無添加」とか「天然」とか「自然」という表現は簡単に使用できますが、製品で実現するのは難しいのです。
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