門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

2019.4.29 多賀町古代ゾウ発掘プロジェクト2019参加

2019年05月18日 | 古生物学・地学

 定員20名のうちになんとか滑り込み、親子化石発掘体験に参加できました。このイベントの何がすごいって、「古代ゾウ発掘プロジェクトで調査されている真っ只中の発掘現場で化石発掘を体験できる」ということなんです。しかも体験日の午前中にはシカの骨が発掘されたとかで現場もかなり沸き立っていたとか。

「そんなときに体験なんか受け入れてていいの?調査は明日までなんでしょ?調査の人達は発掘に集中したいんじゃないの?」

と不安顔な息子その1。くらげびともそうは思いますが、悪天候でも別場所で体験を行えるようにってところまで博物館の方々はすでに準備してくださっているのです。ここは素直に楽しんじゃいましょう!

 まずは集合場所である多賀町立博物館から四手の発掘現場まで移動し、古琵琶湖層の成り立ちや環境についてレクチャーしていただきます。化石の現物や写真も見せていただき、ヘルメット、軍手装着でいざ発掘。

 開始早々殻高1㎝もない巻貝発見!完形です。息子その1はヒシの実を見つけたようです。この地層は木の葉やヒシの実の断片が目立ちます。運がいいと咽頭歯や虫の羽も見つかるそうです。(いろいろ教えていただいているうちに巻貝がどこかへ転がっていってしまいました。すごく残念。)

 場所を変えてもう一度チャレンジ。ここは古代ゾウの調査地層とほぼ同年代(つまり約180万年前)の地層とお聞きし、参加のみなさま俄然やる気。でも表層に近い先ほどの場所よりは目につく化石が少なく、皆様黙々と石を割られますがあっという間に時間切れ。息子その1はメタセコイアの堅果とヒシの実(ともに完形)を掘り出し、一応満足。博物館に収蔵するレベルではないのでお持ち帰りして良いとか。くらげびとは丸坊主。ただ、やわやわの藍鉄鉱と鉄分の沈殿した地層の欠片、年代は全く異なるけれど火山灰の積もった地層のサンプル?をゲットできたので幸せ。藍鉄鉱は酸化するとすぐに色変わっちゃいますけどね。。。

 お忙しい中お骨折りいただいた関係者の方々に御礼申し上げます。おかげさまですごくためになりました。

 そしてこの発掘体験は調査が続く限りほぼ毎年この時期に開催されるそうなので、参加対象が親子限定ではありますが、関心のある方はどうぞ!おすすめです。

参考:多賀町立博物館