黒砂台鍼灸あん摩治療院

鍼灸院の日常日記

クローズアップ現代「小児がん 新たなリスク」を見て考える1

2011-02-08 11:18:28 | 院長のひとり言
クローズアップ現代「小児がん 新たなリスク」を見ての感想です。
いつものように番組の大きな流れを書いていきますと

1.小児がんの新たなリスク「晩期合併症」
2.日本国内での取り組みの始まり
3.諸外国での取り組み

という感じで番組は進んでいます。
まず番組を見て思ったのは、残念ながら日本の医療体制というものはいまだに「病を見て患者を見ない」という現状に有るということです。
これについては明日の記事ででも詳しく書いていこうと思いますが、お医者さん側の問題ではなく日本の医療政策側の問題じゃないかと。
昔から思っていることなんですが、個人個人の患者さんがこれまでどのような病に罹患し、どのような治療を行ってきたのかという履歴をお医者さん側では見ることができないんです。このことが晩期合併症の問題を含めて日本の医療の問題点の一つなんじゃないかなと。
お薬手帳なんてものもありますが、あれは患者さんがわが出してくれないとお医者さん側では全くわかりません。

今日はとりあえず1.の「晩期合併症」について書いていきます。



「晩期合併症」難しい言葉です。
「晩期」というのは辞書によると「物事の終わり≒終期」というような意味合いです。
「合併症」とは「手術や治療・検査などの後,それらがもとになって起こることがある病気」といういみ。
つまり「晩期合併症」とは「手術や治療・検査などの後、ある程度の時間経過の後に、それらがもとになって起こることがある病気」と捉えられるんじゃないかな?

今回の番組では特に、小児がんの元患者の晩期合併症の問題について取り上げています。



そしてこの「小児がんの晩期合併症の問題」はがん治療時には番組で小児科医の先生も仰っているように、このように複雑かつ重篤なものになるということが想像もできないことだったという点です。

小児がんの治療の時にはともかくそのお子さんの生命を救おうと一生懸命治療を行い、患者である子供たちががんから解放される。なのに、その後数年~十数年も経って・・・というのは患者さんにとっても、家族にとっても、そして治療を行った先生方にとってもつらいことです。



小児がんの治療ではかなり強い抗癌剤や放射線が使われます。大人のがんと異なって進行が早いというというのと神経芽腫や小児性白血病などの厄介ながんがおいというためでしょう。
これらの抗癌剤や放射線はがん細胞だけでなく、正常な細胞にもダメージを与えてしまいます。




とくに小児の場合、成長過程の細胞や器官にダメージを与えてしまうことで、成長に伴って様々な症状が現れてくる可能性があります。



去年の3月に国は始めて晩期合併症についての調査を報告しました。
平成18年~21年度に行われた小児がん患者の追跡調査では、上記の図のように半数以上の患者で晩期合併症が出ることが判っています。
女性で約半数、男性に至っては約2/3の患者さんに現れているのですから、物凄く高い確率で晩期合併症は起こることになります。



多く報告されている晩期合併症は上記のように、「ホルモン分泌の異常」「二次がん」「骨粗しょう症」となっています。そして複数の合併症に苦しんでいる患者も多くいます。
現在は小児がん患者を継続的にフォローアップし、こういった合併症の早期発見から治療へと続いていく体制にはなっていません。患者側の不安を取り除けるような医療体制の構築が早急に求められている、というう段階です。

明日以降、日本の取組み、世界の取り組みについて書いていきます。
















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