黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

クローズアップ現代「検証 ユッケ食中毒 見過ごされた生肉の危険」をみて

2011-05-24 16:42:05 | 院長のひとり言
「検証 ユッケ食中毒 見過ごされた生肉の危険」をみて



いつものように大まかに3点をあげると
1.安さ偏重の販売姿勢
2.プロの存在しない飲食店の増加
3.遅れた法規制


番組を通して感じたのは起きるべくして起きてしまった事故なんだなぁということ
そしてこれを言うと怒られるかもしれませんが、自分も含め消費者側の危機意識の欠如も問題なんだなぁと

まずは
1.安さ偏重の販売姿勢



和牛ユッケ280円って聞くからに安いですよね。
ちょっと考えて見ればわかりますが、肉屋で売っているローストビーフ用やタタキ用のもも肉が100gで400円以上しなかったっけ?
ましてや和牛ならもっと高かった記憶が有るんですが・・・
写真からみると肉の使用量は40~50g程度は有ると思うんです。
S玉~M玉の鶏卵卵黄が15~20g弱と考えるとそれぐらいはありそうなんですが・・・
これを280円で出すってことは相当安い肉のはずなんですが。
「和牛?」って気もします

これについては直接ではありませんが番組でも触れています。



ユッケ用の牛肉を卸していた食肉卸の仕入れ伝票ですが仕入れているのはC1とC2の肉。「すそもの(最低ランク)」というはなしです。
(個人的びっくり=C1ってペット用じゃなかったんだ)
まあ番組でもこれが事件を起こした焼肉店に行ったとは言っていません。
ただ、安価なものが得意な食肉卸だったようです。



しかもこのユッケ、接客マニュアルでも客へのイチオシとしてプッシュするように記載があります。
ということはきちんと利益が出ている商品だったはず。



そして調理マニュアルには標準歩留まり97%の文字。
つまり「パックされたお肉のうち97%はお客さんに提供するように」ということ。
トリミングを前提としない調理マニュアルなわけです。

最終的に行き着くコスト削減が品質管理コスト。
この場合は衛生管理コストですね。
元従業員の話では、創業時は菌検査等の衛生管理に外部のコンサルタントを入れたりそれなりのコストをかけていたという話。
でも衛生管理などの品質管理は収益を生み出さないコスト部門です。
コストの数字だけに眼が眩んで削っていったのでしょうね。

2.プロの存在しない飲食店の増加



ネット販売で急伸する食肉商社の方が恐ろしいことを言っています。
「7500店の取引先のうち1/3くらいはそれほどプロでない方が経営されている」
怖い話です。
一方でわかる話でもあります。
自分たちの業界を見ても思うことはありますから。
この項については割愛します。

3.遅れた法規制



「事故が起きていない中、事業者を縛る法規制をかけるきっかけが無かった」
まあいつものセリフですね。
無免許でのマッサージ類似行為や整体なんかが規制されないのもこの理屈なんでしょうね。

最後に別項というか一番びっくりしたのが



子供に生肉を食べさせたことの有る人がこんなに多いとは思わなかった。
自分が子供の頃って、子どもが食べちゃいけないものがいっぱいあった。
塩辛とかつまみのたぐいは全部ダメって言われてたし、焼肉の時には「お肉はよく焼きなさい」って怒られた。
生肉なんかもってのほか。
大人の食べ物と子供の食べ物はきっちり分けられてたよね。
子供の欲しがるものをなんでも与えてしまう社会というのも一因になっている気がします。





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