門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

恵那峡〜2017.10.15学芸員と歩くふるさとの大地「東濃編」その5〜

2017年11月05日 | 古生物学・地学

(北岸展望台から眺める恵那峡大橋と恵那峡)

  「恵那峡は、1924(大13)年に木曽川水系で最初に作られた大井ダムが木曽川をせき止めたことで作られた人造湖を利用した峡谷であり、ダム湖百選にも選ばれている。」(配布資料より引用)

 写真に写っている花崗岩(苗木花崗岩)には直方体の割れ目=方状節理が見られます。これは花崗岩の岩体が地中から地表に隆起したことによって、岩石生成時の高温高圧から常温常圧になり、冷却による収縮と外圧からの解放でできた割れ目だそうです。

 そして地表に露出した岩体は寒暖差による膨張収縮の繰り返しや節理に入り込んだ水分の結氷による圧力、植物の根など異物が入り込むことなどによっても割れ目を広げ、いわゆる花崗岩の物理的風化=細粒化が始まります。この他にも化学的風化というものもあり、花崗岩に水分が入り込むことによって比較的不安定な長石・雲母などが粘土鉱物に変わっていき、化学的に安定した石英が残るそうです。

 これら一連の風化作用を「花崗岩のマサ化」と呼びます。そして風化=マサ化してできた細粒がマサ、マサが堆積した土がマサ土だそうです。したがって由来する花崗岩の含有鉱物の割合や風化の度合いによってマサ土の性質も変わりますが、東濃地方のマサ土に含まれる粘土鉱物は良質の窯業原料として現在も利用されています。

 雨はずっと続いているのですが熱い講義は続きます。講義だけでなく、講師である小井戸先生と他の受講者の方々によるQ&Aシリーズも熱いです。いろいろ書き留めたのですが、後で読み返してみると何が何やら、、、でも、岐阜地域を流れる木曽川と長良川の川の色が違うのはマサの影響だというお話は印象に残りました。木曽川は犬山のあたりまでマサを運ぶのに対し、長良川は美濃でマサを落とすので比較的水が澄んでいるとのこと。今度機会を見つけて確かめてみたいです。。。。

参考:学芸員と歩くふるさとの大地「東濃編」配布資料 Oct.15.2017 岐阜県博物館刊

 

 



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