ニューヨークにあるマダム・タッソー蝋(ろう)人形美術館にあるビヨンセの蝋人形が、この夏、SNSで集中砲火を浴びています。
◆メラニン色素が薄すぎ?色白ビヨンセなんてあり得ない
炎上のきっかけは7月中旬にアップされたあるツイートから。「ビヨンセの蝋人形@マダム・タッソーがひどすぎる」というつぶやきが写真付きでアップされると、瞬く間に大量のいいねとコメントが付きました。
すると、興味本位で蝋人形を観に行く客が殺到。次々とSNS上に写真付きコメントがアップされ、ビヨンセ蝋人形に対する「似てない祭り」が繰り広げられたのです。
中でも多く見られた意見が、「メラニン色素がなくなっちゃったの?」「リンジー・ローハンの間違いでしょ?」など肌の色が白すぎることに言及したもの。単に似ていないだけならまだしも、肌の色がこんなに違うなんて! と、差別的な意味合いも含めて社会問題になったのです。
この大炎上を受け、天下の『ニューヨーク・タイムズ New York Times』も調査を開始。しかし、女性記者が同美術館に乗り込むと、渦中のビヨンセ人形は忽然(こつぜん)と消えており、担当者からはその理由を聞くことができなかったとか。
翌日には修正版のビヨンセ人形が美術館の最上階にお目見えしたようですが、美術館側は新バージョンについて「スタイリングと人形の照明を少し調整しました」とのコメントを発表。照明や角度によって見え方が違うだけで、決して肌の色は変えてないことを強調しました。
同誌は蝋人形のビフォアアフターを掲載し、その違いを比較。来場者の中には「問題になっていた人形に比べればビヨンセに近い」とまずまずの評価を下す人もいたようですが、騒動の沈下はまだ出来ていないようです。
◆海外遠征バージョンは痩せすぎで大炎上
さらに、ビヨンセの蝋人形の「似てない祭り」は今に始まったことではないと『ワシントン・ポスト Washington Post』が過去の騒動をまとめています。
実はアメリカ以外にもたくさんあるマダム・タッソー系列の蝋人形美術館。「ワールド・ツアー」と題して、2013年からビヨンセの蝋人形を英ロンドンやタイのバンコクなどに遠征させていたようなのですが、今年1月にはカナダのオンタリオ州にあるルイス・タッソー蝋人形美術館に飾られたものが「似ていない」と大炎上していたのです。
その一番の理由は「痩せすぎ」であること。ビヨンセの特徴である大きなお尻は影も形もなく「Flat-Butted(平たいお尻)を持つ人形」だとSNSで袋叩きにあいました。
このビヨンセとは似ても似つかぬ蝋人形を前に、「カナダを冒涜(ぼうとく)しているのか!」とのツイートも飛び出す始末。メディア各誌も「ホワイトウォッシング」(『ヴァイス Vice』)、「ここまで来ると違法!」(『セブンティーン Seventeen』)と批判していたそうです。
マダム・タッソー蝋人形美術館に飾られていたオリジナルの蝋人形は、ビヨンセと彼女のメイクアップアーティストが監修して2004年に作成。
ビヨンセ本人もメイキング動画に登場し、「完璧な出来」と太鼓判を押していたようなのですが、今やSNSではオリジナルも含め「ビヨンセ蝋人形はどれも似ていないが常識!」となっているよう。
いやはや、どこでどう間違ってこんなに似ていないビヨンセ人形が大量生産されてしまったのか、謎は深まるばかりです。
Source:『New York Times』 https://www.nytimes.com/2017/07/21/arts/music/beyonce-madame-tussauds-wax-statue.html
『Washington Post』 https://www.washingtonpost.com/news/arts-and-entertainment/wp/2017/07/22/beyonces-wax-figure-looked-too-white-to-some-so-madame-tussauds-gave-it-new-styling/?utm_term=.ee9e7fc33108
『VICE』 https://www.vice.com/en_ca/article/ezx37w/we-investigated-a-niagara-falls-wax-museums-disturbing-injustice-to-beyonce
『Seventeen』 http://www.seventeen.com/celebrity/news/a44308/bad-beyonce-wax-figure-camada/
日本のビヨンセの方がもっと酷い。